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58 カザーフの森

テイルが取ってきた朝の獲れたて天然炭酸水を皆で飲む。


「美味い…」


朝の取れたてで冷えており爽やかな目覚めだ。

この世界、さすがに冷蔵庫は造りようがないか…

元の世界では赤いラベルの強い炭酸水をネットで箱買いしていた俺だが。


「テイルのお陰だな。まさか、この世界で炭酸水が飲めるとは。」

「ご主人様、美味しいです。味がないのに美味しい。」

「コレ飲めたんだーー。テイルはぷくぷくしてて、毒なのかと思ったーー。」


毒か。何かと化合して毒が造れるかな…

でも、毒使うならフグでも捕るほうが手っ取り早いか。


「今日はマーマナがヘルマンド川に来る日だから、交換のナーガ罠積んでいこう。

午後はイスカンダル・クーク湖で水と魚捕って、『かすみアミ』を見てみよう。」

「ご主人様、では桶も積み込みますね。」


………

……


「主さま、マーマナちゃんもう来てるよーーー」


黒の海からなのに、早いな。川を通ると案外、短時間でいけるのかな。


「待たせちゃったかな、マーマナ。」

「ううんイオリ。ちょっと前に来たとこだよ。」


仲が良い時期は1時間前から待っていても、こう云うんだよな。

それが、1年2年になると『おっそーーーい!』とか眉間に皺で云うようになって…

ま、マーマナなら大丈夫とは思うけど。


「マーマナちゃん、昨日夜中に『グリフォン』さん来ちゃってて。」

「うん。ミドリ。『グリフォン』さん、うちにも寄ってくれたから聞いたよ。

すごく喜んでいた。あと、もっと頻繁に会いに行けと言われた。」


もっと頻繁に?なんだ?  まあいい…。


「マーマナがココまで来るのは結構大変だろ。そこで…という訳でもないんだが、

黒の海沿いでエルブール山脈のあたりに、熱い湯が噴き出す場所無いかな。」


「エルブール山脈のあたり…ああ、あるある。湯じゃなくて海が湧いているの。

引き潮の時は海と切れちゃうので熱い海水の小さな池になるよ。」


式根島の海中温泉みたいな・・・


「マーマナ、そこの近辺には人や魔物は居るのかな?」

「ゴツゴツした岩場で餌が乏しいから魔物はほとんど居ないよ。

人間は黒の海を怖がって寄り付かない。アスピドケローネさんが頑張ってる。」


アスピドケローネの縄張りなら、結構安心できそうだな、俺達だけ安全で好都合だ。


「実は、そっちにも家造り考えてる。もっと簡単にマーマナと会えると良いなと思って。」

「ご主人様、そんなことまでお考えだったんですね。」

「主さま~~、すぐ造ろうよ~~」

「イオリが黒の海に来てくれたら、マーマナ嬉しいな…」


まあ、場所は有るってことだな。でもイシドロスには頼めないからどうするか?


「場所はいけそう…だな。あとは建築だが。まあ、また考えるとしよう。」

「イオリ、話戻るけど、『グリフォン』さんが聞き忘れたって…」


なんでも、塩湖の北東に カザーフの森 という、森林地帯があるらしい。

塩湖攻撃に連動して、ムロータ将軍の別動隊がジワジワ カザーフの森 を開削している。

これも、なんとか阻止したい…ということのようだ。


「うーん。たぶん主攻しゅこうの塩湖方面が撤退すれば、歩調合せて引くと思うけど。ムロータ将軍も塩湖方面の孤立を恐れて手を打っていたわけだ。」


「イオリ、どうかな。なんとかできない?」


「じゃあ念のため、雷属性の攻撃が出来る魔物で開削部隊の駐屯地付近を遠くから適当に攻撃したらいいよ。一気にではなくて、長時間交代で、パラパラと…森の木の傍で雷が落ちると『側撃雷』で危険なので、弱い雷属性の攻撃でも部隊長がマトモなら撤退すると思うよ。」


「 『そくげきらい』? 。『グリフォン』さんにイオリが言ってたって伝えておくね。」


もともと戦意の低い2戦級部隊だろうしな。脅かすだけで十分だろう。

しかし、ムロータ将軍意外だな。結構、ちゃんとしてるんだ。

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