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11-A 終曲

あと二話!よろしくお願いします。

 大地が大きく揺れ出してから、既に二時間以上が経過していた。

 コーディシア国王ドゴールは、シンに言われていた通り、同盟国にローレアンヌ王家再興を通達、同時に、『最終戦奏器』が使用されたことを伝え、抑止力たる≪天空唱歌―メロディレイン―≫の楽譜を送った。

「やはり、止められなかったか」

 呟きながら、ドゴールは玉座に深く腰掛け目の前に揃った数百人のコーディシア兵たちに告げた。国境の戦闘地帯から急いで呼び戻された者たちは、突然に異変に動揺を隠せない様子だったが、誰一人逃げる様子も無かった。

「我らの世界は、矛盾に満ちている。日々の営みを豊かにする音楽の力を使い、他者を傷つけ、差別し、争ってきた。『最終戦奏器』は、まさに我らの矛盾が生み出した悪鬼」

 分かっていた。世界を滅ぼす力を持ち続けることに、何の意味も無いことは。だが、止められなかった。長い戦乱の果てにようやく手にした平和。だが、争いの火種が消えたわけではない。再び世が乱れた時のための“力”、そのための“武器”を、どうしても捨てられなかった。その結果がこれだ。一人娘の安否は知れず、世界は崩壊へと向かっている。

「善行のみでは生きられぬ。悪徳を積めば裁きが下る。これからも、我々は矛盾を抱え、生きるために傷つけ合い、そして、間違い続けるだろう。愚かな行為を続けていくだろう」

 並んだ兵士たちは、直立不動で王の言葉に耳を傾けている。滅亡の序曲は始まってしまったが、ここで立ち止まるわけにはいかない。

「しかし、異世界よりやってきた二人の勇気ある者たちが、我らの“間違い”に気付かせてくれたのだ。気付かされた間違いは、正さねばならぬ。そして、まだこの世界を、滅ぼすわけにはいかぬ!」

 より大きな声を出す。娘にも遺伝している、人の心に訴えかける力を持った声だ。立ち上がり、兵士たちを鼓舞する。

「これより我らは間違いを改め、新たな世界を築く!そのために、未来ある子らと民を救え!そして、我らの父“コーディシア”の名に懸け、母なる大地を救うのだ!!」

 鬨の声が上がり、兵たちの心が一つになったところで、側近があとを引き継ぐ。

「空船の準備は出来ているな。民を収容し、一旦空中に逃がす。第三、第四大隊は誘導を行え、女子供を優先せよ。第一、第二大隊は、小国家連合と連携し、戦列空艦でイギルスタン宮殿へ向かい、『最終戦奏器』を破壊せよ」

 下される指示に従い、兵士たちが散っていく。そんな中で、一つ、明らかに兵士とは違うラフな服を着た太った男がいることをドゴールは見逃さなかった。

「お前、元シンディオ軍の一等航空士アルマだな。何故そこにいる」

 赤ら顔の元船乗りは、バツが悪そうに頭を掻きながら舌を出した。

「ありゃりゃ、バレちまいましたか。嫌ね、私らも亡国の再建って奴を進めてまして、今回はそのチャンスのわけでさぁ。んで、ちっとばかし協力って体で首を突っ込ませてもらおうかと」

 表情とは裏腹に、全く悪びれていない声を国王に向け、ドゴールは溜息を吐く。昔何度か会ったことはあるが、口の悪さは全く変わっていない。抜け目のないところも相変わらずだ。

