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第013話 ドワーフの人々


 地下帝国エルドラド――そこは燦然と輝く宝石の国。


 ドワーフ族の隠れ家らしいが、それにしては巨大すぎる。


 オーガ山に隠された入口の先には、とんでもない光景が広がっている。


 エルドラドの出入り口は無数にあるようだった。


 おっさん達はその内の一つに立ち止まり、眼下で輝く国にそわそわしている。


 長老と呼ばれたドワーフは、おっさん達に振り返って深いため息を吐いた。


「ふぅ、先に告げておく。俺はお前らを信じている」


 おう!


「特におっさんとその不思議な一家は、あー……大人しくしておいてくれ」


 人の家族を不思議な一家呼ばわり!? まぁいいけど。


「じゃあ不思議ちゃん代表のミリア、おっさんと手つないでおこうな」

「嫌だ臭い」

「はあ? お前の寝小便の方がよっぽどだぞ!!」

「黙れ〇すぞ」


 今年で十歳になるミリアですが、時々おねしょしていることをおっさんは知っている。


 それは嫁のシーラ伝えに聞いていた。


 シーラは娘と邪険になるおっさんの間を仲裁するように。


「じゃあ、間を取って私と手をつないでおきましょうミリア」

「わかった」


 ふつつかな娘ですが、家から巣立つ際は全力で泣いてやろうと思います。


 エルドラドには緩やかな坂道を下って向かった。


 いつもとは違い、やって来た珍客に都にいたドワーフは内緒話さ。


 しかしそこに――金髪縦ロール姿の小人がやって来て。


 彼女を見つけた長老は片手をあげて返事する。


 金髪縦ロールの小人は両手を腰にやって仁王立ち。


「父さん、一体どういうことですか」

「どうとは?」

「人間をここに連れてこさせて、何をお考えなのですか」


 彼女は長老の娘らしい。


 喧々諤々と長老とやり取りしている中、例のお得意様のドワーフが裾を引っ張った。


「話が長くなりそうだし、俺達は別行動とらねーか?」

「別にいいけど、許可取ってくれよ」

「まぁいいじゃねーか、固いこと言うなよ旦那」


 うーん……わかった。

 じゃあおっさんはこの辺でドロンさせて貰います。


 お得意様のドワーフはおっさんを連れて、隠れるように脇道に入った。


「そう言えばお前の名前は?」

「ロイド、おっさんはおっさんでいいよな」

「まぁそれでいいけど、一応名前は霧島才蔵って言うんだ」

「……霧島才蔵?」

「うん、聞き覚えでもあった?」


 ロイドと名乗ったドワーフはおっさんの名前を耳にすると、小首をかしげる。


「英雄の連れにそんな感じの名前があった気がしてな」

「へぇ、でもおっさんとは別人だよ」


 ちょっと後でアネッタあたりに聞いてみよう。


 して、脇道を通り抜けると、ロイドは手で制止した。


 右から路面電車のような乗り物がやって来て、ロイドはそれに飛び乗る。


「おっさんも乗れ、ほら早く」

「ええ? 意外と激しい運動要求するんだな、っと」


 にしても。


「凄いな、エルドラドの文明は」

「まぁな、地上にはここの文明を真似た大都市があるそうだな?」


 ん?


「地上にある都市はもう機能してないだろ、人類は滅んだも同然らしいし」

「そうだったな……」


 他愛もない話をしていると、電車内にいたドワーフが小言をついていた。


「あれ人間じゃない?」

「一緒にいるのはロイドよ」

「ああ、お父さんは残念だったわね」


 なんかおっさんを連れているこいつも訳ありな感じだな。


「噂されてるけど?」

「おっさんみたいな人がここに来るのは十年ぶりなんだ」

「そ、そうなんだ」

「本来なら人間は立ち入り禁止、ここは俺達の聖域だし……降りるぞ」


 ふぇー、今乗ったばかりなのに!


 と、ロイドはどんどんとエルドラドを駆け回り。

 目的地に着く頃には、連れまわされたおっさんはズタボロだった。


「着いたぞ、おっさん平気か?」

「な、なんとかね」


 サムズアップして返事し、連れて来られた場所を見渡した。

 そこは工場のような風体で、入口には角を持った馬のエンブレムがある。


 ロイドに続いて中にはいると、工場内に金属の加工音が響いていた。


「ここは俺の先祖が代々継いできた製造所で、ひと昔前まで人間に武器を卸していた」

「ふーん、要は武器工房なんだな」

「しかし、人間がドワーフとの約束を違えて無様に負けたことによって……」


 ふむふむ。


「まぁおかげで貴金属や鉱石が余っててな、おっさんに提供できる」


 ふむふむ、そしたら早速交渉してみよう。


「ロイドはおっさんがクラフトした品と鉱石を取引してくれるんだったな?」

「そうだ、さっきのお菓子や飲み物をここのドワーフに売りさばく」

「大雑把でいいから、どういう風に売り込むのか聞いていいか?」

「販路はコネ伝いで確保する、たぶん長老の娘が経営しているデパートに卸す」


 あの金髪縦ロールのドワーフか。


「もしかして強引に連れてきた理由って、その娘さんが出てきちゃったからか?」

「う」

「おっさんと娘さんが直接取引したら、ロイドの出る幕ないもんな」


 ロイドは額に脂汗をかくと、先ほど渡した冷汗タオルでぬぐった。


「……正直、おっさんの言う通りだが、なんだ?」


 おっさんはロイドの前に人差し指を出し、それ以上の言及は止めた。


「おっさんが提供できるのはさっきのグミやシェイクだけじゃない、他にも軽いチップス菓子だったり、チョコレート菓子、駄菓子を色々と提供できるぞ」


 ロイドは出された菓子類に「おぉ」と感嘆していた。


 その後、おっさんは地球で売られている駄菓子戦略をロイドに伝えつつ。


 二人であれやこれやと計画し合った。


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