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スキル制MMOだけど“やきう“がしたい!


freedom skills online、FSOはその名の通り自由にスキルと呼ばれる技能を取得しときには作り上げて広大な世界を冒険するフルダイブMMOだ。


西暦2100年代には既に完成していたと言われるこのタイプのゲームはそれよりも以前からさまざまな作家によって構想されていた通り『不自由さ』を楽しむ物と『自由さ』を売りにする物に二分されRPGに留まらず多くのジャンル、膨大なタイトルを輩出してきた。



そしてそんな中で特に自由なゲームの売り始められた初期からやられている遊び方がある。


「ミシン竜王技!」

「ドゥエ!」

「ショーリューケーン!タツマキッ!」


「今日もやってんなぁ…」

「良くやるよなぁ、俺もちょっとやったことあるけどどれもこれも普通に遊べたもんじゃねぇでよ。」


奇妙な足踏み運動の様な謎の上下移動とともに道ゆくモンスターを蹴散らす謎のニンジャ、鎖を持った過去のゲーム主人公のコスプレをして謎の慣性で動く者、今も続く格闘ゲームタイトルの主人公めいた青い波動を放つプレイヤー…


そう、今も昔もある意味人間の進化が全く感じられないまで繰り返されてきた『再現』若しくは『模倣』というプレイスタイル。憧れのキャラクターやスタイルになりきる。フルダイブMMOにおけるある種の醍醐味、かく言う俺もその類なのだが…正直言ってそこらへんで見る様な有名な奴にはあまり興味がない。


「スキルの設定は問題ない。まぁ条件はきついが…出来なくはない。」


俺が目指すのは『強く』『ある程度使える』のが最低条件、まぁロマン砲である事が少なくないがそれはそれで良いモノだ。


「お、おい。あれ…」

「青いメットに…金髪?何のキャラでよ?」


ああ、そうそう。マイナーだとかちょっとギャグキャラなのも重要な要素だ。


「第七の街、最前線にいるのは格闘家や吸血鬼ハンターだけかと思ったが…なかなか…」


…なんかレイド戦だからなのか無駄に上から目線なガチ勢に査定されている様な気がしなくもないが、まぁ、いいだろう今回は是非とも注目してほしいもんだ。

そうこうしていると徐々に快晴だった空に暗雲が立ち込め、ギャアギャアとうるさいのがパフォーマンスや見物人ではなく獣や魔物のソレへと変わっていく。


「っ!来たぞ、第六天だ!」


アレに見えるは巨大な浮遊物、地獄の様な業火を引き連れ凄惨な笑みを浮かべている。


「『チャージ』『武技宣誓:全力行動』『付与:衝撃』」


街を背に築き上げられた砦はにわかに騒々しく事前の作戦計画通り多くのギルドやクランが結託しているために徐々にざわめきは統制を取れたものへと変わっていく。

オレはそんな中ふらふらとスキルを連続発動させながら門の向こうへと歩き出していく。


「なんだアイツ…死ぬ気か?」

「わがんね、まぁ格好からしてネタプレイ勢だろうから自爆でもすんじゃねぇの?」


オレはその声を聞きながら笑みを浮かべる。


馬鹿め、ここでオレを止めなかったことを後悔するがいい。


「『反撃チャージ』『魔力全集中』『魔力過剰集中』『魔力超集中』」


のぎりしめたバットの感触はいつもと変わらない、知り合いに無理言って作ってもらった杖でありメイスであるコイツは一発限りの自壊武器、あらゆる性能を極限まで引き出した結果『耐久力』『持ち主の全ステータス指定』その他収納不可や属性固定など馬鹿みたいな制限とガラス細工の様な脆さ危うさの塊だ。

だがそれでいい。オレに必要なのは一撃だけなんだから。


「『制約:一撃必殺』『身体強化』『撃力王』」


最後の称号スキルを発動した瞬間禍々しいオーラの様な物がバットにまとわりつく。すると背後が騒がしくなる。


「おい、撃力王って…」

「まさか!まさかまさか!?誰か!リーダーを!」


既に俺は敵の群れと接敵寸前、今更何を言おうが…


「もうおせぇ!」

「GYAO!」

「『無敵時間』!」


効果時間は5秒、攻撃しない限りダメージを完全カットするが衝撃や欠損は回避できないポンコツ無敵だが移動不可がつかなかったのは製作者様様って感じだ。

既にほぼほぼ強化が終わった俺が踏み込むと地面のポリゴンが弾ける。LUKとSTRにほぼ極振りの俺の体当たりはVITの関係でダメージを発生しない、そしてほぼ無いはずのAGIの代わりにSTR算出の衝撃力で突き進む。

