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仕事は忙しく、まさに寸暇を惜しむ状態。
行き帰りの通勤電車の中で、タブレットのメール機能を使って、プロットを立ててはフリーメールに送信して、第4章を構成していく。
そんな状態で、本当に続きが書けるのかどうか。
自信はなかった。
しかし……。
運命の12月19日。
「……うそ、だろ? マジ、か? ポイントが5ケタ、いってんじゃねーか」
作品名『ボインの伝説』が10000ポイントを超えたのだ。
「は、初めて、5ケタポイント……いや、ボインと……」
もう、書けないとか、言いたくはなかった。
ポイントが5ケタ。
身震いするほどの嬉しさに気分が高揚していた。
そう。
ポイントはおれに。
勇気をくれたんだ。
「……実家に帰るって言えば、休暇、もらえるよな? 今抱えてる案件はサービス残業で押し切れば、23日には終わるか? 24日からは書ける? いや。もう、立てたプロットを頭から書きつつ、最後までプロットを並行して組むか」
そして、ポイントに後押しされたおれは、動き始める。