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限られた時間で集中するため、連載中の現実世界恋愛の2作品は中途半端な形になってしまい、筆が進まなくなってしまった。
しかし、自分のために、「評価シート」なるものがほしかった。
ネタは人気のクラス転移で、その中の主人公がチートを手にして、女の子と仲良くなる、割とスタンダードな異世界ものにラブコメを添えて。
時間ギリギリで、おれは、『いきなりの クラス転移で Toまどいを ~チートな僕と、パニクるあの子の、異世界ラブコメ~』を40文字×32行で、80枚以上、書き上げた。
応募締め切りに間に合い、受け付けてもらえたのでほっと一息。
それと同時に、『なったろう』で公開するのではなく、公募に応じる形は初めてだったので、なんだか落ち着かなかった。
また、今回の作品のためにその世界観にどっぷりと浸かってしまい、連載中の作品にはもう戻れなくなっていたのだ。
そうして、ふたつの現実世界恋愛の連載をおれはエタらせてしまう。
「こんな感じだと……ダメだよな……」
短時間でひとつの作品を書き上げたことでやや燃え尽き気味となったおれは、もう一度、小説を書くということを考え直すようになっていった。




