弍
「遅刻だぞ、山城。」
俺は今担任の女教師 林田先生と話していた。林田先生は俺のクラスの担任で担当科目は生物。黒髪は腰の位置まで伸びていて、その髪の毛を顔の前に倒したら貞子を演じれるのかと思ってしまうほどとても長い。
「.......遅刻ですか。すいません。」
俺はすぐさまに謝った。また、怒られるのかなと思ったが林田先生は怒る気配もなく林田先生は口を開く。
「まぁ、とりあえずお前は犯人を捕まえてくれたからな。今回限り、遅刻は免除とする。」
「先生、本当ですか?あ、ありがとうございます!」
「お前は成績は下の中だが、私の担当してる生物はいいからな。大目に見てやるよ。」
「ハハハハハ.......。」
まさか成績が下の中とか......。先生そこは伏せてもらえます?かなり、メンタルにきますよ?
「話は以上だ。教室に向かっていいぞー。」
「ありがとうございます。失礼しました。」
林田先生の説教?を終え俺は職員室を出た。その後、遅刻届を持って急いで教室に向かった。
教室のドアを開けると今まさに授業していたらしく、先生とクラスメイトのみんなが俺を見てくる。やめて、別に悪いことはしてないよ?ちょっとだけ遅れただけだからね?しかも社会の歴史の授業とは最悪だ。最悪な理由はこの授業の担当はあの超怖い生徒指導の最恐教師 鬼一先生が担当だということだ。しかも、二時間目に社会の授業が入ってたのかよー。クソッ、とことん運ねーな俺は。すると最恐教師鬼一先生が怖い顔で俺に口を開いた。
「山城、テメー遅れて何か言うことはねーか?」
おい、目が怖いぞあんた。怒ってると思われても仕方がねーぞ?
「い、いや.....、あ、その.....。」
あー、この状況 嫌だー!早く座りたい!勇気出せ俺!
「ち、遅刻して申し訳ございません!」
「うむ。それと、遅刻届は?」
「あっ、はい。これですが.........。」
良かった....。心臓止まるかと思ったぜ。俺は林田先生から職員室でもらった遅刻届を最恐教師鬼一先生に見せる。これ、遅刻届の所に バツ(×)してるぞ?大丈夫なのかよ?
「まぁ、事情は知ってるから、今回の遅刻は認める。ただし、授業中寝たらプラスマイナスゼロになるからな?」
「.....は、はい。どうもありがとうございます。」
先生との会話が終えた俺は、窓側の後ろからの二番目の席に急いで座り、教科書などと筆記用具を机の上にだし、授業を受けたのだった。なんだか、今日は本当に疲れました。
昼休みになり、俺は一緒に弁当を食べる友達がいないのでこの学校に入学してから利用している学校外の大きな杉の木の下のベンチへと足を運んだ。ここは入学当初から俺にとってはいい場所というか好きになった所だ。まぁ、一応校則では学校外に出ていいということになっているので俺はその校則に甘えることにした。田舎と都会とでは校則の厳しさが違って田舎の方が緩かったので助かった。親曰く(おやいわく)小さい頃に、ここに来たことがあるらしく俺はこの場所をその小さい頃からお気に入り登録されてたらしい。まぁ、俺はその当時の記憶なんて覚えていない。それよりもお腹が減っていたので道中に買ったセブンイレブンのおにぎりを食べることにした。シャケ、昆布、海老マヨ、牛スジの四つの中から俺は海老マヨを取り出し、一口頬張る。この、味付けのりのパリパリ感は何度味わってもやめられない!もう最高!さて、食べ終わったら少しだけ昼寝でもしようか。俺はおにぎりを数分で食べ終えてそれから、ベンチに横になって目を閉じた。