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36 治療

………

 ………

  ………

昨夜もミドリにしがみついたまま、寝てしまっていた。

ミドリもテイルもなにも言わずに添い寝してくれている。

俺には勿体ない連中だ。

………

 ………

  ………

「二人とも、すまん。」

「ご主人様、決まりましたか?」

「セイレーンを助けに行こう。」

「やったー、テイルも矢が刺さったままって、嫌だな~っておもってた~」


二人とも、気が付いていたのか。…侮れん…


「だが、危険なので、できる限りの保険をかける。

セイレーンに近づくのはテイルと俺だけだ。ミドリには退路を守ってもらう。」

「退路??」

「スライム狩に使う黄色い粉を持って待機してくれ。

逃げる必要ができたときに、俺達の方にバラまいてもらう。

A級やB級の魔物は知性があるので、タダの粉でも危険があると思えば追ってこないだろう。」

「なるほど。…合理的です。」


ミドリはこれで良し…と。


「テイルと俺は耳栓を詰めてゆっくりとセイレーンに話しかけながら接近する。」


耳栓しとかないと、頭狂わされるからな。

元の世界で、俺はこの方法で吠えまくる犬を何頭も手なずけてきたのだ。

人間の女相手は苦手だったが、大抵の動物は5分で仲良しになれたんだよな…


「テイルは俺の1歩後ろでついてきてくれ。

テイルならいつもの調子で穏やかに話しかければOKだ。

俺が止まってしゃがんだら、同じようにしゃがむんだぞ。」


相手が警戒しているときは止まって、目線を同じ高さにするのがコツなんだよな。


「ある程度接近できたら俺だけ耳栓をはずす。テイルは外すなよ。

セイレーンと本格的に会話するからな。」

「ご主人様、魔物と話ができるのですか?」

「俺はここに来た時、誰とも話ができなかった。転移者相手だけしか話せなかったんだ。

だが言葉を聞いているとすぐに言葉がわかるようになった。魔物もまあ行けるだろう。」


元の世界では、犬猫と結構会話していたし…


「話さえ出来れば助けに来たと理解できると思う。あとは…」

「ご主人様、あとはどうやって治療するかですね。」

「ミドリの云う通り。

矢を抜くと失血死するわけだから、抜いてすぐ血止めすれば助かるかもしれない。

なので、抜いたらすぐに、例の樹液で傷口を塞ごうと思う。」


ホントは抗生剤とかあればいいんだけどな。

でも下手すると、魔物に抗生剤は毒になるかもしれん…


「樹液ぬって暫く手でおさえておけば、出血せずに傷口が塞がるだろう。

あとは、セイレーンの生命力次第だ。」

「ご主人様、大丈夫。きっと助けられます。」

「テイル、セイレーンの友達ほし~~」


「セイレーンと話が出来ずに攻撃してきたら、即座に逃げる。

その時はテイルは俺を引っ掴んで、逃げてくれ。テイルの速さが頼りだ。」

「首咥えて逃げる~~」

「いや、首は…」

「首咥えて逃げる~~」


まあ、いいか。4本足で全力で走るから咥えるしかないのだろう…


「その時すぐに、黄色い粉ぶちまけて、ミドリも逃げるんだぞ。」

「はい、テイルちゃんの背中に飛び乗ります。」


あ…そうなんだ…そうだよな、ミドリも遅いし…


「よし、じゃあ『残り福』始まって以来の大博打にいくぞーーー!!」

(へ?)

「その掛け声は非合理的です、ご主人様。」

「主さまぁ~~、ゆっくり行くんだよ~~。落ち着いての~んびりだよー」


うちは体育会系ご法度だった。

俺としたことが…

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