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一度、日間2位となってしまうと、もう、どんどんと新たな意欲は湧いて出てくる。
いつか、1位になってみたい。
おれは、そういう気持ちに突き動かされていた。
2月までは次の作品の構想と、『なったろう』の考察を重ね、どうすれば1位を狙えるのかをとにかく考え続けた。
そして、2/2の朝。
短編『NTR幼馴染フォールインヘル ~あんなに好きだったあの子が気持ち悪い~』が月間現実世界〔恋愛〕ランキングBEST100にて第11位に入っていた。
思い出す、1年前の悔しさ。『ボイ伝』と同じ、ぎりぎり「入れない」ポジション。
月間10位だと、パソコンでは、ジャンル別の表紙ランキング入りだ。その、境目。ぎりぎり、表紙に入れない、悲しみの順位。
10位との差はおよそ200ポイント。どうにかなりそうで、どうにかならないのが、既に書き終え、追加で更新できない短編作品だ。
あとは、運を天に任せるのみ。
そして、二日後の2/4の朝。
短編『NTR幼馴染フォールインヘル ~あんなに好きだったあの子が気持ち悪い~』が月間現実世界〔恋愛〕ランキングBEST100にて第9位に入り、ついに、『なったろう』の表紙入りを実現させたのだ。
渾身の……その瞬間のおれの全身全霊をかけた、作品だった。まあ、NTRなんだが……。
人生も含めておれが今まで培ってきた全てを凝縮させた、作品だった。それがNTRなのは複雑なんだが……。
憧れ続けた、表紙入り。『ボイ伝』では果たせなかった夢。それが例えNTRだったとしても。
こんなに嬉しいことはない……。
おれの心は満たされつつあった。