「丁度いい。貴様らの街を拠点に使わせてもらおう。戦列空艦と共に、イギルスタンに向かえ」

「話が早ぇや!さっすが王様!貫禄が違うぜ!」

 娘からは常々「みっともないから痩せて」と言われている腹を指差して言うアルマに軽く目を閉じて一喝する。

「とっとと行くのだ!世界が崩壊しては国の再興どころではない!!」

「こりゃ怖ぇ。んじゃまぁ、行ってきますぜ」

 叱られた小僧のように玉座の間から出ていくアルマの背を見送って、再び腰を下ろしたドゴールに、側近が言う。

「大丈夫なのですか?」

「アルマのことか。奴なら心配はいらん。軽薄だが、信用のおける男だ。かつてのナイク国王が見出した、一流の航空士。王子とも親交が深かった。」

 王子。恐らく、アルマはまだ彼がシンディオの王になる日を信じている。だからこそ、あれから十五年が経った今になっても“革命家”として生き続けている。

「民を守りたいと思う心は、同じにも関わらず―――」

 独り言を呟き、これから予想される戦いについて思いを馳せた。全てが終わった時、全てが、あるべきところに収まってほしい。そう願った。


 何が起こっているのかは分からない。だが、地震のような断続的な揺れは全く収まる気配も無く、外は騒がしくなっている。

 千鶴は王宮の部屋のベッドの上で、シーラを抱きながら体の震えを何とか治めようと努力していた。どうなるのか分からず、ユキとシンの安否が知れない不安から、もう精神的には限界だった。

 いつでもそうだ。自分を置いて勝手に突っ走ってこちらを不安にさせて、何事も無かったかのように笑っている。いけないと思いつつも付いていってしまう自分も悪いが、気持ちの赴くままに行動し続ける彼らが一番悪い。

 悪い、のだが、そんな彼らが好きなのだ。やっぱり、自分も悪い。

「シンさん……ユキ君……」

 目を固く閉じ、祈るように二人の名を呼ぶ。いつもは抱かれるのを嫌がるシーラだが、さっきからされるがままになっているのは、それが千鶴の心を守ることに繋がっているからだという自負があるからだ。シンとの約束。千鶴を守るのは自分だという思いだった。

「チヅル、大丈夫だぞっ。あたしが付いてるからなっ。アンディが返ってきたら、一緒に空に逃げようっ」

 そういって、根気よく自分よりずっと年上の女性を励まし続ける。他者の心の拠り所となってしまえるのは、まさに王家の血筋といえたが、そのシーラ自身も不安が全くないと言えば嘘になる。

「アンディ……」

 ガーゴイルたちは、かつて“世界を観察する悪魔の使い”として人間より上位に置かれ、リートレルムの一部地域では崇拝の対象ですらあった。その頃の彼らは今とは違う姿で、より人間的な姿形で、山羊のような顔を持ち、血ではなく肉を喰らう存在だったが、他の生物と交わり、人と交わるうちにその姿は徐々に変わっていき、同時に、弱体化していった。それに反比例するように知恵を付けた人間たちに狩られることになり数を減らしたガーゴイルたちは、かつて彼らを崇拝していた者たちの集落に逃れた。集落の人間たちは悪魔の使いからただの獣へと変わり果てた彼らを迎え入れ、彼らのプライドを傷つけぬよう、利用し合うという建前の下、共に生きる道を選んだ。

 そんな世界に逃げ延びたのがシーラの母、シーラを身ごもっていた彼女は集落の近くで出産するとほどなく死亡し、近くに住んでいた人間の手でシーラは拾われ、育てられた。

 年月が過ぎ、シーラは自分を育ててくれた里から出奔した。生まれた頃より傍にいたガーゴイルをアンディと名付け、当て所ない旅を始めた。理由は特にない。だが、親も故郷も知らない自分が何者であるのか自信が無かったのは確かだ。里の人間は優しかったが、それでは満たされない心の空白が、シーラにはあった。

 そして今、成り行きで出会った者たちの導きで、唐突に自分の出生の秘密が語られ、一国の王から丁重に扱われ、出会った当初から親のように馴れ馴れしく接してきた女を守れ、という任を仰せつかい、今に至る。シーラは、自分の置かれた状況をはっきりとは理解していなかったが、何となく、嫌な気がしていた。

