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174 開戦

旦那イオリさま、マンディーから連絡です。塩湖の敵船団が塩湖中央よりこちら側に進出中。作戦通り空襲を開始するそうです。」


「始まったか。深入りしないようにもう一度連絡を。船の上が光ったらすぐに退避するように。そう簡単に太陽光の焦点を合わせられるはずもないが、マグレでも収束したらおおごとだから。また光らなくても100m以下には下りないように。」


火縄銃の有効射程が100m程度だったはず。帝国で万が一銃器の開発に成功したとしても有効射程が100mを超える事はないだろう。矢のほうが射程は長いけど上空なら曲射ほどの射程は出せないし、そもそも弓は熟練が必要だ。接近し過ぎなければ問題ないはず。魔法はさらに希少だから1:1の決闘でも無い限り無視していいだろう。


「心配しすぎだ、嫁を信じて待て…とマンディーから返信ですわ。」


「嫁を傷つけたくないから言っているのに、全く。ここ半年でマンディーと仲良くなったミテオも心配顔だと言ってやれ。」


戦闘が始まると猛るのはやはり猛獣のDNAが疼くのかな。魔物達は皆目が据わっている。まあ、大量に用意した焼夷弾ばらまくだけだから滅多なことはないだろうけど。なかなか当たらないので無茶しなければいいが。


旦那イオリさま、マンディーから一回目の結果報告です。飛行隊20匹で大型船1隻炎上中。2発あたったようです。ほかに中型船2隻に一発ずつ当たって炎上中だそうですよ。」


両足に一本ずつ持っているので40発投下で4発か。太平洋戦争のころは3000m程度の水平爆撃の命中率が5パーセントと云われていたはず。今回は100mだからな。照準装置なしで10パーセントなら妥当なところか。


旦那イオリさま、敵の無傷の大型船はのこり9隻、中型船は28隻だそうです。」


やはり湖面で殲滅とはいかないな。だが…


「後方に敵影は?」


「今確認中のようです、あ、やはり居たようです。大型5、中型10程度だそうですわ。」


「居たか。それが補給船だな。2撃目からは半数で補給船を攻撃。メガロドンも全力で補給船を攻撃してくれ。進撃中の塩湖方面敵主力は空襲で嫌がらせだけでいい。補給船をたたけば上陸しても深入りはできないし、船の物資の荷おろしだけでも、一晩でも足りないだろう。」


メガロドンには10m以上ある棒に爆薬を付けて喫水線下を叩かせる。2割程度の不発が出るが防御の薄い補給船への攻撃なら危険は少ないだろう。


旦那イオリさま、爆弾を取りに戻っているマンディーが、燃えている敵船で消火中活動をしているのが見えたようです。ですが、消えることなく燃えているようですわ。」


軽質油が仕込んであるからな。そう簡単には消えない。まあ甲板が燃えているだけなので、なかなか船の放棄まではいかないだろうけど。


旦那イオリさま、メガロドンも攻撃はじめたようですわ。あ、やはり敵が船の周囲に樽のようなものを投げているようで、水中でいくつか爆発していると言ってます。」


「やはり爆雷を持ってきていたか。樽サイズだと危険だな。メガロドンは横からの攻撃は中止。予定通り深く潜って敵船直下から船底を爆破するように連絡してくれ。敵船の真下なら爆雷では攻撃できない。」


「メガロドン達はすでに船底への攻撃に切り替えているようです。あと初撃すませた一匹が体当たりして中型船をひっくり返したと思ったのに転覆しなかったようですわ。」


やはり体当たりは無理だったな。積み荷が満載状態で重心が下がっているから転覆は狙えないだろう。もともと体当たり対策は真っ先にやっているだろうし。


旦那イオリさま、メガロドン達の船底攻撃は効果が大きかったようで、中型船数隻が沈みかけているようです。」


やはりな。太平洋戦争当時の大型艦のような、2重底や3重底は無理だろう。どんな舟でも船底に穴があけば沈むしかない。


「メガロドンも爆薬使い終わって補給に戻るようですわ、旦那イオリさま。」


「そうか。ともかく一応予定した戦果は挙がっているようで良かった。塩湖方面は早晩ほっといても撤退するだろうが、速めに撤退においこまないと、マンディー達がこちらに来れない。メガロドン達は連戦で大変だろうが。」


旦那イオリさま、それは大丈夫のようですわ。言ってませんけどメガロドン達の雄たけびがうるさくてうるさくて。塩湖が干上がりかけた恨みをぶつけているようです。きっと徹夜ででも反復攻撃しちゃうと思いますよ。」


あー。そうだった。一時は絶滅の危機だったからなあ。とても寝る気分じゃないか。


「まあ、無理して大怪我しないように連絡してくれ。なんといっても敵に接近していることは事実だから。」



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