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第三十六話 鮮血の少女 その1


「黒き災害――殺れッ!!」


アルダークの命令に従い、黒き災害が咆哮とともに手に持つ巨大な剣をセラ目掛けて振り下ろす――


「――おい"、お前――」


だが、次の瞬間ッ!!セラは巨大な剣の一撃が自身に到達するよりも速くに――黒き災害に手を向けて――


「――"うるさいぞ"」


直後ッ!ボッ――っと、ほんの一瞬だけ――黒き災害の全身を包むように無数の火の塊が出現し――そしてッ!!


次の瞬間ッ!!!黒き災害を中心に大爆発が発生したッ――真っ赤な爆炎が一気に広がっていき、黒き災害の巨大なその体を瞬時に包み込む――


「盾ッ――」


辺り一体を強力な爆風が襲うッ!!セラは瞬時に魔術で氷の障壁を作り、身を守る――


……………


………


「…………しぶと――」


巨大な爆炎が収まり、黒煙が徐々に消えていく――黒き災害は剣を地面に突き刺し、膝をついてうなだれている……全身にはかなり酷い火傷を負っており、身に付けている鎧や兜などの装備はほぼ全壊し、その破片が地面の至る所に落ちていた。


「ちッ!ノア――」


アルダークは治癒魔術を唱えようとする――その手には詠唱を省略することができる特殊な魔石を持っていた――


「なぁッ――」


セラは急速に左手の人差し指に魔力を集中させて――アルダークを見据える――そしてッ!


「――"やめろよ"」


次の瞬間ッ!!セラはアルダークに向けて魔術を放つッ!超速の雷線がアルダーク目掛けて一直線に飛んでいき――


「うぐッ!?何ぃ――」


一筋の雷線はアルダークの展開する魔術障壁を貫通し――腹部を撃ち抜いたッ!!


「あぁ……」


アルダークは撃たれた腹部を手で押さえ、よろけている……


「……んッ!?ま、まずい――ッ!?」


そして、その数秒後……アルダークが常時展開し続けていた対魔術の障壁が音を立てて崩れはじめた――


「……ふっ、これで――"丸腰だな"」


アルダークの魔術障壁が完全に崩壊した――


「ふふふ、じゃあっ――死ねッ!!」


セラが続けて魔術を放とうとする――しかしッ!


「――黒き災害ぃッ!!!!」


その時ッ!!アルダークが撃たれた腹部を手で押さえながら必死に叫んだ――するとッ!!


「――グガアアアァァァァァァァァァァァァァァーッ!!!!!!」


直後ッ!!!黒き災害が極大の咆哮とともに巨大な剣を振り上げる――


「――ちッ!?」


それと同じくしてセラは魔術で風を身に纏い――そしてッ!!!


次の瞬間ッ――大轟音ッ!!!!!黒き災害が手に持つ剣で大地を――想像も出来ぬほどの圧倒的なる力で叩いたッ!!!!


「――くぅッ!?」


セラは何とか避けて直撃は回避した――だが、その絶大なる力によって引き起こされた衝撃に巻き込まれ――遥か後方へと吹き飛ばされてしまう――


地面が大きく捲れ上がり、周辺の木々が根こそぎ吹き飛んだッ!!そのあまりものとてつもない破壊力によって激しい地響きが発生し、その場一帯を大きく揺らした……


……………


………


「…………ったくッ!なんつぅーばか力……」


セラはふらつきながらも立ち上がり、汚れた服を手で払っている。


「……いってて、痛えーなぁ……」


セラは体の至る所を怪我している……吹き飛ばされた時に地面を大きく転がったからだ。


「……私じゃ、イルマみたいに上手く……受け身をとるのは無理だな……」


セラは痛がりながらも、前方を見据える……そこは大量の土埃が舞い上がっており……黒き災害の姿は見えるが、その使役者であるアルダークの姿は未だ確認できない。


「とりあえず……この怪我を――」


セラは自身の体に身につけているマジックバックの中から回復ポーションを取り出し、飲もうとする――だが、その時ッ!!前方で大量に舞っている土埃の中から、突如ッ!九つの巨大な黒い蛇の影が飛び出し――セラへと迫るッ――


「――ちッ!ポーションぐらい飲ませろやッ!!」


セラは手に持っていた回復ポーションを放り投げ――前方の黒い蛇の影達に手を向ける――そしてッ!


