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第4話 「大丈夫、ここにいる」

週1で更新するつもり!などとのたまっていましたがいつの間にかお気に入り登録が3件に増えているのを見て、書いてしまいました。

コメントして下さった方、お気に入り登録をしてくださった方、読んでくださっている方ありがとうございます!

「えっへへー、私の誤解だったんだー」


『「……」』


まっっったく悪びれる様子もなくティーちゃんはそう言ってのけた。

ウィンクとちょっと舌を出しつつ片手で自分の頭をコツンと叩くという日本の古きよき伝統の体現だった。少女漫画的な意味でね。

「てへ☆ぺろ」と言えば伝わるだろうか?

いや、これで伝わらなくても良いのだが。

暴走時には首の黒い輪と謎の威圧感で容姿をじっくりと見ることがなかったため普通にしているティーちゃんを見ていると初めて見るような気分だ。

ティーちゃんはリンのように黒髪黒瞳ではなく、髪は薄い茶色で瞳も茶色。

可愛らしい、と表現出来るその顔はコロコロと変わり小さな子どものようで、ツインテールの髪型が似合っている。

リンの同級生らしいが、そうとは思えないほど身長が低い。

俺もそこまで高いほうじゃないが―――四捨五入すれば170cmとだけ言っておこう―――並んだら俺より頭1つ小さい。

だけど出るとこはしっかりと出ていて俺の見立てではEを確実に……ゲフンゲフンとっても女性的な体つきをしています。


彼女は自分の召喚にリンが巻き込まれた、と目を覚ますと聞いて後の説明も聞かずにリンの部屋へ走ってきたらしい。

その為格好はローブではなくゆったりとしたジャージに似た服装。

そのままティーちゃんはひとしきり騒いだ後もう一度リンの部屋に戻って来て今に至るという訳だ。

その際誰も起きてくる気配が無かったのはこれが日常だからなのか。

それともたまたま周りの部屋には聞こえなかっただけなのか。リンの諦め具合から察するに前者なのだろう。


「いやいやー、こんな時間までうら若き男女が一晩中熱くなっていただなんてー」


「誤解しっぱなしじゃないか・・・。ただ話していただけだ」


「誤解なんてしてないよー。つまりは一晩中睦言の応酬だったんだねーっ」


「もしかして確信犯か?」


時間が経つにつれリンもティーちゃんも喋らなくなっていった。

俺は最初から1度たりとも口を挟むことは無かった。ガールズトークに入れる訳ないし。


「……」


「……」


「…ま、なんだ。お前が無事で良かったよ、ティー」


「ありがとう、リン。リンも無事でホントーに良かった」


結局、2人とも照れ隠しであんな会話をしていたのかもしれない。

リンが切り出すとティーちゃんがリンに抱き着いた。

そうしてティーちゃんはリンの存在を確かめているようだった。

……百合?何それ美味しいの?




「そういえばー、こちらの方がリンの契約精霊さんー?」


「いいや、違う」


『時田彼方って言います』


なんだか久しぶりに喋った気がするな。


「私はティラミス=ハインスね。よろしくー。んー?本契約が済んでないんだー。

ま、見た目が人間の男の子だと恥ずかしいもんねー」


『いやいや、俺はただの人間なんだけど・・・。なあリン"本契約"って何?』


「ええと」


リンの顔が赤い?


