レイドへの誘い
クリスマスまで仕事が忙しく更新が遅れます。
コロシアムの出来事の次の日、帰りのHRを終えた俺とヨイチはゲーセンに向かっている。
ペットボトルの水に口を付けたところでヨイチが聞いてくる。
「そういえば昨日の新しいカートリッジはどこで手に入れたんス?」
「んぐっ!?ゲホッゲホッ!」
「大丈夫ッス?」
「あ、あぁオーケー問題ない大丈夫俺は正常です」
「とてもそうは見えない」
なんとか誤魔化せたようだ。
「で、どこで手に入れたんッス」
駄目でした。
「あー……アクトスキルを強化したときに手に入れた」
「ってことは今後も増えるかもッスね。昨日のスピードの強化をするってだけでも大分使い勝手良さそうッス」
「あれがなければ一発入れることもきつかったな。降参されたとはいえあれは完全に負けだったよ」
「まだ何か隠し持ってるみたいだったッスね。あの燃える剣とかはユニークウエポンだろうけど」
「ユニークウエポン?」
「説明がまだだったッスね。一つしかない特殊な武器で覚えられるスキルが増えるッス。エイジのアクトスキルに近いッスよ」
「ってことは昨日のあの燃える剣は結構珍しい武器なんだな」
「しかもアクトスキルも別で使えるあたり厄介ッス」
「昨日の英雄の一撃が防がれたのはほんと困った。もっと対人目線でも強くならねえと」
「だったら丁度いいイベントが......」
ヨイチがそう言いながらエレベーターを降りると聞き覚えのある声がした。
「あ、待ってたわよ!ヒーロー君とそのお友達!」
「ん?あ、昨日の子ッス」
入口付近のベンチでサイドテールを揺らしながらアカリが俺たちを手招きしている。
「自己紹介が半端だったわね。私は龍宮アカリ。アカリでいいわよ」
「俺は源ヨイチッス。後でフレンド登録いいッスか?」
「いいわよー。ヒーロー君の名前は?」
「俺は赤羽エイジ。改めてよろしく。あとヒーロー君は照れくさいからエイジでいいよ」
「俺もヨイチでいいッス!」
「じゃあアタシもアカリで」
「ところでなにか用事があるんじゃないのか?」
「そうだったそうだった!イベントミッションに一緒に行かない?」
「イベントミッション?」
「俺もエイジに伝えようとしてたッスよ。複数パーティによる大人数のレイドバトルで、今回の相手は人型の軍隊との戦闘、拠点防衛ッス。分かりやすく言えば合戦ッスね」
「そうなのよー!今回のレイドって戦国時代みたいでとてもとてもやりたかったの」
そういうとアカリが指を指した先にはポップが置かれており、それを見ていた人もパーティに誘われていたりと注目イベントのようだった。
「あのポップの感じだと、どちらかと言えば中世の戦争って感じだろうけどな」
「それはそれこれはこれ!だけどパーティを組まないと参加も出来ないからお願いしに来たってわけ」
アカリは両手を合わせた。
「お願いお願い!」
「聞いてたらワクワクしてきたな。俺は行きたいんだがヨイチも大丈夫か?」
「元々誘うつもりだったから大丈夫ッス!むしろパーティメンバーが増えて大歓迎!」
「やった!なら、ナビさんのところで申し込みしてくるね!いっくさ♪いっくさ♪」
物騒な単語を口ずさみながらアカリはナビゲーションセンターの方に向かった。
「レイドイベントはパーティ登録がいるんッスよ。回を分けて参加人数が決まってて、合う時間でパーティを組んで行く流れッス」
「それで一斉に始めるわけか。なるほどな」
「今回の勝利条件は、拠点防衛をして一定時間後に現れる相手の大将を倒すとクリアッス。大将を直接倒したチームはボーナス報酬もあるッス」
「まあ、今回は初心者も参加しやすいイベントだから称号報酬みたいだけどね」
アカリがナビゲーションセンターから帰りながら補足する。
「お、帰ってきたか」
「お疲れッス」
「いえいえ。次の会で登録できたから準備ができたらすぐにアクタークレイドルまで行きましょ」
「いつものところでいいのか?」
「いつもの場所で大丈夫ッス。イベントエリアへはフィールドの全てのポータルから飛べるからそのまま行くッスよ」
「転送されたらパーティで固まって、開始まで待機する形ね」
「なら早速アクタークレイドルに行くか」
「ッス」
「いっくさ!いっくさ!」
三人でアクタークレイドルまで向かい、ターミナルで準備を整えた後にアクタークレイドルでログインをした。
次回、レイドバトルです。
時間帯に分けてって部分の補足
12:00~13:00
14:00~15:00
のような形で参加時間を選べるイメージです。
なので予約制と考えてもらうのが適切でしょうか。
20:00~の時間があれば社会人でもできるってところが重要。