表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/191

42 『虹の架け橋』再び

水桶積んだ荷車リヤカーでゴロゴロ建築現場まで帰って来るとなにやら揉めている。


「ちょっとー、あんた達が居ると、お風呂に入れないじゃないの。」

「そうよ、早く他所に行ってちょうだい。」

「覗きで訴えるわよ!」


あー、『虹の架け橋』の残り物3人組か。


「おい、行き遅れ3人組、親方の仕事の邪魔するんじゃねえぞー。」


「なっ!。なにが行き遅れよ。ふざけんな。」

「セクハラよ、セクハラ。恥ずかしくないの!」


こいつら、まだココの現実わかってねえんだな。


「ずえーんぜーん。恥ずかしいのはお前らだろ。

この世界じゃ10代で嫁にいくのが、あ た り ま え なんだよ。

23歳なんて、この世界じゃ押しも押されもしねえ、立派な行き遅れよ。」


ミドリとテイルが全力で頷いている。

後ろの職人がビックリしている。

転移者は子供時代の食糧事情が良いため実際より若く見えるので、23歳は驚きだろう。


「しかしお前ら、まだこっちの仲間出来てないのか。人望ねーなー。」


「それはっ…」

「は、白金貨1枚もする奴隷なんて買えるわけないじゃないのっ!」


プッ…自分の立場も解らず、ずっと高望みしてたのか。笑うわ…


「お前ら、婚活行き遅れの40代おばさんと同じ間違いしてやんの、解ってねえー(笑)

いいかー、ココの奴隷制度は買い手を売り手が値踏みしての変動相場制だ。

買い手の実力人望で価格が変わるんだよ。

白金貨1枚の値が付いたってことは、お前ら 一昨日おととい 来いと言われたんだよ。」


こんどは職人たちが うんうん と頷いている。


「ここは元の世界のような、

『表向きの字面だけ男女平等、中身は男性差別の女性甘やかし』

は通用しねえ。奴隷が良いあるじを選別する実力社会だ。

女だから黙っていても男がサポートして当たり前…なーんて、ねーんだよ。」


「…じゃあ、なによ。あんたの、その奴隷二人の価格はいくらだったのよ。」


「この二人かぁー。」


ちらっとミドリとテイルを見る。

二人とも頷いている。


「この二人は銀貨35枚と30枚だ。」


(すっげー、たった銀貨35枚と30枚かー。俺達でも手が届きそうだ。)

(イオリさん、 奴隷商コルストン にそんなに評価高かったのか…)

(親方が、久々に仕事引き受ける訳だぜ…)


「なっ…なんでそんなに安売りしてんのよ、あんた達馬鹿じゃないの!」


「うんにゃ、この二人の判断は大正解だぜ。なー、ミドリ。」

「はい、いつも贅沢許して戴いています。

髪の毛もこんなに綺麗に…服だってこんな上等の。お酒も飲み放題。」


いや、飲み放題までは…まあいい。


「テイルはどうだ?」

「主さまは、テイルと毛繕いのし合いっこ、してくれるの~~」


(おい、獣人が毛繕いって、…それ…)

(ああ、普通はねえ事だが全く無い訳じゃねえ。つまり、アレだ。間違いねえ。)


「わかったか。いい加減、ココの常識に馴染め。

いつまでも小汚ねえ転移者丸出しの服着てるんじゃねえよ。」


「…お、お風呂は…」


「サービス期間は終了ー。あの時混浴しときゃ入れたのになー。残念でしたー。」


「お、覚えときなさい、絶対成り上がって見返してやるからっ!」


おーおー、死なない程度に頑張れや…はースッキリしたー。


「あ、親方、仕事の邪魔しちゃって、すみません。」

「イオリさん、転移者に見えねえよ。丸っきり地の人間だぜ。」

「俺はこっちの世界のほうが、性にあってるみたいだから。」

「嬉しいこと、言ってくれるねえ。」


「話変わるが、親方、池はもう使えるかな?」

「おう、外回りは出来てるぜ。あとは内装だけだ。」

「じゃあ、早速水張りにかかるわ。イスカンダル・クーク湖の水取ってきたから。」


ミドリとテイルに桶の水を流させる。

まだまだ全然足りないが、ちゃんと漏れることなく溜まっている。


「おー、親方、良い感じになってるねー。あと5回も運べば立派な池になるよ。」

「わざわざクーク湖から持ってこなくちゃ駄目なのかい?」

「ああ、あそこの魚を放流するつもりだからな。同じ水でないとダメなんだ。」


「ああ、忘れてた。イオリさん、手紙預かってるぜ。

ドーストン侯爵のアーミル将軍からだ。将軍本人が来たから腰抜かしたぜ。」


あー、とうとう来ちゃったのか。

わざわざ本人が足運んで万が一にも断れないように、先手打ってきたわけだ。


「仕方ない、中央突破するぞ。」

「?ご主人様…??」

「ちゅうおうとっぱ?って、どうするの~~」

「すまん。独り言だ。あの3人と会うと、どーもなー……。」


ふと見ると、ミドリが池の縁に腰掛けて膝ポンポンしている。

ミドリは良い子だ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] お風呂に入りに来ていた勘違い転移者達に対してですが、主人公の正論パンチが若干空振ってます。  奴隷制度の説明のくだりは良いと思いますが、その前の男女平等のくだりは、もっと相手からヘイトを集…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