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………

……


さぁて…ヘルマンド川、いよいよだな。


「テイル…。まずは周囲に他の人族が来てない事を確認してくれ。」


肝心なところで邪魔されたら終わりだからな…


「…んー…大丈夫。だーれもいないよー。強い魔物も居ないみたい。」

「セイレーンは見つけられそうか?」

「んー…あっちかな~。」


…お、当たりだな。居た居た…


「よし、わざと風上から回り込んで堂々と近づくぞ。ミドリは風上に回り込んだら待機だ。」

「はい、ご主人様。」


セイレーンが居るのでナーガも逃げて居ないようだな…

ナーガが居ると面倒だと思ったが杞憂だったようだ…


「よし、ここからが本番だ。耳栓してゆっくり行くぞ。」


大きな草の陰にそれらしいのが居る。岩の上で座っているようだ。

やはり水に入れないので困っているのか。


「よし、ここからならマトモに見える。セイレーンが俺たちを見つけるまで待つ…」


テイルに聞こえるわけがないが、手振りで制して止まらせる。

まだ気がつかないか。敵意がないと不思議と気が付かないんだよな…

犬呼ぶときの要領で念をおくりこむとしよう。

元の世界では、散歩中、信号待ちで待っているワンコに念送り込んで振り向かせたものだ。

お、振り向いた。やっと気が付いたか…まずはボンヤリ見つめて…

セイレーンの肩の力が少し抜けるまで待って…

ちょっと、手を下から前にだしつつ、しゃがんで…

(上から出すと、攻撃行動と勘違いするんだよな…ワンコでも…)

よし、…こいつら何がしたいんだ?…という顔になったな…

ゆーーーーっくり、1歩…また1歩…穏やかに声かけながら…

あと5m

ここで止まって話しかける…


∞∞∞∞~~∞∞∞∞~~∞∞∞∞~~∞∞∞∞~~


なにか音だしているようだな。これが頭狂わせる声って奴なんだろう…


???


音が効かない上、俺たちが襲うでも逃げるでもないので、困惑しているな。

いまなら話かけられそうだ…耳栓外してっと…


「えー、せ、セイレーンさん?」

「今日は、穏やかな小春日和ですね…」


???


「お話したいんだけど、いいかな…」


「☆ ★ ○ ● ◎」


「言ってること、わかるかなー」


「な★ ○ ● ◎」


「俺たちは敵じゃないよ…」


「なα★ ○ Σ◎◎◎ 」


お、もう少しでいけそう…


「それ、痛そうだね…」


「な★ ★ に★ た。」

「私を殺すの…」


「殺さないよ。助けたいんだ。」


やったぞ。セイレーン語?学習!!


「…敵ではなさそうだけど…。人間は信用できない。」

「俺も人間信用してないよ。」

「?? 変な人間…」


「俺が信用しているのは、今は、仲間の2人だけかな。」

「その女と。ふたり?…あの遠くの女?」

「そう。もうすぐ二人とも俺の嫁になるんだ。いいだろ。」

「前に見た…」


「あの時、セイレーンさんも襲ってこなかった。」

「あなた達は何もしなかった。」


「矢、痛そう…」

「痛い…。でも、抜くと血がでて死んじゃう。」

「傷塞がないと水に帰れないよね。」

「…」

「俺なら、助けられると思う。」

「!!助け…る??……本気なの??」

「たぶん、…今なら助かる…」

「……………たすけて………」

「じゃあ、ちょっと触ったりするけど我慢してな。」

「…わかった。」

「矢抜く時痛いけどゴメンな。で、すぐにコレ塗るから。」

「…わかった。やって…」


テイルを呼び耳栓はずさせる。


「テイルが矢抜いてくれるか。俺では一気に抜けないかもしれん。

抜いたらすぐに俺が樹液ぬって塞ぐ。」

「わかった~。お話できるように成ったんだ~~いいな~~~」

「よし、せーのー…」


ズポッ…うわ、深い傷だ、こりゃ痛いわ…


「よっと…ペタペタペタ…このまま暫く固まるまで抑えるから。」

「…うん…わかった…う…うう…」


すげー。俺、セイレーンに触ってるやん…

やっぱ、美人だなー。でもまだ幼い感じもあるなあ。

マスターが言ってたように幼体なんだろうな。

ワンコでも子犬のほうが手懐けやすいから、幼体で助かったかも。


「どう?痛いか?」

「痛いけど、前より楽になった。…血も…もう出てない。」


透き通るような声がたまらん。

丸見えのおっぱい…プリプリ…

半分魚に見えたけど、間近にじっくり見たら足の部分だけ魚なんだ。

おヘソもあるし…その下の、…ナニもちゃんとある…卵生じゃなく、胎生なんだ。


「主さま…」

「主さまぁ~~」

「ん?どうした、テイル…」

「もう樹液固まってるはずだよ~~」


う…テイルはこういうとこがなぁ…しょうがない。


「どうかな。手離してみるよ。」

ふさがってるみたいだね。」

「…止まってる。」

「泳げそう?」


セイレーンが川に潜ってグルグル泳いでいる…

暫くして頭だけ出した。


「大丈夫、泳いでも血でてない。」

「良かったな。俺はイオリ。木村伊織だ。」

「私は、マーマナ。」

「俺達は当分、ここに時々来る。また会えるか?」

「また来る。イオリ…覚えた。攻撃もしない。」

「近所に誰もいないときに、また会おうな。」

「……」

………

……

行っちゃったか。


「行っちゃったね~~」

「ああ。」

「ご主人様…」

「ミドリか…。あのセイレーンはマーマナという名前だそうだ。」

「マーマナちゃん♪」

「もっと話してみたかったな。」


なんかやり終えてすっかり抜け殻みたいな感じだ。

賢者タイム…


「ご主人様、帰りましょうか。」


ああ、今日はおとなしく帰ろう…

お姉さんもおとなしく見守ってくれていたしな…

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