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空野奏多先生の「ブルジョワ評価企画」への参加作品です。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
12月5日の朝。
ぼんやりとした頭でいつものように『小説家になったろう』のホームを開くと、『メッセージがありますよー』という表記が。
「ん……? ああ、あいつかぁ……」
読専の知人からの連絡で『おい、すぐにランキングを確認しろバカ!』と。
「バカはひどい……」
まあ、でも、気になったので確認してみた。
……異世界転生転移ファンタジーで39位!? ふぁっっ!
マジか!?
作品名『ボインの伝説』は、前作『ケバい女神と異世界転生なんて考えたくもなかった』の続きに行き詰って、真夜中の異常なテンションの中で、突然設定を作り、朝5時までプロットと章題を考え、ストレスを紛らわすように書き殴った作品だった。あの日の仕事はエナドリを決めて乗り切った……。
ボインなゲーム世界転生者が、脳内おっぱいトーク(独り言)で「だってBが大きくてGだもん」とか「BがGなんだから大きすぎてできるわけないよね」などと色々と苦悩しながら、ゲーム知識チートでゲーム世界を生き抜く、というありがちなブラコンギャグファンタジーだ。
読者の皆様から頂けているのがポイント! なのか、ボインと! なのか、分からない微妙な感じはいつもあった。
「す、すんげぇポイントが伸びてる……まさか、おれにも『ブルジョア評価』ムーブメントがきたってのか!? ア、アクセスも確認して……」
12月1日に第3章を書き終えて、完結。続き希望があれば、書くかも……みたいな感じにはしていたが、11月の月間アクセスが199,962だったのに、12月は4日までの4日間で122,577、だと?
「こ、これが、伝説の完結ブーストってヤツなのか。なんという破壊力……」
あまりのアクセス数の伸びと評価ポイントの増加に身震いする。
「……これで続きを書かないとか、ダメ、だろうな?」
だが、しかし。
年末。
仕事は鬼だ。地獄だ。
「こ、こんなに期待されて、おれにこの続きが、書けるのか……」
身震いしながら、仕事に遅れないように、準備を済ませ、おれは家を出た。