四十話
「ルーンさん、大丈夫でしたか?」
「何がだい?わたしは静観していただけだからね。」
「……そうですか。戦争を止めた立役者であるとフレア様から聞きましたけど、静観していただけですか?」
「やれやれ、心配されているのやら疑われているのやら……。わたしは騎士達に騎士団長の命令で戦いを止めるようにと嘘をついただけだ。」
「それを騎士達が信じたと?伝令とは言えないような格好をなさってますが……。」
「騎士達も戦いたくはないのだ。強くなったとは言っても生まれ持った種族の差から来る恐怖を拭うのは簡単な話ではない。」
「……そうですね。」
ルヴィナにもルーンの言っていることはわかる。
被害が少なくて済むに越したことはない。
それはそれとして、ルヴィナ達を牢屋から出したり、騎士を止めたり等やっていることは一介の旅人の範疇を越えている。
そしてルヴィナが感じている疑念の一つが国王の仮面姿。背格好や声は違うが、どこかルーンに同じ匂いを感じていた。その嫌いは旅人というには立ち振舞いに気品を感じさせる辺りにも窺えた。
「ところで君達は、王を殺したのか?」
「いいえ、私が無理言ってフレア様とグレンくんを止めました。」
「ふむ……そうか。今の王はルヴィナさんから見てどう思う?」
「どう……?単純に王として育ったんだろうなという印象です。」
王として。ぬくぬくと。
「やはりな……。」
「どうかしたんですか?」
「いや、何。旅人という職業柄、国王との謁見などとんと無縁でね。身近に国王と出逢った人がいるというのであればどんなもんなのだろうかと期待半分の興味本意さ。」
「そうですか……。」
ルヴィナはルーンの言うことにあまり共感はできなかった。ただそこはただの性格の差であるとルヴィナは解釈している。
「君達には世話になった。戦争も終わったことだし、一緒に食事でもどうかな?」
「私は……別に……。」
気乗りはしないが、今までの世界でも戦いが終わったら療養も兼ねて宴をしてきていた。
「ルヴィナ!ボクお腹空いたよ!折角なんだし食べていこう?」
なので薫風がこう言ってくる事もルヴィナの想定内であった。
「私は構いませんが、それならフレア様やゴウエン様、グレンくん達と一緒に食べたいです。この戦争の─
「妾は絶対に行かんぞ。」
ルヴィナが話している途中でフレアが割り込んできた。
「フレア様!聞いてたんですか。」
「聞いていたわけではない。聞こえてきただけよ。」
「地獄耳……。」
「ルヴィナ?聞こえておるぞ?」
ルヴィナはフレアの様子を窺ったが、思いの外、頭に血が上っている訳ではないようで少し安心した。
「妾は今から他の龍達を連れて帰る。グレンやゴウエンは知らん。」
「そうですよね……。一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「構わんが、手短にな。」
「はい、ありがとうございます。この国と仲良くやっていくことは叶わないでしょうか?」
「はぁ……。わざわざ改まって何を言うかと思えば、そんなくだらないことか。いいか、ルヴィナ。妾はルヴィナが懇願するから殺さずにおいてやったのだ。それを仲良くだなんて以ての外。論ずるに値せん。」
そう言ってフレアはすぐさま去っていってしまった。
「姉御。じいちゃんもばあちゃんも俺も、人間を許す気なんてねぇんだ。でも落とし所は必要だろ。だからそれを国を滅ぼしたりとか王を殺すことで納得するところを止められて?さ。これでもかなり譲歩してるんだよ。」
「……うん。」
「姉御が懇願するからっていうのは半分は建前だけど、そういう理由付けして飲み込むしかないってばあちゃんは折れてくれてんだよ。そこから更にって言うのは少なくとも今は無理だ。」
「そうだよね……ちょっとデリカシーなかった……。」
