五章 総まとめ
一行は新しく乾いた風が吹く、荒野のような世界へ降り立ちました。薫風の案内に連れられて、聖王国ウルカへと辿り着きました。
しかし、街の人々はあまり幸せそうには見えません。
その様子を眺めていたアルス達一行の元へルーンと名乗る人物が現れ、事情を説明してくれました。
その国の城下町では人々が重税で苦しみながら、今日明日の食い扶持を稼ぐために精一杯なのでした。
そんな中、アルス達が街を見て回っているとき、目の前で窃盗事件が発生し、アルスとニコルは犯人を追いかけて路地裏の方へと駆けていきました。
アルス達が追いかけていった先は治安の悪い貧民街でした。
窃盗犯は人間ではなく鬼と龍のハーフ、龍鬼でした。
グレンという名のその龍鬼を制した二人は、合流したルヴィナ達も含めてグレンから話を聞くことにしました。
やはりグレンもお金に困っていて、さらには仕事を探そうにも人を雇えるほどお金を持っているところもなく貧民街に住んでいるグレンの弟分達の分もグレンは毎日どこかから探してこなければなりません。
話を聞いていたルーンはこの国の武術大会に出ることを薦めます。そこで優勝した者には騎士団長と戦う権利が与えられ、そこで騎士団長に勝てば王に謁見し、直談判することが出来るのです。
それを聞いたアルスもグレン達のためにも他の街の人達のためにも出場することにしました。
ルヴィナはこの世界に来てからというもの、体調がずっと優れませんでした。その原因はこの世界の大気中の魔力に水が少ないためであり、万全に水の魔力を使って戦うことが出来ないためでした。
そのため、ルヴィナは大会に出ることを諦めました。
激戦の末、アルスは優勝をすることが出来ました。
が、インターバルもなく直ぐ様、騎士団長との戦いになりました。
かなり体力を消耗していたアルスはかなりの苦戦を強いられました。ですが、アルスでこれであり他の人間では苦戦では済まない事に気付いたアルスは、確かな怒りを覚えました。
出せない力を無理に振り絞ったアルスは、意図せずに魔力を使い、疲労も手伝って魔力を暴走させてしまったのでした。
炎を纏った鳥へと姿を変えたアルスは自我を無くし、辺りを燃やし尽くす化け物になりました。
その姿を前に薫風は完全に怖じ気づいてしまっていました。
そんなアルスを見て、一つ前の世界の深海にあった神殿で出逢った人物である『御名許かなた』がルヴィナ達の前に姿を表しました。
その人物がアルスを街の外へと誘導し荒野で戦いが始まった。ニコルとルヴィナもアルスを止めるため、後を追っていきます。
しかし暴走したアルスはとても狂暴化しており、ニコル達では止められそうもなかった。ルヴィナは無理をしてでも自分が戦わなくてはいけないと判断しました。
そうしてルヴィナは決死の覚悟で魔技を使いました。
自らの血を水の代わりとして纏い戦う魔技を使ったのですが、それは一般的に禁術とされるもので、ルヴィナは狂ったようにアルスに襲いかかりました。
圧倒的な力を以て、ルヴィナはアルスを制しました。
しかしルヴィナの猛追は止まらずアルスに止めを刺さんとするほどでした。
かなたの気転と助力により、アルスの持っていた剣を使いルヴィナを止めることには成功しました。
しかし、アルスの国に襲いかかった罪で、かなたを含むルヴィナ達一行は牢へと連行されることとなったのです。