 正直、自分が生まれる前に滅びた国の王女なのだ、などといわれてもピンとこないし、着させられた真っ白なドレスもよそよそしくて今すぐ剥ぎ取ってしまいたい。

「早く来てくれよ……」

 自分は、自由で居たいのだ。そして、自分の“きょうだい”と、もっと旅をしたいのだ。

 だから、シーラは先程からずっと、アンディの名を呼んでいる。

「アンディ……アンディ……」

 幾度目か分からない呟きに応えたのは、部屋の大きな窓だった。美しいステンドグラスが激しく割れると、部屋の内部に大きな黒い塊が飛び込んできた。

「アンディ!!」

 シーラが叫び、千鶴の手から離れガーゴイルの下へと駆け寄る。ガラス片を体中に付けたアンディは疲弊していたが、どうやら外傷はないようで一つ安心する。

「アンディ……、どうしたんですか?シンさんたちは?」

 千鶴もガラスを踏んでしまわないように注意しながらアンディに近付く。仲間の安否を問いかけるが、猛禽類を思わせる嘴からは、変わらず低いうなり声にしか聞き取れない音しかない。

 ユキがいれば、と思っていると、信じられない光景が目に映った。

「そうか……うん、分かった」

 シーラが、アンディと会話をしている。

「シーラちゃん。アンディの喋っていることが分かるの?」

 千鶴の問いに、シーラは煩そうに答える。

「何年一緒にいると思ってるんだっ。アンディのいいたいことなんて、大体分かるっ!」

 声のトーン、音の強弱を聞き分け、相手の言葉を察する。言語魔奏石のない状態でミーファと会話した時の千鶴と同じ方法だ。それにしては、アンディが雌だったということには最近まで気が付けなかったようだが。

「うんっ。ミーファはイギルスタンの連中に連れ去れちゃったらしい。後、ユキたちは突然消えてしまったっていってるぞっ。」

「消えた?」

「何でも、ユキとシンと、あともう一人の奴の足元に、白い光が現れたみたいだっ」

 “白き光”。自分たちをリートレルムに導いた“世界の扉”のことだ。ということは、彼らは今、天奏島にいる。

「大丈夫。あの人たちの消息不明は、大抵、無事ってことだから」

 無茶苦茶な理屈の独り言を言うと、千鶴は身体の震えが止まるのを感じた。

「アンディありがとなっ。疲れてるみたいだなっ。あたしの血、飲むか?」

 シーラがアンディの頭を撫でながら自分の腕を差し出すが、どうやらアンディはそれを拒否したらしい。そしてまた一言二言低く唸ると、シーラたちに背を向けた。

「なんていってるの?」

「あたしたちをアブソビエまで乗せて行ってくれるって。あそこは世界の中心地だから、ユキたちが戻ってくるとしたらまたあそこだろうって。早く行こうっ。千鶴も一緒に来るだろっ?」