「それ自体は……まぁ……そうなんだけど、オレは姉御はそれでいいと思うぜ。姉御は人間なんだしさ、人間主観でいいんじゃないか?なんならもっと姉御は自分本意でいいんだよ。人間だからとか、そういうんじゃなくてさ。」
「そうだね……。」
そうだと言いつつも何もわかってないんだろうな、とグレンは思った。グレンが言った程度で修正されるものであればここまで拗らせてもいないだろう。
ルヴィナは平たく言えば『優しい』のだが、少し『献身的』『自己犠牲的』な傾向がある。
ルヴィナは素直でキレイなサフィーナが好きであった。サフィーナにはそのままで居てほしいと願っていた。だからこそサフィーナの為に、ルヴィナ本人にそのつもりはないが身を削ってでもサフィーナに尽くす様になっていた。
ルヴィナはサフィーナと自身を比較することが多かった。そしてキレイなサフィーナの事が好きであるが故に自身の汚さに気付いていた。
そのルヴィナの感じている汚さとは正しく『人間らしさ』なのだが、身内以外の人間と触れる機会がほとんどなく、無知で無垢なサフィーナと比較すればどうしてもルヴィナは『すれている』のは否めない。
「ルヴィナ。俺はルーンの誘いに乗っても乗らなくてもどちらでも構わない。だがフレアやゴウエンはどのみち来ないだろう。俺達と関わりがあると言っても両方とも長なんだ。暇ではないだろう。」
「うん……。」
アルスの言うことも尤もだ。
「わしももう行くぞ。アルス、明日またわしらの里へ来い。全員でな。」
「わかったが……何故だ?」
「人間共と仲良くやる気はないがお前さん達は別じゃ。少し話しておきたいこともあるしな。」
「そうか。わかった、明日だな。」
ゴウエンもアルス達に別れを告げ、帰っていった。
ルヴィナは少し俯いたまま考え事をしている。
「ルヴィナ。楽しいこと考えよ?おいしいものでも食べてさ?」
「うん……。」
「ルヴィナさん、わたしのおすすめの店があるんだ。そこへ行こう。グレンも、いいね?」
「あぁ?オレに拒否権はねーのかよ。」
「あぁ。ない。」
「オレはお前がフィアを助けるって息巻いて結局出来なかったこと、許しちゃいねぇからな。そこんとこ覚えとけ。」
「わかっている……それに関しては本当に申し訳ない。出来得る限りの償いをすると約束しよう。」
「償いなんてのは罪を犯した側を体よく許すための措置でしかねぇ。被害者にはなんのメリットもねぇんだよ。償われたってフィアは……。」
「……すまない……。」
空気が重たい。グレンの気持ちがルヴィナにも痛いほどわかるためルーンを庇おうという気持ちも余り起きなかった。
「あーー!!もう!!楽しいこと考えようって言ったじゃん!!言っっっったじゃん!!」
「うるせぇよ、アホ鳥。わーったよ。飯にしようぜ。ルーンが奢るんだよな?スラムのやつらへ手土産も買ってもらうぜ。」
一行はルーンが案内した店で食事をした。
その店は歓迎したが、他の多くの店ではうちには来ないでくれと言いたげな雰囲気を醸し出していた。それは当然ではある。
かたや人間ではない(龍鬼の)盗みの常習犯。かたや投獄されたはずの放火魔。そんなのが闊歩し、騎士すらもそれを捉えようともしない。はっきりと印象は悪いと言えた。
しかしルーンが案内した店だけは違った。
そのお陰でアルス達は後ろ暗い思いをしなくて済んだ。
「なぁグレン。グレン達が戦っているとき、止めを指す前に、騎士団長が呻きながら怯んだだろう。あれはなんだったんだ?俺達と戦っているときにはそんなことはなかったんだが。」
「あぁ、旦那には言ってなかったか……。騎士団長が取り込んだのはフィアの力だって言ってただろ。あれは未来を見る力だって騎士団長は言ってたがそうじゃねぇんだ。」
「と、いうと?」