『どこがただの人間よ!力一杯私の身体をちぎろうとしたじゃない』


『ひゃいっ!ごめんなさいっ!』


唐突に聞こえた高圧的な女性の声に咄嗟に謝った。


「ティー、今の声は?」


「うん、私の精霊ー」


黒い何かがティーちゃんの肩に集まり、細長い縄のようになっていく。

そのまま太くなることもなく黒い何かはどんどん濃ゆくなり、一匹の蛇を形作った。


「《夜》の蛇、たーちゃんでーす」


『タナトスよ!』


黒い蛇、タナトスの表面は漆のように高級感漂う黒だ。


『で、あんた。そんだけ馬鹿でかいマナを内包してるその身体が人間なわけないじゃない』


『は、はあ』


『はあ、じゃなくて!マナの流れも見えているんでしょう?それも視覚だけでなく、全ての五感で!』


俺、蛇に怒られてる・・・。


『だから濃縮されたマナの小宇宙の中から私を助けられたんだろうし。まあ、それに関しては感謝してあげるわっ』


この蛇ツンデレだッ。


「すまない、つまりカナタは精霊なのか?しかもマナを観ることが出来ると?」


『でなきゃ、ティラミスと私を助けることが出来るはずもない。

そも、精霊召喚で来たんなら精霊以外のなんだっての?』


「そう言われるとそのとうりなのだが」


『うん、あくまで俺はただの人間だよ』


『じゃあどうやってティラミスを助けたの?』


『火事場の馬鹿力?』


『そうじゃなくて。もっと具体的に!』


『わ、わかったよ。ええと―――』



リンとともにティーちゃんとタナトスさんが暴走している現場にたどり着いた時、複数の男が倒されていた。

先生とリンがティーちゃんの状態で口論している時に首元の輪から黒い欠片がわれでてきていた。

なんか明らかにヤバ気だというのに2人はまだ気づいていなくて…。


「ちょっとまった!」


『突然何?』


急に叫ばないでよ!こわ…別に怖くなんてないんだからねっ。

リンは信じられないものでも見たかのような態度をとっている。


「どうしたのー?私もたーちゃんも《夜》なんだから今の説明におかしなところはないとおもうよー」


『会話の内容に気を取られていたんでしょう?』


俺の説明を遮ったリンに対し、2人(?)は即座に反論した。


「いや、そこまで発動直前になってまで気がつかないわけがない。私だけならともかく、その口論していた相手はあのセオドア先生だ。あの人が気がつかないはずがない。

それにあの後ティーが使った魔術は《()》ではなく、《()》なんだ」


『「!?」』


なぜだか皆さん驚いていらっしゃる。

「戦慄……!」というアオリ文をつけてしまいたいぐらいに。


『どしたのー?』


「説明を遮ってすまない。続けてくれるか?」


『もちろん』



ええと、それから青色の冷たそうな風が吹いてきて、黒い欠片の中に満たされると欠片が氷の槍になったのだった。

その氷の槍から俺を庇ってリンが怪我をした。

そのまま怪我をしたリンを連れて逃げようとしたところに黒い腕が俺らを襲ってきたのである。

その黒い腕を最初は避けていたのだ。

しかし黒い腕が3本にまで増え、避けるのが困難となった。

俺は覚悟を決め、無我夢中でその腕の上を走り抜け、黒い塊に手を突っ込みタナトスさんを引っこ抜いた次第である。


「「……」」


なにかマズイことでも言っちゃったかな!?

驚きを通り越してあきれ顔で少女がこっちを見ている。

やめて!そんな目で俺を見ないで!!

唯一平然としているのはタナトスさんのみ。


『その黒い腕ってのは《夜》の魔術、秘奥「侵界(しんかい)」でしょうね』


秘奥…だと…!?何それカッコいい!


『でもあれそんな大層な攻撃だった?動きも遅いしそこまで大したことなかったよ?』


「あのなカナタ。私はあの時カナタが何を避けているか全くわからなかったぞ?」


『え?あの腕が見えなかったの?』


「ああ。誰一人として何も見えていなかった。皆マナが集っていることしか感じられなかった」


「大したことないなんてひどいよー。「侵界」は精神攻撃らしぃーしー、見えなければそれだけで致命的だよー」


そりゃああんなでっかい腕、見えてなければ避けられないだろうな。


『あんたはあんたの思っているとうりのただの人間じゃない』


見た目が蛇であるためタナトスさんの表情を読み取ることは難しい。

けど少し言いづらそうな声音で言った。


『あんたは精霊だ』と

新キャラはあわてん坊(♀)とツンデレ蛇(♀)です。

一文が長すぎて読みづらいところがあったかもしれません……。


時間が進まない。

7/11一部修正。

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