牢の中で目が覚めたアルスとルヴィナは、かなたからアルスの持っている剣についての話を聞きました。
アルスの持っている剣はあらゆる魔技を無力化する特別な剣だったのです。
しばらくして、ルーンとグレンが牢屋を襲撃しアルス達一行の脱獄の援助しました。
ルーンはアルス達にこの国が鬼や龍と戦争を起こそうとしていること、そして今現在争っている鬼と龍は人間の策略によりその状態になっていること等を説明し、その上で鬼と龍の長と対話しこの事を伝えてくるようにと伝えます。
かなたは着いて来ませんでしたが、グレンが来てくれるということでアルス&ニコルペアと薫風&ルヴィナ&グレン組に分かれてそれぞれの長へと話をつけにいきました。
そして鬼の長のゴウエンと、龍の長であるフレアとの話を終えた頃、人間達が挙兵し進軍してきました。
それぞれの軍が人間を迎え撃ちながら、ウルカへと進みます。
ある程度進軍したところでアルス達と進んでいた鬼の軍とルヴィナ達がいる龍の軍が合流しました。
アルス一行が揃ったところで、一行は鬼や龍と共に進軍せずに自軍だけで人間達の兵を率いる騎士団長のもとへと向かうことを決めました。
騎士団長の元へとたどり着き戦いをやめるように説得を試みましたが叶わず、一行は騎士団長と戦いを始めます。
見た目にはもはや人ではなくなっていた騎士団長は、とても強くはありましたが、ルヴィナの新たな力である土の魔技もあって戦況は優位に進みました。
そこにグレン、フレア、ゴウエンが合流し、三人はアルス達が戦うことを止め、自分達が倒すことを宣言しアルス達はやむなくそれに従いました。
状況が不利と見た騎士団長はとっておきである力を使いました。
その力とはグレンの妹、フィルの魔力を取り込むというものでした。
グレン達三人を相手に互角に立ち回る騎士団長はアルス達から見ても異常であったが、やはり地力が違うのかグレンとゴウエンにより焼き尽くされてしまいました。
そのまま国王のもとへ突き進み、グレン達は今にも国王を殺さんという勢いでありましたが、ルヴィナの説得もあり王を殺すことは防げました。
翌朝になって、ゴウエンに呼ばれた一行はグレンの頼みもあってグレンを旅の仲間へと加え、また新たな世界へと旅立っていきました。
登場人物紹介
①仲間キャラ達
アルス・スミス
・鍛冶屋の息子で魔技を抜きにした剣術においてはアルス達のいた世界で1、2を争うレベルではあるが、魔技においては初心者で発展途上である。
・魔技の属性は炎。炎の色は紫だが別にセシウム等が含まれているわけではない。
・イケメンだがそれがストーリーに影響はしない。
・好きな寿司ネタはえんがわ。
使用魔技
『閃変万火』『業火剣乱』
新規習得
『紫電一閃』ニコルとの合体魔技。紫炎と雷撃を剣に帯びさせて薙ぎ払う。多数の敵をまとめて炎と雷による攻撃で怯ませることができる。元々攻撃的な属性なので合体による相乗効果が大きい。
命名ルールは四字熟語と同音であること。
ニコル
・外見は至って普通の猫であり、会話も基本的にはできない。アルスのみ持っている指輪の効果で対話が出来る。
・魔技の属性は雷。魔技に慣れていて魔技使いとしてはかなり強いが逆に魔技なしでは戦闘能力がない。
・蓄電体質で電撃の類いを吸収する。
・本作の主人公……?