「フィアの能力は未来を見る訳じゃなくて、過去と現在から、未来を予測するだけなんだ。あくまでも予測出来ることは現状起こり得る範囲の事だけだし、例えばフィアは旦那達がこの世界に来るなんて知りもしなかった。」
「ふむ……。」
「んでまぁ、そんな能力なもんだから脳にかかる負担っていうのはとんでもねぇわけよ。フィアも五分も使えばすぐにへばってた。それを戦いながらやるんだ。身体を改造してても限界はそんなに遠くなかったってだけだ。」
「なるほど……。」
アルス達はそんな話をしながら食事を済ませた。
ルーンはアルス達四人に対して宿も用意してくれていた。
アルス達が戦争を止めた功労者であることをほとんどの者は知らないが、ルーンが説明すればすぐに納得してくれた。
ルヴィナはルーンのそういうところがやはり気になって仕方がなかった。
だが、疲れていたのもあって一行はすぐに柔らかいベッドで深い眠りについた……。
……その晩。
王城。
城は静まり返り、誰もいない。─二人を除いて。
ここは城の中の一室。王の寝室。
「誰だ?ここを何処だと思っている。」
王が問う。
「ここは愚王の寝室。そして貴方の墓場だ。」
「その声……ソルか?」
「……。」
ソルと呼ばれた者が話を始める。
「暗愚なる王に昔話をしてあげよう。昔、この国の王は平民だった。そして人望、仁徳から皆に望まれて王として統治をしていた。その王は善政により長く賢王と称えたれ、国を繁栄に導いてきた。」
ソルは続ける。
「しかしその王は近年になって豹変したかのように、民から金をかき集め、軍事開発を促進していった。当初こそ民からの信も篤かった王だが、その様はもはや見る陰もなかった。」
「……それ故に、余を殺し簒奪者となるか?ソルよ。」
「簒奪者は貴方だろう……父上、いや兄上よ……!」
「気付いていたのか……。」
「賢王である父上を殺害し、王へと成り代わったお前によって苦しむ民草。それを冒険者として見てきた。もはや捨て置けん。」
「くくくっ……そしてソル、お前が王になる。そしてまた同じ未来を繰り返すか。」
「……。一つ言っておこう。わたしは既にソルという名前は捨てた。今は、過去の太陽の残光に照らされた月に過ぎない。ルーンと名乗っているがね。」
「さようなら、兄上。いつかわたしも堕ちる地獄で。……また会おう。」
断末魔が響き渡った後すぐに、辺りはまた静かになった。
聞こえるのは微かな吐息と衣擦れの音だけ。
聞こえるのは静寂だけ。
王の訃報が知らされたのはアルス一行が次の世界へ向かった後の事であった。
朝になって、まともなベッドで寝たのは久しぶりであったことをルヴィナは思い出した。潜水艦であったり野宿であったり、ここのところそういったところで寝ていることが多かった。
しばらくして、アルスがゴウエンのもとへと向かうということで一行は里を目指した。
歩くには遠い距離ではあるが、前とは異なり急がなくてもよいので気分は幾ばくか楽だった。
「おう、待っとったぞ。アルス。」
アルスが到着するとそこにはグレンもいた。
「話しておきたいことってなんなんだ?」
「まぁとりあえず座れや。……それで、わしから言うことが一つとグレン坊から一つある。」
「まずわしから話そう。わしの娘、そんでフレアの息子……グレン坊の両親じゃ。その二人はサテライトじゃった。」
「サテライト……?それはなんなんだ?」
「ある人間によって改造された『人工的に造られた悪魔』。その名称じゃよ。」
「人造悪魔……。」
「そう。その8番目と9番目がその二人じゃ。サテライトは全部で12人おる。」
「それを……どうしてわざわざ……?」
「……。」
ゴウエンはチラッと誰かの方を見やったが、ルヴィナには誰を見たのか確認できなかった。