「失せろッ!!」


セラは巨大な二色の魔力弾を放ったッ――強力な魔力弾は黒い蛇の影達を一瞬にして吹き飛ばし、その先にいる黒き災害目掛けて飛んでいき――直撃ッ!!大爆発が発生し、辺り一体に激しい衝撃音が鳴り響く――


黒き災害は酷い唸り声を上げながら地に倒れ、その場一体で巨大な地響きが発生する。


「速いとこ、ヤツにトドメをッ――」


セラは魔術で風を身に纏い、前方にいる黒き災害を目指して駆けていく――


「――ノア・ヒールッ!!」


黒き災害の全身を緑色の光が包んでいく――何者かが治癒魔術を唱えたようだ……セラはそれを見るや否や手を構え、黒き災害に強力な魔術を放とうとする――


「――ちッ!鬱陶しいなッ!!」


しかし、次の瞬間ッ――セラの左方にある森林の中から無数の魔物達が飛び出してきて――


「死ねやッ!!!」


セラは左方から迫ってくる魔物達へと狙いを変え、魔術を放つッ!!無数の強力な風の刃が魔物達の体を切り刻んでバラバラにし、瞬時に絶命させていく――


「……はぁー、マジでッ――面倒臭えなぁッ!!!」


セラは前方を見ている――そこには、怪我を完全に治した黒き災害の姿があって……剣を手に持ち、立ちあがろうとしていた――


「(――とにかくッ!まずはあのカルト野郎を先に始末しないと――)」


セラがさらに距離を詰めようと黒き災害へ向けて駆けようとした――しかしッ!


「――ダーク・ドラゴンランスッ!!」


次の瞬間ッ!!黒き災害の足元に広がっている土埃の中から真っ黒い巨大な竜の影が現れ、一直線に物凄い速度でセラへと迫る――


「そこかッ――」


セラは自身へと迫る黒い竜の影を撃ち落とそうと手を向け、魔術を放つッ!強力な魔力弾が黒い竜の影を吹き飛ばそうと直撃する――はずだった……


「はぁッ?何よそれ――」


セラの放った魔力弾を黒い竜の影が――飲み込んだッ!竜の影は速度を緩めずにセラへと突っ込んでいく――


「――っならッ!」


セラは後方へと身に纏う風とともに即座に駆けていく――それと同時に左手、自身の利き手に魔力を集中させながら――


巨大な黒い竜の影がセラを丸呑みにせんと、どんどん距離を詰めていく――その速度は先程の黒い蛇達とは比較にならないほど速く――


「――っよしッ!」


だが、次の瞬間ッ!!セラが急に足を止め、振り返り――


「これならどうだッ!!」


さきほど放った魔力弾よりもさらに一回りデカい超強力な魔力弾を黒い竜の影に向け放つッ!!竜の影はその魔力弾を飲み込めず、一瞬にして消え去った――


「あいつ、マジでムカつくな――」


セラが前方を見据える――そこには、地響きをたてながらこちらに向かって走ってくる黒き災害の姿があって――


「チッ!でけぇだけの犬がッ――お前は大人しくしてろッ!!!」


セラが黒き災害を睨みつけながら悪態を吐き、手を向けて――魔術を放とうとする――が、その時ッ!!


ドッギャァァアアンッ!!!!!


黒き災害に何かが激突したッ――


「――えっ!?」


セラが突然の出来事に驚いている――激突した何かはかなりの速度で黒き災害にあたったようで――黒き災害はそのあまりもの衝撃の強さに、倒れはしなかったもののその体は大きく傾いて――そのまま足を止めた。


「何っ!?今のは――」


セラが黒き災害の方を警戒しながら見ている……すると――その時ッ!何者かがセラの前に降りたった――そして!


「――セラ、後はあたしに任せろッ!!」


「えっ……イ、イルマっ!?」


セラは目を見開いて前を見ている……そこには、イルマの姿があった。


「…………よ、よかった……生きてた……生きてた、のね……」


「ああ。なんとかなっ!」


イルマは剣を肩にかけ、無邪気に笑っている……しかし、その身は血まみれで……体の至る所を怪我しており、今すぐにでも治療が必要な状態だった……


「私……あなたが死んだなんて全く思ってなかった……でも…………と、とにかくっ!それよりも――酷い怪我だわ、今……ポーションを――」


セラは自身のマジックバックを漁り出し……回復ポーションを手に取るとイルマに手渡した……しかし――


「大丈夫だ、セラ。あたしは……あたしは、"このままでいい"」


「え……い、いやっ!?す、すごい怪我よっ!?」


「大丈夫、問題ないっ――あたしには必要ないッ!」


「で、でも……」


「本当に大丈夫なんだ、セラ。……なんか、よくわかんねぇーけど……体が、体がすげぇー軽りぃーのっ!それに――感じるんだっ!力が、力が湧き上がってくるッ!体中……全身から力が湧き上がってくるんだよっ!!はっはっはっ……ヤベェよっ!!こりゃあっマジでッ――頭が、頭がどうにかなりそうなんだよッ!!はっはは、はははははっ!ははははははははははははっ――」


イルマは狂ったように笑いはじめた……


「イ、イルマ……」


そんなイルマをセラは……心配そうな顔をして見ていて……


「…………(ど、どうしちゃったんだろ……?大怪我してるから、一時的に……感情が昂っちゃってるのかな?……でも、ポーションは飲ませないとっ!あのままじゃ、死んじゃうわ!)」


セラが手に持っている回復ポーションを無理にでもイルマに飲ませようとした――その時ッ!!


