表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/191

77 王都教会

「ミドリ、最後は教会に行っておこうか。」

「エルズルーのザラスター教教会は王城の北側ですね。」

「それなら帰り道の途中で寄れるな。」


教会だのは街の北側に南向きで建築される事が多いよなあ。

やはり南向きの建物にして陽の光をうけて輝かせたいのだろう。


「あれが王都エルズルーのザラスター教教会か。」

「主さま、おおきいねーー」


敷地も大きいが、中央にそびえ立つ煙突のような塔が目を引く。

教会の中央施設に塔が設けられているようだ。

案内処にはココでも巫女さんが待機している。


「ココは異教徒でも見学できるのかな。」

「はい、静かに見学される場合は大丈夫ですよ。」

「立派な塔があるな。あの下に神が祀られているのかな?」

「いえいえ、あの塔は綺麗な空気を取り込むための換気塔です。」


室内に溜まった温められた空気を上部に逃がす換気塔なのか。

煙突効果で、一旦空気の流れができると継続的に換気できる…と。

本殿?の中にはいると、やや薄暗い落ち着いた雰囲気だ。

中央一段高い場所に聖火のような炎が安置されている。


「ご主人様、この炎がザラスター教のご神体で1500年以上受け継がれています。

各地の教会にも同様に守られています。」


教会が新しく出来る度に、新しい火種に火を貰って御神体を増やしていけるので、信者にしても受け入れやすいな。火を燃やし続ける必要も有るので尚更新鮮な空気は重視されているのだろう。


「王都には聖ハスモーン唯一神教は進出してないようだな。」

「ご主人様。エフタール王国にとっては唯一神教など外国の異教です。ザラスター教は戒律も少なくて生活の隅々まで空気のように染み込んでいます。注文の多い唯一神教が庶民に受け入れられるとは思えません。」


戒律ちゅうもんが多い宗教は庶民には面倒なだけでも支配者にとっては都合がいいんだよな。内政が行き詰まるとそういう宗教を国教化して利用しようとする為政者も出てくるものだが、ミドリにはまだ理解できないだろうな。


「巫女さん。荘厳ですばらしい教会でした。」

「またいつでもお越しください。神のご加護を…」

「そうそう、ザラスター教にはぜいたくの神様はおいでですか?」

ぜいたくの神では無いですが、芸術の神ブラギー様がおわします。」

「なるほど、芸術の神様…有難う。」


「王都はだいたい解ったので、今日は帰ろうか。」

旦那イオリさま、何故教会に?旦那イオリさまは神頼みから最も遠いおかたかとおもいますが。」


「最近は精霊ダナイデさま頼みになってきてますけど。…唯一神教が王国にどの程度浸透しているかが心配でした。ほとんど進出できてなかったので、宗教界の圧力で王国軍が動くことはなさそうです。」


旦那イオリさま、宗教で軍が動く事など有るのですか?いくさを起こしたがる神など居ませんですよ。いくさ神はいくさの怖さや恐ろしさを知らしめる神ですが。」


「本当に神に仕える者ならそうでしょうけど、得てして組織のトップは現世利益に熱心でしてね。信者に来世での救済を匂わせて、現世での滅私奉公を強要し命知らずの死兵に仕立て上げて侵略戦争する事が、まま、有るのです。」


十字軍なんて、いくつかの小国が踊らされて国王が戦死とかしてるしな。だが、この感じならエフタール王国全体が 神権・聖ハスモーン唯一神帝国 とおうして攻めてくる事はなさそうだ。


旦那イオリさまの元の世界は、修羅の世界ですね…」

「全く。妖精さまとか、数千年前にお隠れになっちゃって、神話世界での言い伝えでしかありませんから。直接じかにお会いできるなんて無理も無理です。」


ダナイデ様と話しているうちにトラゾンの村に戻ってくる。

村外れの森でダナイデ様が造ってくれた大木のうろ荷車リヤカーを隠す。

荷車リヤカーは舟に積めないしな。上陸用舟艇が欲しい。

近所にいたのか、よびいしを使うとすぐにマーマナが現れた。


「マーマナお待たせ。今日は疲れたわ。ボコボッケで入浴してゆっくりしよう。」

「じゃあ、別荘に曳いていくね。マーマナも入浴しちゃお。」

「そうですね、旦那イオリさま。今日はマーマナちゃんとお二人で入浴なさってくださいね。ミドリさんとテイルさんは、ダナイデにちょっとお付き合いくださいね。」


ミドリもテイルも百も承知とばかりに頷いている。

きっちり、外堀も内堀も埋められているようだ。


…ダナイデ様…。ご配慮感謝。児童福祉法は忘れます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