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妹が最強すぎて冒険がぬるい  作者: 鳴嶋ゆん
第1章 冒険者としての出発
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1-12 初めてのギルド依頼

 武闘家認定試験の喧騒から逃げ出すように、アリサを連れて受付へ戻る。


「細かいことはお兄さんにきいてもらえばいいでしょうが、規則ですので形式的な説明はさせてもらいますね」

 サマンサから色々と説明を受けることになった。

 俺のときにもあったはずだが、どんなこと説明されたかイマイチ覚えてないな。


「アリサさんの冒険者カードはこれから作成されますので交付は3日後になります。

 ただ、現時点ですでに冒険者ギルドのメンバとして認められておりますので、依頼を受けることも可能です。

 冒険者カードはここでは提示は不要ですが、他の街の冒険者ギルドを利用する時は提示が必要となります。

 また身分証明書としても利用できますので、紛失盗難などには注意してください。

 注意してもらう点として、アリサさんの冒険者ランクはFランクとなっています。

 Cランク未満の冒険者は一定期間無届けで依頼を受けないまますごすと冒険者の資格を失うことになります。

 一旦、資格を失うと再申請後にペナルティにより受付停止期間が発生します。

 特にFランクは1ヶ月以内に依頼を受けないと資格停止となるので注意してください」


「はーい、わかりました」

 アリサは素直にうなずく。


「他の細かいことはこちらの冊子に記載されてますので後で読んでおいてくださいね」

 サマンサの説明が終わり、解放された。


「お兄様、お兄様。

 ちょっと聞きたいことが」

 さっそくアリサが尋ねてくる。

「冒険者ランクってのは職ランクとはまったく関係ないんですの?」


「あー、冒険者ランクは実績オンリーで、依頼の完了やダンジョン制覇などであがっていく仕組みだ。

 この依頼は何ポイントって感じでそれぞれ明記されてる。

 FからEにあがるのは10ポイントでいいからすぐだ。

 Eまであげておけば半年間依頼を受けなくても問題ないから、そこまではさっさとやっておこうな」


「お兄様の冒険者ランクは今いくつですの?」


「コツコツ依頼をこなしたからな。

 Cランクまであがっているからもう期間とか気にしなくて問題なしだ」


「お兄様、冒険者になって半年ですよね。

 それってなかなかすごいことじゃないのですか?」


「コツコツと地道な作業って昔から得意だからな」

 自慢していいことかどうかはわからないが、ヒマなときはギルド依頼眺めてできそうなものを片っ端からやった成果だ。


「さっそくどんな依頼があるか見てみたいですの。

 お兄様いろいろ教えて下さいね」


「あーこっちだ」

 アリサをギルドの依頼掲示板に案内する。


「この時間だともう掲示板にはろくなのが残ってないな。

 報酬が悪すぎるやつか、条件が難しいのばかりだ」


 ☆☆☆


  アリビアンまでの商隊護衛(片道)。

  拘束期間15日間(予定)

  冒険者ランクC以上・職ランク平均B以上の4人以上のパーティー限定

  報酬額 10000G ギルドポイント100P


 ☆☆☆


「この護衛依頼とかはまぁまぁなんだが、なかなか条件にピッタリのパーティーとかないだろうしな。

 ちなみに報酬のゴールドやギルドポイントは頭割りだから4人ならこの1/4だな」



 ☆☆☆


  急募:収集依頼

  レッドドラゴンの牙 (10個まで)

  報酬額 1個あたり1000G ギルドポイント 10P


 ☆☆☆


「この収集依頼は数日貼られてるが誰も応募者いないようだ。

 報酬額と難易度のバランスはちょっと見当がつかない」


 他に3枚ほどの依頼が残っているが、食指が動くものはなさそうだった。


「この掲示板とは別に常時依頼の結構な数がこちらに閉じられてる。

 初心者のうちはこっちがオススメだな」

 こちらにあるのは、主に収集依頼だ。

 収集依頼と言ってもさきほどのレッドドラゴンのように特定のモンスターを倒して入手するものや、鉱石や植物などの探索により見つかるものがある。

 人により得意不得意があるが、俺は毛皮採集のような動物を狩ることによる収集中心に依頼をこなして来た。


「最初のほうが主に動物やモンスターを倒して素材を集める系統の依頼だから、そのあたりがいいんじゃないか?」

 アリサは図書館で面白い本を見つけた時のように目を輝かせて隅々まで熟読していた。


「これがいいと思うんですの」

 アリサが示したページは、


 ☆☆☆


  薬草採集

  ヒアリス草採集20個

  報酬額 500G ギルドポイント 5P


 ☆☆☆


 なんとも地味な薬草採集だった。


「ヒアリス草はMPポーションの製作に必須の薬草ですの。

 昔、ヒアリス草が欲しくて街の商店に聞いてみたけどどこにも置いてなくて困ったことがあったの。

 冒険者ギルドが取り扱っていたとは盲点でしたの」

 アリサにはお馴染みの薬草のようだ。


「しかたないので近所の山で自分で探したの。

 最初は苦労したけど、見つけるためのコツを掴んだからもう大丈夫なの。

 たぶん、普通の冒険者が探しても苦労するから少し報酬が高めになってるみたいなの」

 これはおまかせしてもよさそうだ。


「それにヒアリス草の生えているあたりはとても眺めのいいところが多いの。

 お弁当持って、お兄様といっしょにピクニックなの」

 依頼とピクニックのどちらが目的なのやら。

 まぁ楽しく依頼をこなせるのは俺も歓迎だ。


 ヒアリス草採集の依頼を受付に持っていって2人でこの依頼を受けることにした。


「サマンサさん、このあたりでキクとかアザミとかのキレイなところってご存知じゃないですか?」

 いきなりアリサが変なことを尋ねはじめた。


「南東へ2時間くらいほど行ったセクルナ湖の周辺がキクで有名だけど今の季節は咲いてないんじゃないかな?

 たぶん、今頃だとタンポポだらけだと思う」

 サマンサからの情報にアリサは満足顔で微笑む。


「タンポポいっぱいなんだ、楽しみなの」

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