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いずれルビーかサファイアか  作者: いつき
第四章 降り止まない雨はないけれど
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四章 総まとめ

 新たな世界に来た四人は、薫風の魔技でこの世界にひとつ街があることを知りそこへ向かいます。この世界に来た瞬間からルヴィナは強い違和感を覚えます。

 違和感というのも誰かからの呼び声のような、助けを求めるSOSのような何かでしたが、明確な言葉でもなく音ですらもないものであったので気のせいと思うことにしました。

 街には人間はおらず、そこに住んでいたのは魚人(うおんちゅ)と呼ばれる種族でした。


 そこに住む魚人(うおんちゅ)は人間という種族を恐れいるため、街を訪れたアルス達に向けられた視線はとても冷たいものでした。

 誰とも会話もないまま街を出ようとした一行にガディッドという一人の魚人(うおんちゅ)が話しかけてきました。


ガディッドによれば、この世界は雨が降らなくなってしまい本来海底にあった魚人(うおんちゅ)達の街が地表になるほどに干上がってしまったことがわかりました。

 その話を受けて、薫風のいた世界で風がなくなったことと似ていると判断したアルス達は、ガディッドに風神に似た存在がこの世界にいないかと問うと、レヴィアタンと呼ばれる生物がそれに当たるのではないかという事だけ聞き出せはしました。

 しかしレヴィアタンは魚人(うおんちゅ)にも恐れられるほどであり、ましてや会うためには魚人(うおんちゅ)の住んでいる街よりもさらに深い海に向かわなければならないということがわかりました。


 あまり歓迎されてない雰囲気が漂い続ける街を離れ、どうするか悩んでいると薫風が遠くになにかを発見します。

 そこには謎の大きなカプセルのようなものが置いてありした。


 そのカプセルの中には人が住んでいた形跡が見られた。そうやってそのカプセルを調べていると、見知らぬ少女から怒声が飛んできました。


 少女になにをしているのかと問われ、不審者扱いを受けた一行だが自分達が異世界から来た存在であることと、この世界の問題を解決するために来たことを伝え、レヴィアタンの所へ向かうための潜水艦を必要としていることを相談した。

 誰か潜水艦を持っている人間を知らないかと問いましたが、アルス一行が今立っている地が元々海底なので、人間が住んでいるところははるか上にあり、帰る方法がわからないという事実をつけつけられます。

 しかし少女はこの問題への解決法を持っていました。


 アルス達が見つけたカプセルはスティングレイと名付けられた少女お手製の水陸両用潜水艦。カプセルに脚が生えて海底を駆け回ったり強い光を発するライトは光の届かない深海でもよく見えるとても優れた機械でした。


 少女と仲良くなり、利害も一致したことから、力を貸して貰えることになった一行は深海へと進みます。

 そしてその深海の奥深くに、神殿のようなものを見付けました。


 そこは何故かぼんやりと光っており、またその辺り一帯には十分な量の空気と酸素が存在しました。

 はっきりと異常と判断し少女を置いて、その神殿を進みます。


 そこでは一人の人間が待ち構えていました。パーカーを目深にかぶり、顔はよく見えませんが背格好や声の高さから女性、あるいは少年だということは窺えます。そして何よりアルスに似た剣を持っていることがアルスにとって印象的でした。

 その人物は一行をレヴィアタンに会わせたくない様子であり、神殿の周りに水がないこともその人物がやっている事もわかり、恐らく雨が降らないというこの世界の問題の原因もこの人物にあるのでしょう。


 通ろうとしても通してくれない相手は、力付くでこちらを止めようとしてくるので交渉空しく戦いになってしまいました。

 しかしそこでひとつ異様な光景を目にします。ネムレスより魔技の話を聞いた際、魔技は一人につき1つの属性でありたまに例外的に2つ持っていることもあるけれどそれ以上はない、と言っていたにも関わらず相手は岩を出したり風を使ったり、炎や雷なども使いこなしとても1つの属性とは言えない魔技を巧みに操り一行を追いやろうとします。


 事実として一行は相手を倒すことはできず、逆におおよそ敗けであった戦いでした。それでも相手はあくまでもアルス達にとどめをさすつもりはないようで、撤退を促してきます。


 しかしアルス達も退くに退けません。何故ならこの戦いから退いた所で事態はなにも解決に向かわないことがわかっているからです。

 相手は剣を抜いてすらいませんが攻撃は全て阻まれてしまいます。不意を衝いたつもりでも見えてない攻撃にも反応してきたりするため一向に好転しません。

 今まで強敵と戦ってきていた一行ですが、今までのどの敵よりも強力であるように感じました。相手に殺意があったならば二手、三手で一人はやられていたぐらいの力量差がありました。


それがわかっていても、引き下がらない一行に根負けしたのか、相手は最後に一つの攻撃を行い、それを処理できたら敗けでいいとして一行の周囲に大火を放ち闇へと消え去っていきました。

