廿一
私は足元をふらつかせながら事故現場をあとにしようとしたその時、私の親友、山下槙野ちゃんが私を見つけて駆け寄ってきた.......。
「あ、おーい!やっと、みつけたー!」
「........。」
「?どうかしたの?そんな暗い顔して。」
「ううん、なにも....ない......。今日、先に帰るね...........。」
「あ、ちょっと!」
私は走って親友と別れた。あの現場を見てたら.....。もう、何も思い出したくない!何も!何も!あんな、姿の、山ちゃん、もう、見たくない!我武者羅に走っていると、誰が私の腕を掴んできた。は、離して!私が解こうとしていると聞いたことのある声が聞こえてきた。
「鶫!なんで、そんなに私から離れようとするの?一体、何があったの?」
「何も.....、ないよ......!ないから....離して!」」
「もう、絶対何かあったよね?」
「だから.....何も.....ないんだって.....!」
「もう!その心配してくれっていう態度!分かるんだよ!私たち、小学校からの付き合いじゃない!鶫がそんな態度をしてるってことは何か大きなことがあったんじゃない?話してよ!私たち、親友でしょ?」
「だから、何もないんだって!」
「絶対何かある!」
「.....ない!」
「ある!」
「........。」
本当に槙野ちゃんには敵わないね。私は槙野ちゃんに、山ちゃんが事故にあって重症で私はそれを遠目でしか見てることしかできなかったということ、事故現場の現状や私の気持ちなど全て話した。
「......そう。」
槙野ちゃんは俯いて何かを考えていた。多分、落ち込んでる私に対しての励ます言葉を考えているのだと思う。
「その山ちゃんって子は、どこに運ばれたの?」
「え....っと、近所の人いわく西園病院だと思う.....。」
すると突然、槙野ちゃんが私の腕を引っ張って
「多分、山ちゃんって子がその病院で手術しているかもしれないんでしょ?だったら!鶫がそれを見守る権利があるんじゃない?」
「だ、だけど、わ、私は.......!」
「ぐずぐず言わない!私たちだけでも見守る!」
槙野ちゃんはすぐさまにタクシーを拾って、私をタクシーを乗らせて、自分も乗った後、タクシーの運転手さんに行き場所を指定した。
「西園病院に向かって!」
「で、ですがお客様.....。」
「いいから行って!早く!」
山ちゃんが手術していると思うところに向かった。
「山ちゃんが無事でありますように....。」
私はタクシーの中で山ちゃんが無事であることしか祈ることができなかった....。




