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63 精霊ダナイデ

「イオリ殿には度々世話になってばかりじゃな。また一つ借りておく。

我らにも人間のように指揮する者が必要な時期が来ておるのやもしれぬ…」


「え…?魔王…とか、居ないんですか? マンディーさん…」


「魔王のう。…大昔は全魔物を力で支配した魔王がおったらしいが。

今はそのような者はおらぬぞ。皆、各々の領分を守って平和に暮らしてる。」


なんと、この世界では魔物側は帝政が終わって共和制になっていたんだ…

人間側は半独立の公領とかがあるので封建制って感じのようだが。


「では我はイオリの策を皆に伝えに戻る。ダナイデは、どうする?」

「私はココに暫くお邪魔させてもらって良いかしら?イオリさん。」

「は、はい?」

「この通り、普通の人型ですので昼間でも問題ありませんし。」

「そうじゃの。それがよかろう。ではイオリ、ダナイデの事もよろしく頼むぞ。」


ダナイデさんを置いてグリフォンのマンディーはさっさと飛んで行ってしまった。

ヨロシク頼むぞ…って。ヨロシク…していいのか?森の精霊さまだぞ?


「ご主人様、ダナイデ様に我が家のしきたりをミドリがお伝えいたします。」

「主さま~~、ダナイデさま用のブラシ造らなきゃ~~。」


ダナイデ用ブラシ…若干緑がかった、あの金髪に俺がブラシを…ごくっつ


「…そ、そうだな、…勿論専用ブラシを造る必要がある…な…」

「イオリさん、私にも造って戴けるのですね、有難うございます。」

「では、ダナイデさま、小さくてちょっと窮屈でしょうがコレを今夜はどうぞ。」


ミドリがパンツをダナイデに渡して使い方を説明している。

おい、お前らすんなり受け入れすぎだろ…ってか、精霊にアレやらせるのか?


………

……


昨夜は3つ並んだパンツを検分する事になった。

ダナイデのパンツが小さく、タップリはみ出していて神々しかった。

念のため、人類普遍の文化ではなく、我が家のローカルルールと説明しておく。


「とにかく、今日はコルストンに会いダナイデ専用パンツを貰いに行かねばな。」

「ご主人様、テイルちゃん用でもやはり小さすぎましたね。」

「イオリさん、私はあれでも結構ですよ。ああして親睦を深められるのですね。」

「う、うむ。皆、見事だった。ついでに、皆のパンツも補充しておこう。」


服も買いに行かねば小さいな。完全に超ミニスカート、コスプレ衣装のようだ。

おまけに絶世の美女だから人目について仕方がない。ギルドは避けて行こう。

「いつもお世話になっている木村伊織だ。コルストン殿は御出おいでかな。」

「おお、伊織様、ご活躍のようですな。おや、これはまた…お美しい…」


コルストンにパンツを3人分注文する。

コルストンがダナイデの事を気にしていたが、俺が黙っているので何も聞かない。

うむ。…さすがコルストン。ここらで人間の格の違いが判る。


「で、どうだコルストン。景気のほうは。」

「あまり良くありませぬな。エフタール王国全体にかげりが伺えます。」


コルストンが云うには、やはりオリーミ公領の落ち込みが激しい。

王国の2割を占めるオリーミ公領の影響がエフタール王国全体に広がっている。

さらに、聖ハスモーン唯一神教の強引な布教もあちこちで問題になっている。

王国王都では禁教まで議題に上り始めていると云う。


「唯一神教は我々商人にとっても天敵のようなものですからな。

本来購買力に回るべき資金を根こそぎお布施に召し上げていきますので。」


それはそうだろう。神権・聖ハスモーン唯一神帝国は神権政治国家だ。

ある種の共産主義国家といえなくもない。民需にほとんど回らないのは同じだ。

教皇?と議長?の呼び名が違うだけで、庶民にとって行きつく先は大差ない。


「こちらの世界も前途多難だな。ま、俺には関係ないことだが。」

「いずれ、大きな変動がありそうですな。伊織様。」

「そうかもな。その時には俺はどこか人気ひとけのない辺境で荒波をやり過ごすよ。」


パンツを受け取り一旦家に戻る。荷車リヤカーに交換のナーガ罠を積む。


「主さま~~、次はジャラランバードの衣料品屋さんだねー」

「そうだな。くしも買ったし、あとはダナイデにもサイズの合った服が必要だ。」

「イオリさん、いろいろお手数をおかけいたしますね。」

「ダナイデ様、今日はご主人様の膝枕をお願いできますか。その姿で歩かれますと目立ってしまいますので。荷車リヤカーに乗られたほうが良いでしょう。」


ミドリがクリティカルヒットを飛ばした。ココで出すのか本気を。


「ミドリお前は…ぁえ?」 ミドリが流し目で にっつ と一瞬目配せした。

読まれていたのか…俺の妄想も欲望も全てを…


「解りました。ではイオリさん、どうぞコチラへ。」

「お、ぉう。…有難う…です。」


ここは素直にミドリの配慮に乗っかっておくとしよう。

流石さすが、未来の我が正室。…あなどれん。



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