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52 分布

昨日はミドリが珍しく首筋にしがみ付いてきた。

回復したようでも、やはり理解できない罠の事が心に引っかかっていたようだ。

しっかり抱きしめて背中をポンポンしてやると、落ち着いて眠った。

いじりすぎるのは、ちょっと可哀そうかな…と仏心が湧く。


ー行く春やイオリ啼きミドリの目は涙ー (字あまり…)


今の幸せを大切にして素直に噛み締めるとしよう。

30歳を超えてくると、性格がひねてくるからな。いかん、いかん。


「二人とも、今日はナーガ回収して、また池の水取りに行くとしようか。」

「主さま~~、マーマナちゃん来てるかな~~」

「ご主人様、行くついでに引っ越しの荷物も運びましょう。」

「おお、ミドリ、さすが合理的だな。忘れる所だった。有難う。」


ミドリの顔がほころぶ。

しっかりしているようでも、まだまだ小娘だからな。

俺は子供を褒めて育てる主義なのだ。


………

……


今朝も、オリーミ公爵領へ多数のB級と少しのA級パーテイーが向かって行く。

いくらなんでも多すぎだろ。当面の予算の心配が無いといえど、実質借金なのに。

…まあいい。俺達には関係ないことだ。


「ご主人様、マーマナちゃん来てます。」

「マーマナちゃーん…」


指示する必要もない。アッと言う間もなく、テイルの背に乗せられて爆走する。

ミドリは自分で頑張って走ってくる。…偉いぞ、若者。


「イオリーっ…テイルちゃん。 ミドリも~元気してたかな~~」

「マーマナちゃーん、主さま、昨日お魚いっぱい捕まえたの~~」

「マーマナちゃん、ご主人様が、マーマナちゃんのカチューシャ準備してます。」


俺の言うことが無い…二人とも、ちゃんと話せるように学習していたんだな。


「有難う、イオリ。楽しみ~。…そして、はい、コレ、海藻。」

「おお、すまんなあ。まだまだ要るので、またこの袋にも頼むよ。」

「うん。いいよー。…それでね…ちょっと相談なんだけど。」


ほう?俺に相談とは。だれか怪我でもしたか?。


「マーマナちゃん、主さまはマーマナちゃんのお願いならぜーんぶOKだよ~~」

「ご主人様に不可能はありません。なんでもお願いするのが合理的です。」


薬が効きすぎだ…。副作用が出ないうちに自重しなければ…

まぁ、マーマナの頼みとあらば一肌どころか全裸にもなるがな。


「あのね、実は…」


マーマナが云うには、

メガロドンという、大型のサメの魔物が代々アラール塩湖に生息している。

ところが、近年アラール塩湖が見る見る干上がってしまい、絶滅の危機らしい。

なんでも、メガロドンとアスピドケローネは海と塩湖で棲み分けしているのでメガロドンが塩湖に居られなくなるのは大問題になる…と。


「ほう…強い魔物同士で争わないように、棲み分けが出来ているとは…」

「そう、イオリ。ほかの魔物も縄張り守って迷惑かけないようにしてるよ。」


ミノタウロスという、A級の牛の魔物は草原。

ワイバーンという、翼竜のような魔物は森。

クラーケンやアスピドケローネが海でドラゴンが山。

ヒュドラという、キングギドラのような合成獣キメラは、赤いヒュドラと青いヒュドラの2種類が居て火山と極地で別々に進化したらしい。


「それとね、イオリ。みんなの間を行き来して、喧嘩しないようになだめてくれる『グリフォン』さんが居るの。『グリフォン』さんは、それぞれ々の縄張りの中間を自由に移動して、みんなが喧嘩しないように見て回っているの。」


テイルが気が付いた、あの、遠くに居る敵意の無い、強い魔物はやはりグリフォンか。


「でね、『グリフォン』さんが、セイレーンの私を助けてくれたイオリさんならメガロドンさんも助けてくれるのではないか?って。

そこで、イオリと仲良しの私がお願いする事になったの。」


なんと、俺はあの伝説の『グリフォン』に期待されちゃってるのか。


「『グリフォン』が、俺の事…そんなふうに言ってたんだ…」

「うん。イオリさんは他の人間と違って、魔物に偏見が無いようだから…って。」


やっぱこの世界でも、人間より動物のほうが仲良くなりやすいんだな、俺…


「ご主人様……(じーっ)」

「主さま~~、メガロドンさん、困ってるって~~(じーっ)」


お、俺も若干困ってるんだぞ…


「ふっ、ふ、二人とも何を心配する。お、俺がマーマナの頼みを断るハズがなかろう。」

「イオリ、有難う~~♪♪」

「ご主人様、さすがです。」

「やったーーメガロドンさん、主さまが必ず助けてくれるよ~~♪♪」

「と、当然だ、俺に不可能など無いっ…」 (無いでいいのか…)

「そう云う事なら、マーマナ。明日、いや明後日がいいかな…

一度、『グリフォン』と直接会って話をしたい。」


うーむ。勢いで安請け合いしてしまった…

でも、他に道はなかったしな…

グリフォンかぁ…どうせなら雌グリフォンで頼むぞ。

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