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2 『ギルド サバセッカス』

「いってらっしゃい」

 少しの不安と期待がないまぜになった表情を浮かべながら、娘のポリーナが新たな人生への歩みを進める。


 僕は娘を不安がらせないように、笑顔で見送る。

 ふっ。娘よ。安心しておくがよい。僕がしっかりとお前のパーティーにふさわしい人を選別しておいてやったぞ。


 僕は、冒険者時代に使ったハゴロモのマントを被ってこっそりと世界一可愛い娘の後を追う。


 *


「ようこそ、冒険者ギルド、サバセッカスへ。今日はどうなさいましたか?」

 受付の--妻のアンドリヤナとギルドの人気を二分していた--ミヤコが朗らかな笑顔で俺の娘に尋ねる。


「冒険者登録をしたいのですがよろしいでしょうか?」

 その笑顔が同年代のそれだったためか、ほっとした表情を浮かべる。


 だが、娘よ、笑顔で勘違いしてはいけないぞ!そいつは危険な奴だ。幼そうに見えて、齢百歳を超える大ベテランの受付嬢だ!おっとり、清楚美人にみえて、男をとっかえひっかえする狂い好き(リビドー・オープナー)の異名を持つ奴だ。そいつにつられて、男にはまって、冒険者を辞めた奴は数知れない。危険な奴だ。

 ちなみに、たれ目に巨乳黒髪ロングという様子から男性陣の中には『アへ顔抜き用女』と揶揄する奴もいる。


「いいですよー。それよりも、もしかして、アンドリヤナの娘さんじゃないですかー?」

 馴れ馴れしく僕の娘の白磁のような手を握りながら、ポリーナに話しかける。


「えっと、そうです。…もしかして、ミヤコさんですか?母から話は聞いています。」


「へえ。あの女狐、じゃなかったアンドリヤナさんはどんな話をされているんですか?」

 ほらね、ミヤコさんの性悪女ぶりがわかるだろう?娘よ、気付くのだ。


「凄く可愛くて努力家の天使みたいな人だって言っていましたよ。」

 娘が僕には見せない柔らかい笑顔をミヤコさんに向ける。

 可愛い!!!


 パシャッ


 いかん。思わず携帯型撮影機で娘の笑顔を撮ってしまった。僕は、悪くない。可愛すぎる我が天使が悪いのだ。


「そうなんですか~。」

 ミヤコはのんびりとした口調で答える。

(あの、(アマ)ァァァァァ!普段はしっかり者のくせに変なところだけ天然ぶりやがって!おかげで、英雄Kの財産を食いつくすっていう私の計画がすべておじゃんになっちまったじゃねーか。)


 スキル聞き耳をレベル10のMAXに鍛えている俺には、ミヤコの心のうちも聞こえてしまう。

 やべー!あいつ、そんなことまで、考えてやがったのか。怖い、怖すぎる!!

『スキル聞き耳』はモンスターの位置を知るのに役立つものだ。でも、時節、こうやって聞きたくない小声とかが聞こえてくる。…女性不振になりそう。


 まあ、この能力があったおかげで、ミヤコと結婚せずに済んだんだがな。…だが、まさかこれほどとは。

 ミヤコは対魔法、対スキル、魅了の魔法がスキルレベル10のMAXだと聞く。多分、僕とのデートの時は全力でそこら辺のスキルを使ってやがったな。


「それで、どうすれば登録できるんですか?」


「まずはですねぇ。この水晶に手を当ててください。あとは、冒険者学校に行っていた人の場合はその成績もご提出ください。」


 ミヤコは、彼女の前にあった、透明に透き通る水晶を示す。


「えっと、まずはこれが成績表です。」


「おお、さすがは、アンドリヤナさんの娘さんです~。いい成績ですねぇ。」


 ふん。当たり前だ!僕とアンドリヤナの娘だぞ。しかも、ポリーナが十の齢になるまではずーっとアンドリヤナが直伝してきたんだ。いい成績に決まっている。


「ありがとうございます。」

 性悪女に健気にお礼を言う娘に不安を覚える。悪い女や男に騙されないだろうか?

『いや、僕がずーっとついていて上げれば大丈夫だ。君の貞操は必ず僕が守るよ!』


「あの、それ、ストーカーじゃないっすか。マジひきますわ、先輩。親が自分のストーカーするとか自分だったら自殺ものですよ。」


 僕の耳元で少し低めの女性の声がした。







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