「お主らはまた異世界を旅するんじゃろ?そうしたら残りのサテライトとも出逢って敵対することになるやもしれんと思ってな。サテライトは異世界をも股にかける存在なのでな。」
「……それがサテライトであるかどうかで何か変わるのか?」
「いや、なにも変わらん。じゃが知っておいて悪いことはない。今後のためにな。」
「……? 言っている意味はわからないが、まぁわかった。気に留めておく。」
「それで、グレンは何なんだ?」
「旦那、姉御。あんた達の旅にオレも連れてってくれよ。足は引っ張らねぇ。戦力は多いに越したことはないだろ?」
「……俺は歓迎するが……。」
アルスがルヴィナと薫風の方を見た。それに合わせてルヴィナも薫風も無言で頷いた。
グレンの人柄も戦力としても知っているのだから断る理由は無かった。
「着いて来てくれるなら俺達も助かる。……が、スラムの子供達はいいのか?グレンが面倒を見てたんだろう?」
「ん……?あぁ、いいんだ。ルーンのやつが大体何とかしてくれる。そういう約束してるからな。ただ人間ばかりじゃないからその辺はじいちゃんやばあちゃんに頼むかもしれないって言ってたけど。」
「そうか。ならいいんだが。」
そうしてグレンが同行することが決まり、一行の戦力は大きく上昇した。
しばらく雑談をした後、里を出ようとした所で、ネムレスが待っていた。
ネムレスの前肢は何故か血塗れであった。それもあまり乾いていない。
「なんだぁ?このネコ……いや、ネコじゃねぇな……なんだこいつ……。」
グレンは槍を構えていた。
「待てグレン!こいつはネムレス。俺達の旅仲間だ。」
「仲間?こいつが?ふーん……。」
グレンは怪訝そうにネムレスをじろじろと見ていたが、アルスの言うことを信じることにしたようだった。
「この世界も楽しんだろう?次にいくよ。アルス、ルヴィナさん。」
「あっ待って、ネムレス。もう少しだけ待ってほしいんだ。」
「また?あんまり時間無いんだけどなぁ。」
「うん、ごめんね。皆、悪いけどフレア様に挨拶してから行きたいから龍の宮まで向かうね。」
ルヴィナの話を受けてネムレスはまた闇の中へと引っ込んでいった。
「あぁ、だったら、ついでに龍社参りしていこうぜ。」
「龍社参り?それはなに?」
「歴代の龍の長達を祀ってる社があるんだよ。そこで安全祈願とかをするんだ。」
「へぇ……そうなんだ。」
「まぁそんな時間がかかるもんでもねぇ。近くに行くんなら寄ってこうぜ。」
龍の宮までたどり着き、ルヴィナはフレアに面談を申し込んだ。
ルヴィナの望みでフレアと一対一での対話をすることになった。
「フレア様。先日は過ぎた口を利き申し訳ございませんでした。」
「構わん。妾はそんな些細なことを気にするほど矮小な器を持ち合わせてはおらんからの。ルヴィナの言うことも妾とて立場が違えば同じことを思ったかもしれん。」
「寛大なお言葉、感謝します。私達は今日、出立いたします。フレア様と出逢い、様々なことをして頂きましたが、なにも報いることも出来ず申し訳ありません。」
「その気持ちがあれば問題ない。でもルヴィナ、一つ言っておこう。」
「はい、なんでしょうか。」
「謙遜と卑下は違う。ルヴィナのはまだ謙遜と見えるが大分危ういラインだ。もう少し自分に素直になった方がいいよ。」
「……ありがとうございます。それでは仲間が待っていますので、そろそろお暇します。」
「グレンのこと、頼んだよ。」
ルヴィナは頭を深く下げ、家を出た。
フレアにはルヴィナはすごく世話になった。禁術を使ったルヴィナを治したことも、土の魔力の存在に気付かせたこともフレアであったし、フレアは結局王を殺さずに、ルヴィナを汲んでくれた。
フレアは間違いなく恐ろしく、そしてとても強いのだが今のルヴィナはそれ以上にフレアのことを尊敬していた。
「おかえり!ルヴィナ!」
「ただいま、カオル。」