 シーラが軽やかな動きでアンディの背に乗ると、手を差し出してきた。千鶴は目を閉じた。そう、覚悟を決めるのは、三秒あれば十分。

「ええ。私も行きます。またお説教しなきゃいけませんからね」


「だぁかぁらぁ!!お前らだって“ゲート”いじれるんだろう!?それをとっととやれっていってんだ!」

 先程から、自分には全く訳が分からない単語を使いながら、妙な物体で会話をしている、自称アルバイトエージェントのシンを見ながら、イーフはユキに訊いた。

「あれはお前たちの世界特有の言葉だろう。意味は何だ?」

 だが、ユキは元々細い目をさらに細めながら難しい顔を作って答える。

「僕にも分かりませ~ん」

「そうか」

 生真面目な調子で言って、イーフはさらに質問をする。

「あの黒い物体は何だ?」

「あれはね、CTシーティー。電話もできるしネットもできるし―――」

 またわからない単語が出てきた。

「ふむ。それで、何故あんな小さな物体からあんな立方体が出てくるんだ?」

 CTに内蔵されたプロジェクターから映し出された作業用のキューブホログラフィックを指してイーフが言うが、これはユキも解らない。

「分からないことだらけだな。魔奏石のようなものか」

「便利なものほど仕組みはブラックボックス~」

 中々に含蓄のある言葉を発したユキに頷き、イーフは通された役場の隅にいる者たちに声をかける。

「ところでお前たち、何をしているんだ?」

 イーフは、ここに初めてやってきた時にトロッコの不意打ちに遭い、その後ユキとシンに簀巻きにされた部下たちに怪訝な表情を浮かべる。島の人間たちに拘束されていた二人は血相を変えて怒る。

「イーフ様が悪いんですよ!?なんで俺たちを置いていったんですか!」

「そうですよ!二人もいなかったら普通気付くでしょう」

 相当な剣幕に、イーフは煩そうにしながらいう。

「いや、二人くらい居ないのはいつもの話だし―――」

「適当か!!」

「それでもイギルスタンの師団長ですか!辞めてしまえ!!」

「ああ、ここに来る前に辞めてきた」

「マジで!?」

 誠に不本意ながらロシェフに乗せられた格好で出た発言だし、正式な辞表は出していないが、イーフの中ではもうイギルスタンへの忠誠心など微塵も残っていない。残っていないということは、以前はミジンコくらいの思いはあったのかもしれないが、それすらも曖昧だ。

「だから、今の俺はただの流れ者だ。お前たちを労わる義務などない」

 義務があった当初からそれを放棄していた人間の言い草ではなかったが、“元”部下たちは、いよいよ何も言い返せなくなった。

「と、いうわけで、お前たちの持っている小型の空船は頂戴していく。文句があるならかかって来い。返り討ちにしてやる」

 淡々とした、冷徹な調子は変わらず、しかしどこか吹っ切れたような表情でいうイーフに、二人は“元”上司の変化を感じ取り、黙って頷いた。

「よし。ユキ、シン、リートレルムに向かう手段は手配出来たぞ」

 全て腕力で物事を解決に向かわせるイーフの剛腕ぶりに、さすがの傍若無人・ハッタリ脅迫当たり前の天奏島コンビも驚嘆の色を隠せないが、しかし、細かいことは考えない。これでこの部下たちがリートレルムに帰る手段も一時的に失われた格好になったが、そんなことは気にしない。

「よーし!リベンジマッチだ!今度こそ、ミーファを助けに行く。そういうわけだから、とっととゲートを開けろ。さっきも言った通り、一大事なんだ」

 シンはいって、電話口の向こう側にいる『十三人』のオペレーターに対し、要求を重ねる。だが、相手の方は相変わらずの歯切れの悪さで、シンはいい加減に苛立ってきた。

「―――分かった。下っ端じゃ話にならねぇ。あのオッサンを出せ。……え?あんたが今話してる場所で偉そうにふんぞり返ってる五十過ぎの上司だよ。指令?知るかそんなこと!いいから替われって言ってんだ馬鹿野郎!」

 どんどん口調が荒っぽくなっていく様子に、イーフはユキの方に呆れたような声を出す。

「この男はいつもこの調子なのか」

「大体~」

 どうやら電話口が替わったらしい。シンが幾分柔らかな敬語に変わった。

「お久しぶりです。神宮寺です。話は聞いていてくれましたよね。じゃあ、お願いします」

 そう告げてから、しばしの沈黙。どうやら、相手が何か応対しているらしい。シンは柔和な表情を崩さずそれを聞いていたが、相手の話が終わったと思われるタイミングで、再度乱雑な口を開いた。

「あのな、“S”とかいう野郎が“ゲート”を悪用しようとしているのなら、それに対抗しようとしてるあんたらの方にも“ゲート”に関する技術があるってことだろうが。俺がそんなことにも気が付かないと思ったのか?高校中退舐めんなよ。これでも国立のA判定貰ってたんだぜ?いや、そんなことはどうでもいい」

