表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

肉汁は「にくじる」ではいけないか

作者: あいなめ

 弓良 十矢さんのエッセイを拝読して。エッセイの主題と外れていることは承知なのですが、墨汁・果汁・胆汁は「じゅう」と読むのに、なぜ肉汁を「にくじる」と読む人がいるのか、という話が有りました。


 当初は「にくじゅう」と読むと湯桶読みになるのではないか、と考えてコメントさせていただいたのですが、実は「にく」は音読みだと調べたらわかりまして、この主張は誤りであったと。

 でも、野菜汁は「やさいじる」ですよね。野菜は音読みなのに。果汁は「かじゅう」ですが果物汁は「くだものじる」となる。


 これを考え続けて、とりあえず至った結論は。

『汁のまえに の を補って分割した場合、その前の部分が独立して(その読み方で)意味を持つ場合は、xxのしる、という意味で「しる」になる。のを補う事が出来ない場合、一つの熟語となっているので、特に前半が音読みの場合は「じゅう」となる』

というものでした。

 墨汁の「墨」は「すみ」ではなく「ぼく」なので単独でその読み方で使用することはできないから、ぼくじゅう。猫汁はねこが単独で言葉として独立しうるので、「ねこぢる」。


 そこで見てみると、まあ肉汁は熟語として辞書に載っていますので、「にくじゅう」と読むのは正しい。ただ、「の」を補って区切った場合でも、肉はその読み方で単語として成り立つので、肉の汁という意味で「にくじる」と読むのも誤りとは言えないのではないかと。


 おまけで、豚汁は前を「ぶた」と読むのであれば、「ぶたじる」と読むのが適当。では「とん」と読んだら? 「とんじる」っていうのはあまりルールに合っていない気がします。「とんじゅう」はやはり無理。してみると、「とんじる」という言葉自体を使うべきではない、という立場もありえるかも。


 というわけで、「にくじる」もアリなんじゃないの? という主張でした。

 ちなみに、昔何かのマンガで読んだ「かじる」の誤読が可愛かったので、あえて「かじる」を使う事もある派です。

そもそもがとこ、肉って特別な漢字なんですよね。肉にも訓読みが有って、「しし」がそうらしいのですが(もともとの弓良 十矢さんのエッセイに書いたコメントにも、その部分しっかりご指摘にあっています)、今肉のことを「しし」、という人はまずいないですよね。和語が廃れて、音読みの方が普通になってしまった。このため、音読みの熟語の前半が、単体で機能するようになってしまった。これは、肉食文化が一時廃れた影響もあったんでしょうか。

検索したときに見つけた、音読みが普通に使われてしまっている漢字に、他に「絵」がありました。こちらは訓読みが無いので、和語自体が存在していなかったのかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 弓良さんのエッセイへ感想で送ろうかと思った内容ですが、あちらはもっと広範の誤用が定着していく現状に対する内容ですし、他者の感想への感想になっちゃいそうだったので、よりピックアップされているこ…
[良い点]  牛丼、豚丼論議もありましたね。  私も「トンテキ」はなじめなく。  古き良き言葉で「ビフテキ」があるなら(使わないけど)「ポクテキ」でよいのでは? なんておもったり。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