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馬鹿野郎の華麗なる日々  作者: ギャバン
幼少編
3/6

捨て子ですってよ奥さん

眩しい光に包まれて、目が覚めるとそこは固い地面の上であった。


どうやらここは、例のドS女神様の言っていた世界のよう。


空が白みがかっているところを察するに、早朝といえる時間帯なのかしら?


自分が今いる場所は外みたい。


何でわかるかって?それはね…。


(っ寒ッ!?風冷たッ!?)


突き刺すような冷たい風が、俺の顔に当たる。周りの空気も冷え込んでいるのかかなり寒い。

え、どういう状況な訳?何で俺、外にいるの?周囲から人の気配が感じられないって事は、この寒空に一人ぼっちって話ですか?


(うわぁ…テンション下がるわぁ…)


本当に下がるわ。どういう事?この身体のお母さんは外で俺を産んだって事?随分とチャレンジャー過ぎませんかね?で、産んだらここに俺を打ち捨てたって話?そんな、今日日犬や猫ですらそんな事は多分しないぞ。ぐう畜ってやつですわ。


(っていうか、このままだと…)


そう、このままだと多分、いや確実に俺、凍死する。


今の俺は恐らくは赤ん坊である。だって、


「ぁあー…うー」


って言葉しか喋れないもの。赤ん坊がどれくらいの耐久力を持っているのか知らないが、大人よりも丈夫って事はあるまい。


(ッ!?)


一際強い冷たい風が、俺を殺すつもりで襲ってる。あ、これはもう駄目かもしれない。


《属性耐性 冷を習得しました》


そんな言葉が頭の中で流れた瞬間、急激に寒く無くなった。


何だ今の?属性耐性?ゲームのスキルみたいな名前だな。


(そういえばあの時…)


この世界に転生する時、能力がどうのこうの言っていたな。よくわからないからスルーしていたけど。


(じゃあ、もしかすると…)


試しに俺は、ステータスって念じてみた。


《名無し



ドワーフハーフ


所持スキル:属性耐性 冷


あ、出ました。本当にゲームみたい。種族はドワーフのハーフなんですね。なるほど。で、言葉通りなら、属性耐性ってその属性に対して強くなるって事ですか?ははぁ…。


寒さで死ぬ心配は無くなったのはとても良い話ですけど、次の心配が発生しましたですよ?それはね?


(…お腹が減ったぜ)


ヤバくないっすか?このままだと餓死は確実にあるし、病気になる可能性もあるし、死ぬ確率は恐ろしく高いぞ?


絶望的な状況に戦慄していると、金属の重そうな音が鳴り、人が歩いて来る気配を感じた。


「☆!"_-/!.☆」


…何を喋っているのかわかりません。


誰かが俺を覗きこんだ。メイド服かな?ヒラヒラの付いたエプロンドレスを身に付けた若い女性が俺を覗き見ている。そんなに見つめるなよ、照れるだろ?


「☆_."-_☆☆」


何やらよくわからん言語で俺に話しかけるメイド服のお姉さん。すまんな、さっぱり理解出来ませんです。


どうにかならんかなって考えていると…。


《言語理解を習得しました》


きたぜ。これなら理解できるはずだ。その証拠にほら!


「あんれまぁ、こげなとごろに赤ん坊さおるでよぉ?可哀想に捨て子だが?あんれまぁどうすべか?」


うん、その、訛りがきつくないっすか?いや、理解はできるけれども。


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