23 ブラシ
「二人とも、先に風呂に入っててくれ。すぐに作れるから、あとで行く。」
まずは、ミドリ用だ。
ミドリは種族特性なのだろう、結構な癖毛だから、櫛の歯を粗目に間引いておく。
10枚を少しずつズラせて樹液で張り付けてブラシを造る。
テイルは細目のしなやかな毛並みなので、櫛の歯を一本置きに間引いて張り合わせる。
「おまたせ。よし、ミドリ来なさい。ここで後ろ向きに。」
このまま後ろからムンズと掴みたい衝動を抑えて頭にブラシを当ててやる。
もつれ放題の癖毛をすこしずつ解して、風呂の蒸気も相まってストレートヘアーに。
「うわー、ミドリー、お屋敷のお嬢様みたいに、まっすぐな髪になっちゃってるよーーー」
「ご主人様、また新しい魔法を…??」
「このブラシはミドリ専用に調整した。残念だが、赤い塗装はできてない。」
「すごく気持ちいいです、ご主人様。」
そうだろう、そうだろうとも。これから事あるごとに密着してブラシ当ててあげるからね。
「次はテイルだ、テイルは頭だけでなく、尻尾も当てるからな。」
「ふにゃあ~…ふあぁ~…主さま、とろけるぅ~~」
ふふ、どうだ、耐えられまい。先端を動物の舌の触り心地になるように石で磨いたからな。
「主さま、ここも~~」
なっ、脇腹だと。そのまま下までブラシ当てていくと…いや、これも主の務めだ…
「うっわ、きっも~~」
「おっさん、混浴してるーーーーー」
「セクハラ親父、女の敵~」
あぁん…虹のなんたらの邪魔くさい女共か。
昔なら凹んだかもしれんが、今はミドリもテイルも味方だからな、屁でもないわ。
「今使用中だ、入りたければ一昨日こい。」
「おっさんと混浴なんか、願い下げよ。お こ と わ り。」
「ねえ、私たちもいい男の下僕飼おうよ。」
「そだね、15か16のイケメンな男の子に逆セクハラ♪。じゅるり~っ。いこいこー。」
おい、おまえら、飼うってなあ、買うよりよほど人権蹂躙だぞ。
「主さま~、テイルも毛繕いしてあげる~。後ろ向いて~」
「おう、頼めるか、こうかな…」
浴槽の角に肘を乗せて腹這いっぽく腰を伸ばす。
首に左手を回して真後ろからテイルが乗っかり張り付いて、俺の頭に櫛を通してくれる。
くっつ、これは…後ろ向きでなければ絶対耐えられん…
「毛繕いか…非常に良いものだな、テイル…」
「いいよね~。毛繕いの仕合っこは親子とか連れ合い2人でするんだよ~」
「そうか~、連れ合いかァ~。連れ合いもいいなぁ~」
「………」
夜にはミドリが常になく強力なヘッドロックをしてきたので、ミドリの胸で窒息しかけた。
また一つ、ミドリの扱い方を会得した…。




