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28 イシドロス

「ここがイシドロスの工房か。ごく普通の職場だな…」


《 …ふっつ。いい感じになってきたじゃない。 》


うお! やばい。爽やかお兄さんでなく、ついにお姉さんが出てきてしまった…

30前ぐらい?前の嫁と同じぐらいか。一番苦手な頃合いだ。


《 いよいよ禁断の果実を食べちゃうのっかなぁ~?お姉さんも楽しみ~♪ 》


「な、なんでそうなる。これから建築だし、まだミドリは婚約にもなってない。」


そうだ。最大のハードルがまだ超えれてないぞ。

先にテイルだけ食っちゃう?ない、ない、ない、絶対収拾がつかなくなるわ。


《 ミドリちゃんなら、もう婚約になってるわよん♪直近確認してないでしょ。 》


な?んだと…


《 二人で飲み明かしたじゃない。ドワーフ相手にあーんな事しちゃってさー。

お姉さんは絶対確信犯だと思ってたのにぃ~♪ ウリウリ… 》


なんだと?ただ酒を飲んだだけで婚約など、ドワーフは婚約だらけになるんじゃ?


《 なーいないない。ふったりだけで、しっぽりと飲みあかすなんて無いって。

ドワーフになった気分で考えてみなさいな。もう、やっちゃったのよ。

ふふっつ。ちゃんと責任とるのよ。お姉さんじーっと見てるんだから。 》


見てなくていい。いや、見るな。って、こいつ触覚も共有だった。

見るな、触るな、嗅ぐな~~…俺の人生の再設計なんだぞ。


《 じゃあ、ちゃーんと新居も建てて赤ちゃんの面倒も… 》

「??お客さ~ん?用があるんじゃないんですかい?」


「あ、すまん…。ごほっつ。

俺の、いや、俺達の家を造りたいんだが、請け負ってくれないか。」


「すんませんね。あっしはもう、飽き飽きしちまって。

俺が前に作った家より良い家作れって…どいつもこいつも。

俺が造る家はどれも最高。それより良い家なんかねえんでさ。だから…」


「良い家じゃない。お・れ・の家だ。俺だけのなんだが…」


「ほう?あんた面白れえな。ふーん、でどんな家だい?」


「俺の家は・・・」


温泉風呂をまるごと風呂場に取り込む。

トイレは温泉から別に水路引いて水洗トイレ。

床下にも温泉から水路引いて天然床暖房。

寝室にはキングサイズのベッド1個。

こじんまりした洒落た書斎にはカウンターバーも併設。

個人の部屋はなし。プライバシーなし。フルオープン。

だはは。どうだまいったか。


《 だめよ…。まだ足りない。 》


わわ、お姉さん、いったい何を…


《 風呂場につなげて、一段高くした広い平たい台を作るの。

上面をツルツルに磨き上げてね。広さはキングサイズベッド2枚分ぐらい。 》


「お姉さん、なんなのそれ?洗い場は別に作るのに?」


《 いいから、お姉さんに任せなさい。絶対造ってよかったと思うから。

私がタダで手ほどきしてあげてるんだから有難く指導うけてなさいな。 》


指導って…そもそもあんた何者なんだよ!



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