悪役令嬢に転生したので、周りの人を腐らせたい(意味深)と思います
寝て、起きたら知らない場所にいた。
「......お嬢様、起きてくださいませ」
お嬢様......?
自分の服装を見ると確かにお嬢様。顔を見てもお嬢様。でも、なんか悪そうな顔してる。
「聞こえますか?」
謎の声が聞こえてくる。
「あなたは悪役令嬢になりました。頑張って悪役してくださいね。メインヒロインのキラリーヌと王子のセメレオンの恋を邪魔してくださいませ」
ふむ。私はこの展開を知っている。悪役令嬢に転生できたパターンだ。めちゃ嬉しい。不労所得を得ることの次に夢を見たことだ。
さて、どうしようかな。
「今日の朝ごはんを持って参りました。山田お嬢様」
山田!?
朝ごはんはご飯、みそ汁、鮭、納豆。
納豆、なっとう。NATO。発酵。腐る。
腐る!!
私は召使いに紙とペンを持ってこさせた。
前世では趣味で漫画を描いていた。
「おい、ちゃんと俺を見ろよ。お前も王子だろ?」
「え、そんな......ダメだよ兄さん......//」
「やらな(以下略)」
よし、できた。
できた漫画を持って、キラリーヌのところに遊びに行く。
「キラリーヌ様、ちょっと見て欲しいものがありますの」
「あら、なんでしょう?」
「これですわ」
私は先ほど描いた漫画をキラリーヌに見せる。
キラリーヌは静かに読む。次のページへとすぐに手が伸びている。
「読み終わりましたわ」
「どうでしたかしら?」
「素晴らしいですわ!!」
「提案なのですけれど、私の婚約者のウケロリアンとあなたの婚約者のセメレオンをくっつけませんの?」
「それは楽しそうですわね!!」
キラリーヌは電話をかける。
「もしもし、あなた、ウケロリアンと結婚してくれません? そうしないと婚約破棄しますわよ」
「えぇ!? それは困るよぉ」
「とりあえず、合コン開きますから、来てくださいまし。1時間後ですわよ」
私は考えた。そして、もう一本漫画を描いておいた。
4人が集まったので合コンが始まる。
「お二方、これを読んでくださいまし」
男性二人は私の漫画を読んで、目を少女漫画くらいにキラキラさせている。見ているものは全く少女向けではないんだけどね。
「「山田様とキラリーヌ様で結婚してくれないか?」」
男性二人がハモる。
「それで完璧ですわね!」
私は喜んでそう言う。
BLと百合が両方描けて本当によかった。
そして、こう締めくくる。
「わたくし、女の子は女の子同士で、男の子は男の子同士で恋愛すべきだと思いますわ」