無論、スキル効果によるカットがなければ俺が全力疾走した瞬間に体が吹き飛ぶというエキサイトなステ振り、非効率極まりない馬鹿ビルドだ。



3秒で到達。


『ほぅ…』

「『ホームラン量産法』『片足立ち打法』『宣誓』、俺は地に足をつけて宙を浮く魔王をソラへと撃ち上げる。」


反撃チャージで衝撃を吸収、殴られながらバットを掲げスキル発動からの宣誓を発動。宣言を終わると同時に強化状態を示す光が俺に灯る。


1秒経過


『まさか魔獣を退ける事もなくここに立つなど…』


魔王は大概一番乗りの勇者を一目見ようと近寄ってくる。演出ではあるが攻撃チャンスでもある。今までここで攻撃を仕掛けたバカの多くは至近からレイドボスの攻撃を受け吹き飛ぶのがいつもの流れだが…


『不敬にも程があろう!!』

「…メルヘーン」


無敵時間コンマ数秒で衝撃を吸収しきり俺は片足立ちでバットを振りかぶり魔王の顔にバットを叩き込む。

無敵時間の5秒が経過しそれと同時に反撃チャージの衝撃排出、撃力王による衝撃の強化バットの自壊、それのよるエンチャント済みダメージ判定物体の多段ヒット、全力行動の効果によるヒットポイント9割損失、魔力集中物体の破損による極大破壊、そしてLUK算出のクリティカルダメージとSTR算出のダメージandノックバック。


「ゲット。」


あらゆるダメージポリゴンとエフェクトがそのあまりに膨大な処理故に至近距離から野球場のライトの様に煌々と輝き、『グワァラゴワガキーン』という金属バットめいた甲高い異音が響いた。


『んな!?』


空高く舞う高校野球最後のホームランの様に飛ぶのではなく撃ち上げられまるでギャグ漫画のキャラクターの様にななめ四十五度に視認できない速度まで加速してソラへ向けて跳んで行く。



ソッと俺の周囲にのみ勝利bgmが鳴る謎のスキルが発動、俺は爆心地の様になった魔王のいた場所を魔獣の残骸を踏みつけ攻撃を回数限定の即死回避称号で受けながら一周。


「乙女は強くなくっちゃね!」


唖然とし騒然とするプレイヤーたちを尻目に笑みを浮かべながら満足して死に戻った。

プレイヤー名 タカノ


ステータス(スキル補正なし)

HP 100/100

MP 100/100

STR 100(現状最大値)

VIT 1

DEX 1

AGI 1

MGI 1

LUK 100(現状最大値)


スキル

強化    20/20

-身体強化  30/30

体術    50/50

-肉体操作  40/100

チャージ  20/20

-フルチャージ30/30

 -反撃チャージ40/50

魔力操作

-魔力集中  20/20

 -魔力過剰集中30/30

  -魔力超集中 45/50

付与術   20/20

-付与魔術  30/30

 -付与魔法  44/50

 -撃力付与  30/50(スキルクリエイト)

杖使い   20/20

-杖術    30/30

 -杖法    40/50

殴打    20/20

-打撃術   30/30

 -打撃法   40/50

 -バット術  40/50(スキルクリエイト)

 -ホームラン術30/50(スキルクリエイト)

武技宣誓:全力行動

制約:一撃必殺

ホームラン量産法 (スキルクリエイト)

片足立ち打法 (スキルクリエイト)

損害軽減

 -損害半減

  -無敵時間

勝利bgm


称号

撃力王→撃力神

グワァラゴワガキーン

単独勝利者

死の淵を歩む者

深淵歩き

浮遊殺し

バッター

杖鬼

体鬼

魔術使い

魔法使い

スキルクリエイター

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