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57 攻勢限界点

「ご主人様は、宗教がお嫌いなのですか?」

「ん、ミドリ、それは違うぞ。むしろ俺は信心深いほうだぞ。」

「ええ??…とてもそうは見えませんが。」


この際、ちゃんと説明しておくかな、ミドリには。


「俺が嫌いなのは宗教に限らず、いろいろと押し売りしてくる連中だな。

あと、宗教を金儲けに利用している連中はとくに嫌いだ。

だが宗教施設の落ち着いた雰囲気は好きだぞ。

それに大抵の宗教は動植物も大切にするし、心が折れた人が立ち直るきっかけになることも有るので宗教そのものは肯定的だ。」


「ご主人さまは動物が大好きですね。でも、それだけでは信心深いとは言えないような…」


「いやいや、ミドリだって有るんじゃないか?『しまった、やらかしちまった…』って思った時に、なぜか予想外の方向に物事が回って無事に乗り切れてしまったとか。

そういう時は俺でも神様に感謝するぞ、その時だけだが。」


「はぁ…」


「あるいは、この世界だ。この世界に飛ばされて、ミドリやテイルに出会えた事自体がすごい幸運だろ。

マーマナだってそうだ。

もし、セイレーンでも成体だったらどうだった?ごつい槍持ったいかついセイレーンの成体だったら、助けに行こうとか思わないだろ。」


「そ、それはそうですね。」


「そういう日々折々の幸運を感じるたびに、俺は神様に感謝するのだ。」


その時だけはな・・・続かないけども。

ま、日々生きている事自体がラッキーの連続だ。

実力だけでどうにかなるとか思っているうちは青い。


………

……


「主さま~~、もうすぐギルドに着くよ~~」

「おう、じゃ、ちょっと換金してくるので待っていてくれ。」

「スライム核3324個、換金頼む。お姉さん。お姉さんはいつも綺麗だね。」

「え?あら、そうですか~~。」


俺は褒めて育てる主義だからな…。

ポン…


「イオリさん、今日も凄いね。」

「ああ、ヴァーミトラさん。そういえば、貴方ヴァーミトラもギルドに一人で来てますね。」

「うちも女の子ばかりでしょ、トラブルの元になるからね。」


フアルコンノートは綺麗どころで揃えているしな。


「ムロータ将軍のとこの動きが活発だけど、アーミル将軍はどんな具合です?」

「うちは、まだ特に動いてないかな。ムロータ将軍頑張ってるけど突出しすぎだよね。

アーミル将軍も『強弩の末・・・』なんたらって言ってたよ。」


強弩きょうどすえ魯縞ろこうあたわずー


か。

俺が手出ししなくても、攻勢限界点越えていたのかもな。そういう事にしとこう。

アーミル将軍の見立てが元々そうなら、グリフォンさんの方も安心だな。…そうだ!!


「話かわるけど、黒の海沿いで、活火山のあるとこ有りますかね?」

「活火山?活火山には 赤ヒュドラ が住み着いていたりで普通人間は近寄らないけど?」

「山そのものではなくて、熱い湯が吹き出してる場所、ないかな?って…」

「うーん、どうかなあ。エルブール山脈沿いなら、そういう場所もあるかも。」


エルブール山脈沿い…ね。明日マーマナに当たってみるか。


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