表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/191

20 転移者『虹の架け橋』

定跡について。

将棋の場合は定跡の文字になります。

(定石は囲碁の用語)

よろしくおねがいします。

暖かいのが好きなテイルには、俺の脇腹や背中で温まる事を許可した。

ゴロゴロ喉を鳴らしながら脇腹に頭を擦り付けてくる。もっと部屋を寒くする必要があるな。


「テイルが加わってくれたので、今日からは大型獣を狩ろう。」


テイルには片手持ちの短刀と忍者が使うクナイのような刃物を5本与える。

本気で戦ったら、相当強いんだろうな…永久に本気が出ないタイプだろうけど。


雑貨屋で消耗品を補充して、狩場にむかう。

当然、俺は最後尾からついていく。並んで岩山を登っていくミドリとテイル。

ミドリが淡いピンクでテイルは基本の白だ。白に始まり白に終わる。ミドリの教育は正しい。


「え-、あれってお風呂じゃないの?」

「うっそ、この世界にもあったんだ…」

「でも丸見えだよ…つかいにくいー」


あほうー。言わずもがなの事を声高に言ってんじゃねえ。…転移者か。小娘ばっかだが。しかしなんだ、あの衣装。未だに転移してきたままの衣服か。それじゃあ未知の世界に何時までも馴染めないだろうに。


「おい、その風呂は俺たちが造ったんだ。使ってもいいが壊すなよ。」


「へー、おじさんが造ったんだ…(じろじろ…)」

「ほんとにおじさんが造ったのー?そんな力ありそうにみえないけどぉー?(じろじろ)」

「じゃあ、誰もいないときに使わせてもーらおっと(じろじろ)」


「俺たちはこのまま、狩場にいく。帰りまではだれも来ないと思うぞ。

で、お前ら転移者だろ。なんで小娘ばっかでつるんでるんだ。バランス悪いだろ。」


「なにが小娘よ、ちゃんと女子大卒業できたわよ。変な卒業アンケートで飛ばされたけど。」

「おじさんと違って23歳、わっかーいんだから。」

「男の子たちに邪魔くさい女はいらん、現地調達する…とか言って放置されたのよ。

ほんとふざけんな。」


男ども、グッドジョブだ。確かに邪魔くさい連中かもしれんな。


「つまり、お前らも残り物か。お互い無理せず慌てずのんびりと生き残ろう。

あ、それから近日中にその風呂を取り込んだ俺の家ができるから、無料期間はいまだけだぞ。」


「なにが残り物よ。ギルドにも『虹の架け橋』で登録したんだから。覚えときなさい。」


『虹の架け橋』ねえ。まあ、ああいう連中はゴキブリ並みにしぶといから、生き残れそうか。

これ、ミドリもテイルも生ゴミを見るような目で見るんじゃない…あれでも一応女だ。

………

……

「屑です。」

「怠け者なのねー」

「考える事も、働くこともしないのです。」

「お姫様じゃないのにー」

「23歳のババアが非合理的なのです。」


この世界でよかったな、ミドリ。


「ま、まあ、家作って風呂取り込んでしまえば、もう会うこともないだろう。」

「チチだけでかくても使えないのです。」

「あんなぶよぶよの体では戦えないのー。」


ミドリの業も深いようだ…


「さあ、ついた。ミドリ、猪罠の張り方をテイルに教えてやってくれ…」


例によって、俺は片肘ついて横になる。

ミドリがテイルに熱心に教えている。

二人が穴を掘り始める。掘るにしたがい前かがみになり、嫌でも目に映るピンクと白のコントラスト。

平和だ。

元の世界の追い立てられるような生活とえらい違い。


♪ ♪


不意に昔の曲のメロデイーが思い浮かび口ずさむ。


♪ ♪ …

………

……


「ご主人さまが泣いています。」

「もとの世界思い出しちゃったのー?あのプヨプヨ達悪いのー。」


これは、ミドリの膝枕…だな。すぐ目の前にテイルが覗き込んでいる。


「あ、すまん、ウトウトしていて思い出してしまったようだ。ロクでもない世界だったのにな。」


「思い出して泣きたくなるのは論理的で合理的です。」

「群れから一人飛ばされて寂しくなったのー?」


「いや、もとの世界では俺は外れ者で群れには本気では加わらなかったんだ。距離をおいていた。

ミドリやテイルがこの世界で群れなかったのと、だいたい同じ感じだな。

だから、今のこのパーテイーが本気で入った初めての群れだな。

3人だけのちっちゃい群れだが。ちっちゃいほうが良いことも良くある。」


「ちっちゃいほうが良いことも良くある…合理的です。」


ミドリ、ミドリのはホントはちっちゃくないんだぞ、高くないだけで。

転移者パーテイーか。うちも登録しとく方がいいのかな。


《 登録したほうがいいんじゃない? 》


おっさんではなく、さわやかお兄さんが湧いて出た…


「お?おっさんじゃないんだ…でなぜそう思う?」


《 この村以外の情報とか、他の転移者の情報がもらえるかもだよ。 》


「他の転移者はどうでもいいけど、情報はほしいな。」


《 常連さん特典で買取価格もよくなるかもだし。 》


「なるなる。それもあるあるだな。」


《 受付はかわいい子を置くのが定跡でしょ。 》


「うむ、それは絶対だな。兄さん、しっかりしてるな。」


《 これからは俺がでてくるから、相談にのるよ。 》


おっさんよりは使えそうなお兄さんだ。期待できるかも。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