60 対策
頭真っ白の俺とミドリだが、ふと気が付けば3人で風呂に入っていた。
テイルが全部やってくれていたようだ。
こういう時はなにも言わなくても良い本能型のテイルは有難い。
「マーマナはまだしも、グリフォンと普通に話してるのが異常なんだよな。」
「ご主人様、今夜はもう…」
ミドリがベッタリくっついて離れない。俺もニケが頭から離れない。
「主さま~~、コカトリスは、から揚げでたべてみたいな~~」
「ああ、テイル、から揚げにするか。」
「じゃあ、テイルが捌いとくね~~」
テイルがコカトリスを捌きに離れた…
残されたのは俺とミドリ…
死線を乗り越えた俺とミドリが2人だけ…
そしてミドリは俺の腕の中に…
来た!! ついにこの時が!!
死線を乗り越えた2人がついにその時を乗り越え…
「主さま~~、けっこんしきするのかな~~」
「おわっ!…今日のニケは美しくも怖かった…かなーって…はは…」
本能型のテイルを出し抜けるはずも無かった…策を練らねば…
………
……
…
「今日は換金ついでに、ギルドで情報探ってみよう。」
「主さま~~、コカトリス美味しかったね~~」
「そうだな。これからも定期的に食べよう。売るのは核だけで十分だし。」
「はい、ご主人様、『霞網』の仕掛も、驚きました。」
ミドリは一晩で復活したようだ。俺の介抱の賜物だな。
…
…
…
いつも通り荷車でギルドに乗り付ける。
「あら、イオリさん、いらっしゃい。」
「やあ、お姉さん。いつも爽やかなお姉さんに、プレゼント。」
「あら?これは?」
「炭酸水。手に入る伝手が出来たので、お裾分け。美味しいよ。」
「おいおい、イオリ。うちの看板娘は渡せねえぞ、は、は。」
(ちっつ。あの野郎、調子に乗りやがって…)
(悔しいが仕方ねえよ。同じCでも実績に差が有りすぎらあ。)
(ああ。しかも貴族のお声懸かりだ。触らないほうがいい。)
(まあいい。そのうち、いつも明るい夜道じゃねえ事、教えてやるさ。)
「ふっ。イオリ、大人気だな。」
「ああ、あんなのは元の世界で慣れっこですよ。」
「まあ、イオリと違って、上がりたくても上がれない万年Cだ。許してやれ。」
「興味ないけどな、Bとか。それより買取ね、お姉さん。」
「はい! ナーガ、今日は10匹ですね。それと、コカトリスの核!!」
「ん?核だけかよ。コカトリスは万年品薄だ。少し回してくれると助かるが。」
「そうか。昨日は全部食っちまった。次は考えよう。」
で、ヴァーミトラは…いたいた。
「おはようございます、ヴァーミトラさん。」
「やあ。今回はコカトリスなんだ。あんな面倒なのもアッサリ狩ちゃうのね。」
「ちょっと実験してみたら、偶々 上手くいきました。」
「タマタマ…ね。」
「ヴァーミトラさんの方はどうです?なにか面白い話とか。」
「面白いかどうか…だけど。ムロータ将軍の勢いが止まってる。」
「アーミル将軍、さすがの読みですね。」
「いや、イオリ。止まり方が急すぎて違和感ある…ってさ。」
おっち、効き過ぎたかな…当事者でなくとも変に感じるようでは…
「でも、ムロータ将軍も、これには手を打つだろう…って。」
「なるほど…」
そりゃそうか。ハッキリ出た異変にはハッキリした原因がある。
その気になって探れば、対処法も思いつく…はずだよな。
すると、また今夜あたり来るかな、グリフォンさん。
「でもイオリ、ムロータ将軍が一直線に勝ち進まなくて助かったよ。」
「ヴァーミトラさんも、暫くはユックリできますね。」
「…でイオリは今日、これからどうするの?」
「ジャラランバードのお店にうちの子達のプレゼント頼んでます。
今日はそれを取りに行こうかなと。出来ていればですけど。」
「イオリは相変わらすだね。傾ける余裕が羨ましいよ。」
…
…
さて、ムロータ将軍どう出てくるかな。
ーお姉さんがムロータ将軍だったとしたら、どう攻める?ー
《 そうねー。 1.セイコ・サオリを行けるとこまで突っ込ませる… 》
うげ。さすが女流。第一案がそれかよ…でも、それも有りだよなあ。
セイコ・サオリとはマトモに戦わないから、突っ込んできてもスルーだし。
行きも帰りもスルーされるから、戦果も被害も乏しい結果になる。
《 2.セイコ・サオリを突っ込ませてJターン。味方と挟撃する 》
やっぱりな。この可能性が高いよな。
遠距離からのいやがらせ部隊が捕まるとは思わないけど、追い払う事はできる。
《 3.セイコ・サオリの中央部隊だけ引き上げる振りして凹む。あとは… 》
一種の『釣り野伏せ』…か。
最強部隊が撤退すれば追撃する気はなくても、確認のため追随しちゃうかもな。
ムロータ将軍がここまで凝ったことするかな?
追撃してこなければ、セイコ・サオリの不名誉だけが残るし。
ーお姉さん、流石やね。心の準備はできたわ。ー
《 うん。マーマナちゃん、がっかりさせちゃ駄目よ。 》