 シンがいよいよ“本性”を露わにするようだ、とイーフは思った。自分たちがまんまとやられた、“脅迫”による攻撃だ。

「このまま白を切るってんなら、俺は『十三人』の別派閥に色々喋るぜ。あんたらが『上』の意向に逆らって動いてることも知ってるし、『十三人』って組織が一枚岩じゃないことも知ってる。―――なに?俺もただじゃすまないって?こちとら、ハナから無事で済むなんて思ってねぇんだよ。ああ、いまさら俺を雇ったことを後悔しても遅いぜ。俺を懐に招き入れた段階で、あんたらは詰んでるんだ」

 無理を無理やり押し通すというより、自分ごと相手を谷底に引っ張り込んで行くようなやり方だ。この自分の首すら平気でベッドする覚悟に、自分は二度もやられた。シンの素性について、知ることはほとんどないが、何がこの男をこれほどまでに強かにしたのか、少し興味が湧いてくる。

「―――よしっ!話はまとまった」

「まとまってない。何だお前は、上官に向かって無礼な態度ばかり。粛清されても知らんぞ」

「悪質なクレーマーだね~」

 二人から口々に非難されるシンは心外だという顔で言う。

「いいじゃねぇか、リートレルムに戻れる手筈が整ったんだから。さぁ、行くぞ、ラストスパートだ」

 二人の背を押すシンは、事の顛末を呆けた顔で窺っていた役場の同僚たちに声をかけてから、外に出る。

「じゃあ行ってきますね。天唱祭の日には戻ってきますから、その日まで有給ってことでよろしく~」


 晴天の青空が、少しずつ白んでいく様子に、一本のアコースティックギターを抱えたシンは満足そうに笑う。

「“白き光”だ。準備は良いなお前ら」

 小型空船に乗り込んだ二人は、小さく頷く。イーフの手にはアコースティックベースが、ユキは両手で打ち鳴らす打楽器カホーンに跨っていた。

「何だイーフ、結構サマになってるじゃないか」

 シンの茶化す様な言葉に、イーフは鼻を鳴らす。

「一般教養として、楽器は一通り扱える」

「かってぇなぁ。音楽が俺たちの世界でなんていうか知ってるか?『音を楽しむ』んだ。音楽は争うものじゃない。楽しむものなんだよ」

 浜に置かれた船に乗り込んだシンにそう言われ、イーフは一つ訊く。

「それが分かっていて、何故戦いの場にわざわざ行こうとする?」

 その問いに答えたのは、ユキだった。

「誰も死なないために」

 イーフは一瞬目を見開いた後、少し笑った。ユキはそんなイーフに不思議そうな表情を浮かべたが、シンの声を聞くと、改めて集中した。

「なんだかんだで、俺たちは負けっぱなしだ。このままじゃ、リートレルムは崩壊し、ミーファたちは死ぬ。あのイカれた仮面野郎は“ゲート”の力で今度は俺たちの世界に来て、また世界を壊そうとする。何よりあの遅れてきた中二病患者みたいなニヤケ面が気に食わねぇ!絶対にぶっ飛ばす!景気づけに一曲演るぞ!ユキ!」

「イエッサー!」

 ユキが言って、両手でカホンを打ち鳴らし始める。そのリズムに合わせて、シンとイーフがメロディを奏でる。二つの音はハーモニーとなり、全ての楽器が調和し、美しいアンサンブルになる。

 ゆっくりと、船体が持ち上がっていく。音は熱量を上げていく。来るべき戦いに向けて、迎えるべき最良の結末に向かって、“バンド”の演奏は激しさを増していく。

「イーフ!この戦いが終わったら、俺達とバンド組まねぇか!?」

「断る!」

「死亡フラグが、折れました~」

 鳴らされ続ける終曲は、三人の勇者を最終局面へと舞い上げて行った。

思えば今のところ、作者の小説で人が飛ばないものがありません。飛びたいんでしょうねぇ。 

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