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第五話 結果

         

試験を終えて数日が経った頃……イルマが現在滞在中の宿に、一通の書状が届けられていた。


コンコンコンッ!


「すみませーん!」


イルマの部屋のドアを誰かがノックして呼びかけている……


「ん?……従業員の人かな」


ガチャッ!


イルマはドアを開けた……


「おはようございますっ!イルマさん」


部屋を訪ねてきたのはここで働く従業員の一人だった……宿の従業員は軽い挨拶をすると、イルマに書状のような物を渡す。


「イルマさん、こちらをどうぞ」


「あ、ありがとうございます」


どうやら、イルマ宛に届いたらしい。


「では、私はこれで」


渡し終えると宿の従業員は部屋を後にした。


イルマは早速、届けられた書状を開けようとする……差出先は冒険者ギルドからだった。ついに試験の合否通知が届いたのだ!


「ちょっと緊張してきたな……」


封を開け、中を確認する…………要約すると書状の内容はこうだった……


此度の試験において、貴殿の成績は実に素晴らしいものであった。故に、今回の認定試験……合格とする。


「よしッ!まずは一つ!(良かったぁ〜これで村に帰らなくていいやぁ〜ッ!)」


内心イルマは、自分は合格しているだろうと思っていたが……正式に合格したということが分かって、胸の中に少しあった不安要素が一気になくなって安堵している。


……………


………


少し時間をおいてイルマは、合否通知に合格者は冒険者ギルドに来るようにと書かれていたので、ギルドに向かって歩いていた……


「これで一応は一安心だぁー、落ちてたら村に帰らなきゃだったし、ほんと受かってて良かったよ〜!」


そんな事を呟いていると、自身の少し目先に見覚えのある人影が見えた……


「あれは……おーいっ!セラー!」


「イルマ?」


案の定セラだった。


「ねぇねぇ、試験の結果どうだった?」


「私?合格だったよ」


「おめでとうっ!」


「貴方は?」


「あたしも合格!」


イルマはとても嬉しそうに言う……当然の如くセラも合格だった。


「これでお互い正式に、冒険者になれたね!」


「そうね!」


セラも笑みを浮かべながら答える。


……………


………


少しして、二人は冒険者ギルドに到着した。


中に入って、合格通知を受けてここに来たことを伝えると、奥の部屋に通された……


「二人とも合格おめでとうっ!」


そう言って二人を待っていたのは、冒険者ギルドのギルドマスターこと、アルヴェスだった。


「これから色々な事があると思うが、まぁなんだ……困ったことや分からないことがあったらすぐに私やギルド職員、冒険者の先輩方に聞くんだぞ」


何だか機嫌が良さそうだ。


「今日来てもらったのは、冒険者になった暁に渡すことになっているライセンスカードのことについてだ」


そう言うとギルドマスターは、二人にライセンスカードを手渡して話始めた……


「冒険者にはランクというシステムがある……S〜Fの七段階に分かれていて、一番上の最高位がSランクで、一番下がFランク……君達は今日冒険者になったので、Fランクだ」


イルマは渡されたライセンスカードなるものを見る……そこには冒険者ランクFと記されている。


「次に依頼についてだが……クエストにはそのランクに到達していないと、受注できないものがある。色々なクエストを受けたいのなら、高ランクを目指すといい」


「ランクの上昇は、受けたクエストの難易度と内容によって変動する、早くランクを上げたいのなら難易度の高いクエストを受けるべきだが、冒険者は常に死と隣り合わせだ!それだけは忘れぬように」


「では、私からは以上だ……他に何か質問はあるかな?」


ギルドマスターは二人に尋ねた。


「特にないわ」


「あたしもです」


「そ、そうか……ないか……」


ギルドマスターはなんだか少しだけ残念そうな顔をして……


「で、では……これから色々なことがあると思うが精一杯尽力するように、君達の活躍を心から願っているよっ!」


「「はい」」


こうして二人は、ギルドマスターに一礼をして冒険者ギルドを後にするのだった。


……………


………


「ねぇセラ、お互い無事に合格したことだし打ち上げでもしない?」


イルマはセラに提案する。


「打ち上げ?(パーティーみたいなものかな……)」


セラは頷きイルマの提案に乗ることにする。


「うーん……どこでしよう?泊まってる宿は……(でも……セラは貴族のお嬢様だし、失礼になったりしないかな……)」


イルマが考えていると……


「もし良ければ、私が今滞在している屋敷なんてどうかな?」


「屋敷?」


「それなりには広いと思うし、パーティーするには十分でしょう」


「そっか……じゃあ、お邪魔させてもらおうかな……(貴族のお屋敷なんて絶対すごいやつだ、行ってみたい!)」


かくして二人は、お互いの試験合格のお祝いをするためにセラの屋敷へと向かうのだった。


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