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回廊



あれから、どれくらい時が経ったのだろう…。


気がつけば、アルバは青白く輝く不思議な空間を自然の摂理を無視して一直線に昇っているようだった。

いるようだった…と感じたのは、彼が天にでも召されるように駆け上がっているこの空間が実に不確かで曖昧だったからだ。

死後の世界へと繋がっている回廊…そんな表現が相応しいのかもしれない。

( 天国に…いくのかな…。 )

アルバは目をこすりながら顔を擡げ、進んでいるその先を見据える。まぁ、昇っているのだから地獄っぽくはない。

ふと見上げたそこは末広がりのようになっていて、放射状の無数の線がまるでその世界を構築しているようであった。だが、どこかぼんやりとしていて、どうにも現実社会っぽくない。

やがてその事を指し示すかのように、ぷくぷくと半透明な泡とかが無数に誕生し始めた。

( ん? )

なんて、アルバは目を凝らす。

すると浮遊していたその泡は、やがてありえないスピードで自分の向かって落ちてくる…。( げっ!? )なんて慌てたが、やがてそれらは”すぃ〜”ってアルバの横をすり抜けていった。

まぁね、その事自体にはとても驚いたけど、その泡の中にはいろんなものが浮かんでいて実に綺麗で面白かった。まるで、水の中を色とりどりの無数のお魚さんの群れの中を抜けているようだ。

その泡の中に写り込んでいるモノも実に個性的。

青く輝くドラゴンや大きなツノを生やした一つ目のバケモノ、ショートカットの可愛らしい女の子や、変な髪型の剣士なんてのもいた。だけどね、三つ編みの地味な女性、褐色の肌の野生的な女性、金髪の修道士さん…やけの女性が続く。

まぁ、普通に女の子は好きだからいいけど、こんなに続くと妄想好きにしてもどうかと思う。自分はもしや、とんだ女好きなのかと訝しんでしまうというものだ。

だがやがて変な髭を生やしたイケメン剣士や、怖い顔の金髪のじじいなんてのも現れた…。

まぁこっちはあんまり興味は湧かなかったが。

( これはまた面白いな… )

ずっと続く不可思議な光景にアルバは破顔させて楽しんでいると、遥か彼方からドロンって大きな泡がお生まれになった。

「ん?」って、目を凝らす。

するとそこには、ひときわ大きい泡がふわふわしていて、その中には黄金色の髪の世にも美しい聖女の微笑みなんてものがあった。


「サーシャ!!」


アルバが手を翳して、その泡に向かって叫ぶ。

だが、その泡もまるで瞬間移動のように自分の横を消え去っていく…。


「サーシャ!!!」


アルバは再び彼女の名を叫ぶ。

そして彼女の元に向かおうと必死に流れに逆らおうとしたが、残念ながら彼の体はそこで再びありえない速さで昇り始めてしまった。


「サーシャーーーーーーーー!!!」


やがて大声で叫んだ彼は、そのあまりのスピードに再び気を失ったのだった。

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