・好きな寿司ネタはまぐろ。
使用魔技
『爪』『旋』『発』『猫』『曇』
新規習得
『射』電気の槍を射出する魔技。貫通力が高い反面、素直に直進しないため近接の味方がいる場合使い勝手が悪くなる。
『臨』相手の動きに合わせて(半)自動反応出来るようになる魔技。頭で考えるより先に行動する都合で、ニコルにとっては体が吹き飛ぶ感覚に近くなるため、性能の高さに反してニコルあまり好まない。
命名ルールは漢字一文字の音読みであること。
ルヴィナ・セルディアス
・弓使いで百発百中の腕を持つが魔技使いとしては初心者。
・使用武器は特殊な弓矢でルヴィナが身に付けている腕輪から生成され矢を消費しない。また、腕輪に登録された形状に変形させることができ、剣、小盾、弓矢の三種類が登録されている。
・剣の腕は上の下ぐらい。
・美人だがそれがストーリーに影響はしない。
・禁術を使った反動により少し心が壊れてしまった。
・魔技の属性は水と土。
・好きな寿司ネタは鯛。
使用魔技
『泡沫』『流転』『螺旋』『誘』『伝達』
新規習得
『紅水』禁術。自らの血を纏い血を剣とし、鎧とし、弓とし、矢とする。使うと興奮状態になる。攻撃も防御も速度も全体的に強力になるが、ルヴィナ自身に制御が効かずルヴィナ本人含め全員にとって危険な魔技である。血ではなく洪水。
『矢礫』地面に矢を射った後、地面から矢と同時に礫を打ち上げる魔技。脛、鳩尾、顎等が狙いやすい。
『岩壁』地面から一枚の岩の壁を作り出す。本来は防御用でありながら踏み台にしたり相手の逃げ場を塞いだり等、応用が聞きやすく、ルヴィナのお気に入りの一つ。
『石塊』泡を作り出す魔技である『泡沫』を土の魔力で作り出したもの。『岩壁』同様応用が聞くが作り出す位置が地面ではなく矢を途中で石塊に変えるため、空中に作り出したりすることもできる(自由落下はする。)
『岩波』岩の波により敵を押し出す魔技。足を取られた相手の動きを阻害することで狙撃しやすくなる。総じて補助目的での魔技である。
命名ルールは漢字二文字にカタカナルビであること。
薫風
・風の魔技を使うフェザードの少年。翼に腕がついてるタイプの鳥人。
・属性の都合で補助、支援が主な役割。
・アルスとルヴィナがあまり喋らないので賑やかし兼ボケ担当として頑張らないといけないと思っている。
・支援型のフェザードの中ではかなり強い。
・なにか秘密があるらしい。
・好きな寿司ネタはプリン
使用魔技
『一陣の戦斧』『狙撃の突風』『雁渡の受渡』『風向の循環』『慈愛の烈風』『電光の一矢』『隠牙の凰鳳』
新規習得
『速撃の追風』対象に行動の一つ一つに追い風が吹くようになり体の負担が少なくなる魔技。副作用として速度が早くなったりする。ルヴィナに使えばなぜか矢の速度も上がる。
サフィーナ・セルディアス
・故人。
・ルヴィナの双子の姉でアルスに殺害された。
・本作のメインヒロイン……?
・好きな寿司ネタはいくら。
②この章に登場した主要キャラ
グレン
鬼と龍のハーフであり炎を操る事が出来る。
母親と父親の形見の二本の槍と妹への無念を胸に、アルス達に同行することを決意した。
ルーン
ウルカの第二王子であったが王位継承者ではない為、自由に暮らして行くことを決め城を出た。その後王の急変を知り国に戻る。
ある日を境に姿を見ることがなくなったらしいがまたどこかで旅を続けているのだろう。
フレア
龍の長でありグレンの祖母にあたる。魔力も聡明さも人間の比ではなく寿命も長いためわざわざ矮小な人間達と戦うような事に興味がない。
ルヴィナの土の魔力を覚醒させた張本人。
ゴウエン
鬼の長でありグレンの祖父にあたる。筋力と直感に優れ、洞察力も高く人間では太刀打ちできない。背はとても低くそれは娘であるカガリにも受け継がれた。酒呑童子。
③倒した敵キャラ
騎士団長
グレンの両親であるイグニ、カガリの両名を殺害し、国の資産を使い研究した結果、その二人がサテライト技術によって改造された人造悪魔であることがわかり、さらに転用し人間ベースで騎士達及び自身を魔改造していき、最終的に人間の世界を作ろうとした。
人間のために人間をやめた彼であるが、最終的にはゴウエン、フレア、グレンを越えることが出来ず死亡。さらには忠義を尽くした人間の王にも見捨てられてしまった。
人間のために人間が生きやすい世界を作ることを王に頼まれて『手段は問わない』とされたが故に過激な手段に出たが、彼にはそれを止めてくれる相手がいなかった。
名前はない。
敵の中で最も愚かで真っ直ぐ。




