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レイドバトル

なかなか仕事で時間が取れず投稿が遅れております。

ログインしてからポータルを調べると移動先の項目にレイドバトルと出ている。

隣のヨイチもポータルを操作しているようだ。

ヨイチが転送され、それを追うようにして俺もレイドバトルへの転送を開始した。



転送されるとそこは中世の合戦場のようなところに居た。

周りを見回すと既にヨイチとアカリがこちらを見つけて手を振っていた。


「あ、来た来た」

「もうイベントは始まってるのか?」

「開戦の合図があるはずッスよ。そしたら敵が雪崩れ込んでくるって噂ッス」

「いやーもう楽しみで楽しみで仕方ないわ。付き合ってくれて本当にありがとう」

「こっちもイベントは初めてだからアカリみたいな味方が居れば気楽だよ」

「前衛2人に後衛1人でパーティバランスもばっちりッス」


そんな話をしていると画面にポップアップでカウントダウンがされる。


「あ、始まるみたい。周りの連中もやる気満々ね」


他のパーティ参加者も武器を構えている。


「なら、俺も変身しないとな!」


『オーバー・ザ・ヒーロー!』


フィルムを構える間にカウントは0になる。

突如、戦場に響き渡る地響きの中でアカリが聞いてくる。


「ねえエイジ、決めセリフとかないの?変身ヒーローっていったらやっぱり決めセリフでしょ」


俺としたことが、そいつは盲点だった。


「そうだなあ、ならここで決めるか」


フィルムをセットし、腕を前に突き出すと映画フィルムが周りに現れ飛び込む。

土煙を上げながら迫る軍勢を前に変身を終えた俺は、右腕の人差し指を前に向けながら考えたセリフを口に出す。


「役者は揃った。敵役はお前らだ!」


目の前に迫った鎧を着た兵士の軍勢に向かって駆けだす。

後ろからヨイチ撃った矢が追い抜いていき敵の頭を打ちぬき、倒れた敵の後ろの敵を俺は殴って吹っ飛ばし、俺の横から来る敵をアカリが斬り伏せる。

HPが無くなった敵は通常のフィールドと同じように死体は残らず消滅していくようだ。

周りでも爆発音、鉄の打ち合う音、鈍い打撃音と同時に敵が吹っ飛んでいく。


「周りも派手だなこりゃあ!」

「いいわいいわ!戦はこうでなくちゃ!」

「射っても射っても湧いてくるッス!五月雨の矢!」


複数の矢が敵の集団を射抜いてゆくがHPは完全に減ることは無い。


「私も見せ場作んなきゃね!」


HPの減った敵に向かってアカリが突っ込んでいく。


扇一閃おうぎいっせん


刀を横に一閃すると扇状に大きく広がる斬撃が半端に減ったHPを複数削り切る。


放一閃はなちいっせん


前方の敵が消滅すると同時に前方の離れた敵に対して斬撃の衝撃破を飛ばし、複数の敵を吹き飛ばす。

俺はというと、複数の敵を攻撃する手段が無いのでアカリを抜けてヨイチに向かっている敵を1体ずつ倒している。

英雄の一撃は1つのカートリッジで1戦闘に一度きり。

さすがにこの場面で使うのはもったいないと感じて温存している。

1体1であれば負ける事はないので、囲まれてどうしようもない状況だけは避けて行動する。

俺が複数の敵に囲まれてかけるとヨイチが援護射撃をしてくれ、その隙に俺が回し蹴りをした。


「頼りにしてるぜヨイチぃ!」

「ラブコールより敵殴れヒーロー!」


アカリの方を見ると、向かってくる剣を切り払ったと思ったら次の瞬間にはその敵を斬り伏せている。

あれはほっといてもなんとかなりそうだな。

それは置いておいてもとんでもなく笑顔だった。

敵を斬り伏せながらのあの笑顔は完全に悪魔。

怒らせるのはやめようと心に誓う。

そんな事を考えていると近くで俺たちのパーティのものではない衝撃音がした。


「よお!邪魔すんぞオイ!」


話しかけてきた大柄な男は手に持った大剣で敵を吹き飛ばすと、HPが最大まであった敵が複数消滅した。


「あっ!この人この前のランカーの人ッスよ!」


どこかで見たことある気がしたがそれは気のせいではなく、このゲームを初めてプレイした日に見たエキシビジョンマッチで戦っていた男だった。


「負け試合を見られちまったのは照れくせえが、ガイだ!よろしく頼むぜ!オラぁ!」


剣先を敵に向けるように大剣を構え、敵の固まっている場所に突進する。

敵の中心地まで辿り着くまでに複数のHPゲージがまた完全に減り、敵が消滅する。

その減った部分を埋めるかのように敵がガイに向かっていく。

だが、その包囲をものともせずにガイは中心地から高く天に跳んだ。


「纏めて逝っちまえやオイ!メテオストライク!」


剣先を地面に向け、巨体ごと跳んだ地点に加速し落下していった。

地面にぶつかったと思えばその中心から広範囲を衝撃波が包み、地面ごと敵を吹き飛ばしつつ消滅させていく。

呆気に取られていると横から声がする。


「派手にやってるな兄貴は。あ、どうも弟です」

「「あ、これはご丁寧にどうも(ッス)」」


ガイの弟は長槍を構えて会話する間にも敵を突き、薙ぎ倒していっている。


「あーっ!あたしの獲物ぉ!」


近くで戦っていたアカリが頭を抱えていた。

大量に敵が減ったことで大群もまばらになっている。


「ってことはそろそろ大将があらわれるかもッスね」

「ボスのお出ましか?」

「大将首!?狩る!私が狩る!」

「おっと俺も狙ってんだ!競争だぜオイ!」


ガイが戻ってきて笑いながら言う。

ランカーも狙ってるとなるとたしかに厳しいかもしれない。

そんな事を考えていると戦場に変化が訪れる。

戦場の奥から明らかに他と姿が違う西洋鎧姿の敵が歩いてきた。

手には盾と派手な装飾をされた剣を持っているようだ。


「あれが大将か?」

「そうみたいッス」

「やっちゃう?やっちゃう?」


相談している間にガイとその弟が飛び出していく。


「言っただろオイ!競争だってなぁ!」

「兄貴に続いて失礼します」


出遅れた!


「俺たちも行くぞ!」

「オッケー!」

「了解ッス!」


だが、両方のパーティは大将と距離があるので接敵までには少しの時間がかかりそうだった。

向かいながらも近くに居たらしい他のパーティが大将に向かって攻撃を仕掛けていく。

その時、大将の兜から見覚えのある赤い稲妻が漏れ出ているのを俺は見た。


アカリちゃんは戦闘狂じみてきました。

次回、変身ヒーローのお約束がまた出てきます。

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