 迫る火の手を前にどうするかと困窮するルヴィナに、薫風は魔術を使うようにと頼みます。

 魔技に少しの詠唱を加えることで強力なものへと変貌させる。それが魔術。


 ルヴィナとしては何がなんだかわからないけれど、それをしなければならないという事だけは理解できたので、薫風のアドバイスに従い魔術を使いました。

 しかし思ったよりも威力が高く、制御しきれなかったため仲間を巻き込むほどの大渦となってしまいました。

 薫風がすんでのところで暴風による壁を作り出し難を逃れましたが、それがなければ一行は海の藻屑となっていたことでしょう。


 それとは別の問題として神殿の奥深くへ水が流れ込み、その後少ししてすぐに神殿の奥から水が迫ってきました。ルヴィナが出した水の比ではない程多くの水から逃げるようにして、一行はスティングレイの元へと戻り海上へと浮上しました。


 海面に浮上するとどしゃ降りの雨がスティングレイの装甲を叩きます。

 世界に雨が戻ったのです。

それで全て解決。


 魚人(うおんちゅ)の中の一人であるガディッドが、スティングレイに寄ってきてアルス一行を宴へと誘います。アルス達が雨を取り戻したことをわかったのでしょう。そのお礼も兼ねているようです。


少女を含めたアルス一行と魚人(うおんちゅ)は宴を経て、とても仲良くなりました。

 宴を終えて朝になり昼になり夜になる。そして一日が経って二日が経って……それでも雨は振り止みませんでした。


 本来のあるべき形へと戻ろうとしているのでしょう。干上がった水嵩は雨によってどんどんと増していきます。

 それでも即日復旧ともいかないので、考えた結果薫風に少女の知人へと遣いに行って貰うことにしました。それで食料などを工面して貰う算段です。


 少女から預かった手紙もあり、すんなりと少女の仲間の海賊達へ話が通り、食料や衣服を用意して貰うことができました。海賊の中の一人白波と薫風は性格が合うようでそういう点でも交渉には困りませんでした。


 数日が経って少女と再会を果たした白波は大変喜びアルス達に深い感謝を告げます。


 それから数日経ったが雨は一向に止まず、ネムレスもいつまで経っても迎えに来ません。

 ルヴィナはルヴィナがこの世界に来たときから感じていた違和感も拭えないでいました。


 どうしてもその違和感が気になって仕方ないルヴィナは一人でこっそりとスティングレイに乗り込み、深海へと突き進みます。


 深海でルヴィナは感じていたものがルヴィナを呼ぶ声であることを確信しました。そして呼び声のする方へと向かうと一匹の大海蛇を目撃しました。

 声の主はその大海蛇に相違ありません。その大海蛇こそかのレヴィアタンでございます。


 レヴィアタンは視界にスティングレイを捕捉すると、猛スピードで襲ってくるものですから、ルヴィナは一目散に撤退をいたします。

 襲い来るレヴィアタンから逃げ、海面まで辿り着き次第スティングレイを降りてスティングレイから離れた位置で相対することになりました。


 しかしルヴィナには考えがあるのか一向に相手に傷を合わせるような技を出す気配がありません。矢は射っていますがその矢は攻撃ではありませんでした。

 相手に自分の意思を伝える魔技。それを用いてレヴィアタンに訴えかけ続けました。


 声の届かない相手に訴えかける。それは無駄にも無謀にも思えました。途中レヴィアタンからの攻撃を避けきれず直撃し、大きなダメージを負うことも。

 戦っている途中、ニコルやアルス達が助けに来たこともあり、ついにはレヴィアタンを静めることに成功したのでした。


 そしてレヴィアタンの叫びから、レヴィアタンの抱える孤独などを聞いていたルヴィナは、その感情を受け可哀想に思いレヴィアタンと魚人(うおんちゅ)、そして人間が仲良くできるように協力することにしました。

 それからしばらくして白波や魚人(うおんちゅ)達が集まり、これから仲良くしていく協定を結ぶことと相成ったのです。


 協定を結び終え、宴を挟んで朝になりました。協定の最中に迎えに来ていたネムレスに連れられて、別れを告げた一行は新たな世界へと旅立ちました。




登場人物紹介

①仲間キャラ達


アルス・スミス

・鍛冶屋の息子で魔技を抜きにした剣術においてはアルス達のいた世界で1、2を争うレベルではあるが、魔技においては初心者で発展途上である。

・魔技の属性は炎。炎の色は紫だが別にセシウム等が含まれているわけではない。

・イケメンだがそれがストーリーに影響はしない。

・紅茶よりコーヒー派。砂糖なし牛乳あり。紅茶も飲まなくはない。


使用魔技

閃変万火(せんぺんばんか)』『業火剣乱(ごうかけんらん)



命名ルールは四字熟語と同音であること。



ニコル

・外見は至って普通の猫であり、会話も基本的にはできない。アルスのみ持っている指輪の効果で対話が出来る。

・魔技の属性は雷。魔技に慣れていて魔技使いとしてはかなり強いが逆に魔技なしでは戦闘能力がない。

・蓄電体質で電撃の類いを吸収する。

・本作の主人公……?