「――くッ!?」


今まで立ち止まっていた黒き災害が激しい咆哮とともに巨大な剣を振り上げーー動き出したッ!


「来るかッ――」


セラは魔術で風を身に纏い、後方へ跳んだ――しかしっ!


「んっ!?イ、イルマっ――」


イルマは動いていない――ただ、その場でケタケタと笑っていて――そしてッ!!


「――なっ!?何してッ!?――くぅッ!?」


セラはイルマの元に戻ろうとする――だがっ、それよりも速くッ――黒き災害がイルマヘと剣を振り下ろすッ――直後ッ!!轟音ッ!!!!凄まじい破壊音とともに大量の土埃がその場に舞い上がる――


「――イルマァァァァァァァァーッ!!!!」


セラは叫んだッ!!その目前には、巨大な剣を地面に振り下ろした黒き災害の姿があって――


「……嘘、よね……?イルマ…………」


セラは呆然と目の前に舞い上がった土埃を見ている…………っと、その時――


「んっ!?……あっ、あれはッ――」


土埃の中に人影が見える…………その影はだんだんと、その姿を露わにしていき……そして――


「――イ、イルマっ!?」


イルマ……赤髪の少女がそこにはいた。少女は無邪気な笑みを浮かべて片方の手を上げており……その手には剣が握られていた。


「……うっ、嘘ッ――ま、マジっ!?」


セラは驚愕の表情を浮かべてイルマを見ている――なぜなら、"受け止めていたからだ"。赤髪の少女は、黒き災害の放った超威力の剣撃を……剣で受け止めていた……それも片手で――


「イルマ……あなた――」


黒き災害がイルマを叩っ切ろうと――その巨大な剣のつかを力一杯握って、イルマの真上から物凄い圧力をかけている……ギリギリと剣と剣が交わり火花が散る……だが、いくら黒き災害がその力を行使しても……イルマは軽い素ぶりでその剣を受けていて、全く……ビクともしなかった。


「す、すごい……人が、人があんなバカでかい化け物の剣を……」


セラは目の前で起きている非現実的な光景をただ、呆然と見ている……


「おい"、デカ犬――」


イルマは自身を叩っ斬ろうとしている黒き災害を流し見る――そしてッ!


「――さっきから鬱陶しいぜっ?どけよッ――」


直後ッ!!イルマが軽く剣を振るい、黒き災害を剣ごと弾き飛ばしたッ!黒き災害は大きくのけ反り、数歩ほど後方へと下がった――


「はっはっは、まずはっ――腕からだッ!!」


次の瞬間ッ――イルマが消えた――そしてっ!


「そらッ――」


その直後ッ!!黒き災害の腕が一本吹き飛んだッ――大量の血が吹き出し、黒き災害は甲高い唸り声を上げて――


「――次っ、足ッ――」


そしてッ!さらに――イルマは黒き災害の足を一本切り飛ばすッ――黒き災害はバランスを失って地面にぶっ倒れた――


「……イ、イルマが……イルマが覚醒してるわッ!?」


セラはそんな光景を見て目を輝かせていた――


……………


………


「……ば、バカなッ!?魔術ならまだしも……切った、のか……?剣で――」


アルダークは遠目の魔術を使い、手足を失い地に倒れた黒き災害の姿を見ている……


「一体、何が起こっているッ!ありえないことだ、あの子……コボルドの古代種……それも特殊な個体っ!あれには全ての物理攻撃に対する完全耐性に近いものがあるはず……なのに……」


アルダークは焦っており、少し冷や汗もかいている。


「……まるで、別人じゃないか……あの娘……クソッ!どうするっ?撤退するか……?恐らく、あの突然の超強化は……何かのスキル……いや、"固有スキルかッ"!?」


アルダークが思案を巡らせている――っと、その時ッ!


「おい"、何ボケっとしてやがるッ――」


「――何ぃッ!?」


直後ッ!!とてつもない衝撃音が辺り一体に響き渡った――


「へぇー、意外と硬いんだな――」


「バカ、なっ……」


アルダークを守るもう一つの盾。全ての物理攻撃を防ぐその障壁全体に無数のひびと亀裂が一気に入った――


「はははっ、ぶち殺しに来てやったぜっ?お前をなッ――」


イルマだッ!アルダークの元まで瞬時に移動し、強力な剣による一撃を叩き込んだのだッ!!


「くっ!?(なんてヤツだっ!?一撃でっ――んッ!?)」


アルダークが何やら焦り顔で辺りを見回している――なぜなら、イルマが突然消えたのだッ――アルダークが瞬きをした――その、ほんの一瞬の間にイルマが消えてしまったのだッ!


