7 いざ奴隷商へ
ギルドを出て、通りを右端の宿屋までゆっくりと歩く。
途中の看板と店舗の看板を意識を集中して確認する。
服屋までもどってこの世界の標準的な衣服を銅貨1枚で買う。いつまでも転移者丸出しでは不都合だからな。
奴隷商の看板を見ると読めるようになっていた。
やはり、意識を集中することで学習できるようだ。当たり前ではあるが…
「コルストン氏をお願いしたい、ついさっきお世話になった木村伊織と云う者だ。」
「木村伊織さまですね、少々おまちください。」
ここの店員はごく普通のサラリーマン風の男だ。商売柄女性は不適格なのだろう。
そのまま銀行員で通りそうだ。
「おお、意外と遅かったですな、ではさっそく奥へ…」
うながされて商談部屋?へ移る。
流石に奴隷商、結構な調度品をそろえている。
「で、どのような奴隷をご希望で?」
当座の資金はできた。
が、まだまだこの世界は知らないことだらけだ。
自分の戦闘力が低いので奴隷だけ強くても意味がない。自分が戦えない場所には行かないからだ。
それに・・・むさ苦しい男と連れ合い旅などまっぴらだ。
だが、美形なだけで虚弱な女性は足手まといで困る。
それに32歳バツ1ともなれば、ストライクゾーンも広い。
「そうだな、俺と同等程度には動けて、この世界の知識の豊富な若い女性が希望だ。」
「容姿についてはよろしいので?」
「極端に悪くなければ問題はない。」
「それなら、数人は候補がございますので連れてまいりましょう。その前に、奴隷のご説明をいたしましょう。」
奴隷商は云う。
奴隷を買った買い手は衣食住を保証する義務がある。
基本的に買い手の半分程度の待遇を保証しなければならない。
奴隷相手でも違法行為は罰せられる。
とくに注意が必要なのは、無理に関係を迫る事だ。
奴隷は当然、買い手に忠誠を誓う義務があるが最低限の拒否権がある。
強引な肉体関係とか、奴隷を捨て駒にして主人が逃げるといった場合だ。
以上を担保するため、奴隷には『奴隷環』と云う魔法がほどこされた足環を片足にはめられる。
奴隷契約中のすべての行動が記録され、同時にギルドにも記録が転送される仕組みだ。
現代のドライブレコーダーのようなものか。
「さりながら、そこは買い手の持って行きよう次第…四六時中同居ですからな。
奴隷のほうも当然そこも踏まえて理解しておりますよ。
よほど相性が悪い主でない限りは…
また、奴隷側からの希望も価格に予め反映されています。
つまり、買い手次第で価格も変動します。
そうすることで相性の悪い組み合わせを極力防ぐわけでございます。」
「なるほど…」
コルストン氏はなかなかにヤリ手のようだ。