・コーヒーも紅茶も飲ませてもらえない。


使用魔技

(そう)』『(せん)』『(はつ)』『(びょう)』『(サイン)



命名ルールは漢字一文字の音読みであること。


ルヴィナ・セルディアス

・弓使いで百発百中の腕を持つが魔技使いとしては初心者。

・使用武器は特殊な弓矢でルヴィナが身に付けている腕輪から生成され矢を消費しない。また、腕輪に登録された形状に変形させることができ、剣、小盾、弓矢の三種類が登録されている。

・剣の腕は上の下ぐらい。

・美人だがそれがストーリーに影響はしない。

・コーヒーより紅茶派。紅茶の種類は問わずなんでも飲む。コーヒーも飲まなくはない。


使用魔技

泡沫(バブル)』『流転(ダイバージョン)』『螺旋(へリックス)』『(インダクション)

新規習得

伝達(リレイ)』自分の思いを矢に乗せて矢を当てた相手に自分の思いを発信する魔技。この矢にダメージはない。

魔術『流転(ダイバージョン)流転(ダイバージョン)に詠唱を加えて強化したもの。流転(ダイバージョン)は受け流し魔技であったが、その回転に大きな水の流れを乗せて大渦とする魔術。


命名ルールは漢字二文字にカタカナルビであること。



薫風

・風の魔技を使うフェザードの少年。翼に腕がついてるタイプの鳥人。

・属性の都合で補助、支援が主な役割。

・アルスとルヴィナがあまり喋らないので賑やかし兼ボケ担当として頑張らないといけないと思っている。

・支援型のフェザードの中ではかなり強い。

・なにか秘密があるらしい。

・コーヒー派か紅茶派かでいえば、いちごオレ派


使用魔技

一陣の戦斧(トマホーク)』『狙撃の突風(スナイプガスト)

新規習得

雁渡の受渡(カナリーキャリー)』言葉を風に乗せて運ぶ魔技。密封空間でなければ、空いてる窓が逆向きであっても言葉を届けられる。(名前はともかく)フェザード達は全員覚えている魔技である。名前は金糸雀(カナリー)

風向の循環(ウィンドミル)』風を使った広範囲の調査。風のぶつかり具合から障害物などを探るもの。超音波と似た原理。名前は(ウィンド)(ミル)鶏。

慈愛の烈風(ナイチンゲイル)』薫風の周りに強い風を吹かせて薫風を守る魔技。本編では魔術にして使って守れる範囲を広げていた。名前は小夜鳴き鳥(ナイチンゲール)

電光の一矢(スパーキングアロゥ)』ニコルを風の魔技で蹴飛ばし電撃を纏った高速の矢として相手に撃ち込むニコルとの合体魔技。対単体における威力、速度、コストの少なさでは最高クラスに優秀だがニコルが薫風から飛ぶ瞬間に電気を使うので薫風にも少しダメージが入り、飛んでいくニコルにもダメージが入る捨て身技。名前は(スパロー)

隠牙の凰鳳(いんがおうほう)』炎を纏った巨大な鳥の形をした斬撃を飛び回らせるアルスとの合体魔技。かなり魔力消費が大きい代わりに斬撃を操作しながらでも他のことをできる等利点も大きい。名前は鳳凰。技名自体は読みの順なので逆である。



サフィーナ・セルディアス

・故人。

・ルヴィナの双子の姉でアルスに殺害された。

・本作のメインヒロイン……?

・紅茶派。キャラメルミルクティーが好き。コーヒーは飲めない。


②この章に登場した主要キャラ

ガディッド

魚人(うおんちゅ)の一人。コーラルーラルを訪れたアルス達に話しかけてきた唯一の存在。気さくな性格だが臆病でもある。


少女

・名前を与えてもらえなかった海賊の少女。こんなに大事なキャラになる予定がなかった。小波とか澪とか考えてはいたけれどタイミングを逃した。スティングレイの運転手兼スティングレイの開発者。ルヴィナやレヴィアタンととても仲良くなった。


白波

・少女をお嬢と呼ぶ海賊の頭。仲間思いで薫風ととても仲良くなった。


③倒した敵キャラ

謎の人物

・色々な属性の魔技を使う謎の人物。アルスの持っているものと似た剣を持つ。実力的に歯が立たず倒したとは言えない。最終的にネムレスが使っている異世界へ移る魔技を使って闇へと消えた。目的も名前も性別も不明。

敵の中で一番、謎が多い。


レヴィアタン

・大海蛇というか蛟というかよくわからない海竜のようなもの。この世界に来た当初は封印されていたがルヴィナが起こしたため暴れることになった。居なければ雨が降らず、居たら大雨が降り止まないので、ルヴィナが起こしたこと自体が必ず悪かったわけではない。根は大人しく優しいが外見と持っている影響力から畏怖の対象ですらあった。

敵の中で一番、戦いが嫌い。


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