「あっちの方に龍社があるから皆そこで待ってるよ!」
「カオルは待っててくれたんだね。ありがとう。」
「どういたしまして!」
カオルに案内してもらい、社まで来た。
龍の長を祀っているというだけあり、とても大きかった。
そこでアルスやグレンも待っていた。
「姉御!ばあちゃんは何か言ってたか?」
「ううん、特に何も。昨日のことも許してくれたみたい。グレンくんをよろしくって言ってはいたけど。」
「そっか。オレもばあちゃんに挨拶してくるからその間に参拝を済ませといてくれ。」
「わかった。」
そうしてルヴィナは今後の安全を願った。
それが終わったタイミングで薫風が話しかけてくる。アルスもその傍らで話を聞いていた。
「ルヴィナは何を願ったの?」
「これからの旅の安全だよ。」
「そっかぁ……。」
「……? どうかした?」
「……あのさ。こんなことを言うのは不謹慎、なのかもしれないんだけど、ボクはこの旅が、このルヴィナとアルスとネコ助との旅が楽しくてさ……。ずっと続いたらいいのになって……思うんだ。」
「カオル……。」
「あっ! 勿論、それを龍社で願ったりはしてないよ!? でもさでもさ?この旅が終わったら、ボク達また離れ離れになっちゃうんだよね……?」
「そうだね……離れ離れにはなるだろうね。」
ルヴィナがそう言うと薫風は目に見えて悲しげな表情を浮かべた。
「あっ! じゃあさ! この旅が終わったらアルスとかルヴィナとか、皆で戦いのない自由な旅をしようよ!アルスとかルヴィナとかの故郷も見てみたいよ!」
この旅が終わったら。
この旅が終わったら、ルヴィナはアルスを捕らえ、アルスは罪人として牢屋で暮らす。薫風の望みは叶わないだろう。
ルヴィナは答に詰まった。安易に賛同し後々反故にすることも、理由を説明もせず断ることも、どちらを選んでも薫風が可哀想と思った。
「……そうね。それもいいかも。」
「だよね!名案だよね!約束だから!!」
「うん。約束。」
アルスは黙って聞いていた。ルヴィナは嘘の約束をしたのだろうか?それとも自由な旅をした後にアルスを捕らえようと考えているのだろうか?
アルスにはそのルヴィナの言葉の真意はわからないが、ルヴィナがアルスを見逃すつもりはないことだけはわかっていた。
そこから薫風は明るく楽しそうに話を続けていた。
しばらくして、グレンが帰ってきた。
「待たせたな、旦那、姉御。」
「……ボクは!?ボクも待ってたよ!!」
「あーはいはい。それで、どうやって異世界に行くんだ? ネムレス(?)が案内してくれるって聞いたが?」
「呼んだ?」
ネムレスが気付けばグレンの背後に立っていた。
いつからそこにいたのか誰も気付かなかった。
「うわっ!? びっくりした……脅かすなよ。」
「脅かしてないよ。アルス、ルヴィナさんそろそろ向かってもいいかな?」
「あっ待ってくれ、ネムレスとやら。オレはグレン。オレも着いていかせてもらうことにしたんだ。」
「知ってるよ。よろしくね。」
「……あぁ、よろしくな。」
「その前にネムレス。お前、その前肢はなんだ。俺達が前の世界で会った時にはそんな血は付いてなかった筈だ。」
「あぁこれ? 少し前に小うるさいネズミを狩っていただけさ。心配しなくても僕の血じゃないよ。」
「俺はお前の心配なんてしていない。」
心配よりも疑念が勝る。
ことネムレスにおいては負傷するという想像さえつかない。
「さて、それじゃあ新しい世界へと向かおうか。多分次で最後になるよ。」
「最後……か。長い……旅だったな。」
「何じじ臭いこと言ってるのさ!ボク達の旅は続くんだよ!」
「そうだな……。」
「明るい未来のために頑張ろー!」
そうして一行は新しい世界へと向かっていった。
しかし、思っていない事態がルヴィナに襲いかかった。