「どこにいったっ!?あの娘――」


――ダンッ!!!


瞬間ッ!!その場に何か――重みのある音が響き渡った――


「うぐぅぅッ!?あ、あぁがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ――」


アルダークが突然、悲痛な叫び声を上げた――


「うぐぐぐぐぅぅ……僕の、腕がぁッ――」


アルダークが苦悶の表情を浮かべ、右腕を掴んでいる――その腕は、ひじから少し上の部分までが無くなっていた――


アルダークの展開する全ての物理攻撃を防ぐ障壁が音を立てて崩れ去っていく――


「ぐうぅぅ、クソをッ――」


一刀両断ッ――イルマがアルダークの展開する障壁を真っ二つにし、右腕を切断したのだッ!!


「あの娘ッ――どこいったッ!?また、また消えたぞッ――」


アルダークが展開していた障壁を破壊し、右腕を切断するや否や……イルマはどこかへと消えてしまった――


「――クソッ!!血が止まらないッ――と、とにかくっ……回復を――」


アルダークが切断された右腕を治そうと治癒魔術を唱えようとする――だが、その時ッ!!


「――随分と痛そうだなぁーッ?はははっ、なら――私がッ!もーっと痛くしてやるよッ!!」


セラが魔術で風を身に纏い、物凄い速度で駆けてくる――利き手、左手の拳を力一杯握っており……その拳から肘の近くまでを氷でガチガチに固めている――


「――くっ!?させるか――」


アルダークが追撃しようとする――だが……


「――死っねぇぇぇぇぇぇぇぇぇーッ!!!!」


それよりも速くにセラがっ――アルダークの顔面に左ストレートッ――氷でガチガチに固めた拳で殴り飛ばしたッ――


「あぐぅぁッ――」


アルダークは十数メートルほど後方に吹き飛ばされたッ――


「…………うぐぐぐぅ――このっガキぃ――」


アルダークは仰向けになって倒れている――鼻血がでており、顔にはあざができていた……


「――おいッ!まだッ――寝るには早ぇーぞぉッ――」


セラがアルダークの胸ぐらを掴み――無理やり立たせた……そして――


「――死っねぇぇぇぇーッ!!!死ねッ!死ねッ!死ねッ!死ねッ!死ねッ!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね――」


セラは氷で固めた利き手の拳でアルダークの顔面を連続でぶん殴り始めたッ――


「――死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね――」


セラはアルダークの顔面だけをひつよつに殴り続けるッ――


「――死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね――」


そして、最後にッーーセラは左手を思いっきり振りかぶって――


「――死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇーッ!!!!!」


アルダークの顔面を全力でぶん殴ったッ――


「あぐぅぅ―ッ!?」


アルダークはさらに後方へと吹き飛んでいったッーー


「……ふぅー、スッキリしたぁっ!!」


セラは満面の笑みを浮かべて額の汗を拭う――氷で固めた左腕には、血がびっしりとこびりついていた……


「……あ、ぁああ……あぅ、ああぁ……」


アルダークが呻き声をあげている……その顔はあざだらけで鼻血が大量にでており、歯も何本も折れていて口からも血が垂れていた……


「さて、と――」


セラが地に倒れているアルダークの元へと歩いていく……そして――


「ふふふ、意外と最後ってのは呆気ないものねっ――じゃあ、死んでッ!!"さようなら"ーー」


セラがアルダークに手を向けて魔術を放とうとする――だが、次の瞬間ッ!!


「――なっ!?こいつらッ――」


セラの足元――地面の下から巨大な蛇型の魔獣が飛び出してきたッ――


「――ちッ!」


セラは瞬時に魔術で風を身に纏い、後方へ跳んだ――数体の蛇型の魔獣もその後を追っていく――


「……ま、だだ……僕、は――」


アルダークは服のポケットから注射器のような物を取り出し、それを切断された右腕に刺した――すると、瞬時に血が固まっていき――流れでていた血が完全に止まる……


「くっ……クソッ!!この、僕がっ!こんな――」


アルダークはよろけながらも立ち上がろうとする――


「……選ばれている、僕が……こんなっ、酷い目に遭うなど…………なら、ない……こんな事、あってはならないッ――」


アルダークはボロボロになってフラつきながらも立ち上がり、草木が大量に生えている森林の方へと歩いていく……


「……特別、なんだ……僕はっ――特別なんだッ!!……な、なのに……なぜ、なぜ今……こんな目に遭っているッ?どういう……ことなんだ、これは――」


アルダークは歩きながら、ぶつぶつと喋っている……


「…………選ばれて、いる……選ばれている、とでもいうのかっ……?あの、娘たちがッ――」


……………


………




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