壱
俺、山城隆也は今岡高等学校に通っている二年生。わけあって、俺は田舎の今岡市に住んでいる。理由は様々だが、一つの理由としては体が弱いこと。小さい頃から体が弱くて、小学校の頃から病院での入院生活を送っていた。まぁ、そのおかげで友達なんてできやしなかったがな。それで、中学の時に親が俺の体のことを気に使って俺を今岡市に住ませようとしてくれた。それを聞いた俺は親の意見に賛成し、中学三年から今まで住んでいる。ちなみに、俺の家は今岡駅から徒歩三分の所にある茶色のマンションの2階の一室が俺の家だ。親が俺のことを思ってここにしてくれたのだろう。本当に親には感謝しきれないほど感謝している。
4月下旬、学校の登校中に電車の中で本を読んでいると、次の駅の未佐島駅から同じ学校の制服の茶色の髪の毛が特徴の女性とその背後に40歳前半に見えるデブ男のサラリーマンが汗をハンカチで拭いながらその女性を見ながら二人は乗ってきたとは反対のドアに向かっていた。それからドアは閉まり、電車は次の駅に向かって走り出した。しばらくして、俺はデブ男を見る。まだ春なのに汗をかくかな......。と、思った矢先、そのデブ男のサラリーマンはなんと右手で女性のスカートを上げてお尻を掴んでいたのだ。デブ男のサラリーマンは汗でギトギトな手でさらに揉み揉みと揉んでいた。俺はその光景を一瞬見た後、すぐさまにデブ男のサラリーマンを蹴飛ばし、右手を背中へと押さえ込んで、
「お前!!!痴漢したな!」
俺は威圧するかのように叫んだ。
「お前、いきなりなにすんだよ〜!俺は何もしてないぞ!」
「お前がやってた所、見たんだよ.......。全く。」
まぁ、ごちそうさまだったが。俺が取り押さえていると電車の乗客たちが俺を見てくる。この状況、よくわからないがとても恥ずかしい。この状況を理解した他の乗客がすぐさまに車掌さん呼んだ。車掌さんは慌てて暴れそうなサラリーマンデブを一緒に次の駅の宮田町駅まで取り押さえてくれてた。その後、痴漢したサラリーマンデブ男は宮田駅ににて警察に引き取られた。俺と被害者の女性はどうやらこれから事情聴取があるらしいので残された。てか、これって公式な遅刻になるだろうか?そこが心配だ。
「大丈夫?」
俺はとりあえず被害にあった女性に声をかけた。よく見ると女性は茶色の髪型はポニーテイルで髪を束ねていた。髪を束ねていたゴムは今岡高校の校則を守っているのか地味な茶色のゴムを使用していた。顔はすごく美人で誰もが惚れる顔をしていた。胸は....ありますね....はい。
「........うん。」
「そ、そうか。」
はい終了。女子と話は全然持たない。三十秒持てばいい方だと思ったが呆気なく終わった。俺が天井を見上げて無心になっていると、女子の方から声をかけられた。
「.........名前は?」
人生初、女子から名前を尋ねられた。
「名前?あぁ、そうだったな。俺は山城隆也。お前と同じ高校に通ってる。」
まぁ、同じ制服だしな。
「あ、私は.....。」
「おい、君。ちょっと来てくれ。」
「あ、はい。じゃ俺呼ばれたから行くね?」
警察に呼ばれた俺は女子と別れた。警察に話をするために警察の人の後をついていった。俺と別れた後被害者の女の子はふと悲しげに独り言を捨てた。
「たっくん........。私の事、忘れてるのかな?せっかく会いに来たのに.......。」
その女の子はため息をついたあと天井を見上げた。