プロローグ
ハチャメチャな疾走感あるエンタメを、細かいところに目を瞑って楽しんでいただけると幸いです。
ニューヨーク市マンハッタン区ミッドタウン5番街のトランプ・タワー屋上ヘリポートには、赤・青・白に塗り分けられたベル・ヘリコプター社製Bell525が今にも着陸しようとしていた。ヘリポートには大勢の関係者と報道陣が集まり、物々しい雰囲気が漂っている。その中には、ひときわ異彩を放つヘルメット・ヘアーが有名な、あの男も居た。
Bell525が着陸し、キャビンのドアが開かれる。一人の少女が降りてくると同時に、ヘルメット・ヘアーの男が前に歩み出る。少女と男は握手を交わし、おもむろに男は自分が被っていた赤いキャップを取ると、少女に渡した。
少女は満面の笑みでそのキャップを受け取ると、美しい自分のブロンド・ヘアーの上にそれを被った。そして、二人は関係者との方に向き直ると、声高らかに宣言した。
「わたくし、メアリー・ヴィクトリア・クロケットは第48代アメリカ合衆国大統領選挙に出馬し、祖国アメリカを偉大にし続けることを、ここに宣言いたします!」
「彼女が今日まで、魔法少女としてこの国の脅威に立ち向かい続けたことはみなさんもよくご存知だろう。彼女の愛国心が本物であることに、疑いの余地はない。ドナルド・ジョン・トランプは彼女を全面的に支持し、全力で支援する!」
一斉に拍手が起き、フラッシュが焚かれる。
MAGAの理想が、継承された瞬間だ。
これは、合衆国の脅威に立ち向かい続けた、少女たちの物語である。
ご拝読いただき、ありがとうございます。プロローグはちょっと短めなので、是非Episode1も読んで判断していただけると助かります。