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32 セイレーン

《 なーにがサド女よ。勝負の世界は厳しいんだから。

みーんな気の強い娘ばっかよ。女流の見た目で、勘違いしないことね。 》


今朝はお姉さまのいきなりの叱責で起こされてしまった…


「ゴモットモデゴザイマツ。 ご指導よろしくお願い奉ります。」


《 フン。まあ、いいわ。でも可愛いわよねー、あの二人。素直で。

あぁ、私もあんな頃があったのよねー。手をつないだだけでキューっと… 》


「あの、ご用件は如何でございましょうか…」


《 まあ、昨晩は私も楽しめたからいいわよ。これからも頑張りなさい。

あと、見られていた件ね。あれ、多分魔物に見られてる。注意しなさいな。 》


魔物が?スライム乱獲は魔物の餌の横取りでもあるのかな。

ちょっとマズかったか。でも気にしてられないけどな。


「今日はスライムは辞めて、ナーガ罠仕掛けに行こう。

雑貨屋によって荷車リヤカー買って、積み込むぞ。」


リヤカーか。懐かしい。俺が5歳児ぐらいまでは田舎にはまだ有ったんだ。

当時から病弱だった俺はリヤカーに乗せてもらって医者通いしていたんだよな。

ばあちゃんが引っ張って…


「ご主人様?」

「主さま~、もう着替終わってるよ~~」


しまった。見逃したか。まあいい、毎日チャンスはある。


「ではヘルマンド川へ行くぞ。」

「ご主人様。これぐらいリヤカー無くても二人で持てますけど。」

「いいのだ。無駄に疲れる必要はない。

今日は帰りは空荷だが、これからは捕獲できた分だけ重くなるからな。」

「解りました。合理的です。」


そう、帰りは空荷なので俺が乗れるのだ。実に合理的だ。


「主さま~。もうすぐ川だけど、どうするの~」

「ナーガが居そうな場所に、槍投げの要領で放り投げて川に沈めておけばいい。

綱が結んであるので回収は綱を引き上げればいいだけだ。なにも危険はない。」


力のあるミドリとテイルがそれぞれ5本、川に投げ込んでいく。

なにも考えてないテイルと違ってミドリは円弧状に投げ入れている。

まあ、実際には意味ないだろうけど。 琵琶湖のエリじゃないし。


《 あら、良いこと知ってるじゃない。エリも仕掛けてみたら? 》


「あ。お姉さま。そうですね。どこか湖があればエリもいけるかも。」


《 この世界の人はあまり工夫しないみたいだものね。下手に魔法とかあるから。 》


「まあ、チャンスがあればやってみますわ。」


《 ふふ。まあ、精々頑張んなさい。子供ができても困らないように…ネ♪ 》


いや、ほんとそうだな。社会福祉とか無いからな。

なぜか、金貸しは居るようだけど。


「ご主人様、これだけで終わりですか?あまりにも簡単すぎて…」

「主さますごいよねー。いつも楽する事だけ考えてる~~。」


確かに俺は何もしてないな。歩いて指示してるだけだ。

ほかの転移者は鍛えたりしているのだろうか。

貴族に婿入りして、お姫様ゲット…なーんて実際には無いだろうな。

なんせ、この世界、転移者は消耗品だしな。勇者だって数100人は居そうだ。


「あれ?あそこ、なにか居るよ~~」

「どこだ?」

「あの、川の中州の岩の上のとこ。座ってるよ~」

「あれか。おい、人魚か?」

「下半身魚型で人魚ににていますが違います。ご主人様。あれはセイレーンです。」

「セイレーン?」

「B級でも上位の魔物で、危険です。稀に飛べる個体も居ます。

セイレーンの歌を聴くと頭がおかしくなって取り殺されます。

普通は海に居るのに…ココまで上がってきてるなんて。」


結構離れていてよかったな。特別敵意はなさそうだが。


「主さま~~。また何かに見られてるみたいなの…」

「セイレーンではなくてか?」

「違うの~。もっとすごく強い感じだけど、あまり怖くないの~」


本能型のテイルの感知能力は確かだが、セイレーンも居る事だしな。

仕事は済ませたし、トットと引き上げるとしよう。


「なあ、セイレーンって俺の記憶だと全身人型で天使みたいな羽があって槍もってるんだが。」

「ああ、それは数百年生きた完全体ですね。滅多に居ません。」


やっぱ変身は3回するのかな。


「ほとんどのセイレーンは人魚みたいな形態です。

人魚形態は全部雌で、完全体になると全部雄になると云われています。」


ってことはセイレーンの雄は若い子食い放題ってか、くそ、うらやましいぞ。


「セイレーンが気になりますか?」


「セイレーンはB級だから狩る必要はないけどな。

B級狩ると自動で『残り福』がB級になってしまい領主や軍から命令が来てしまう。」


「テイル、そんなの嫌だ~。自由な今のままがいい~~」

「それは非合理的選択です。」


「俺も嫌だよ。だから狩る気はない。セイレーンを見ても敵意は出さないようにな。

ただ、B級以上は知性があるらしいから交渉の可能性があればな…とかな。」


「魔物と交渉ですか?」

「B級以上の強い魔物に話を通せれば、より安全にC級以下を狩れるかな…ってな。」


そう、旨く交渉して人魚やセイレーンのご尊顔を間近で見てみたいじゃないか。

寓話では皆絶世の美女なんだし。

楽しみが増えたな。



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