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Overture

初投稿になります

よろしくお願いします

とある高等学校

まだ授業中のはずだが、5階建ての校舎屋上には2人の男子生徒の姿があった


しかしその様子は思春期にありがちな単なるサボりではなさそうだ




「早く死ねよ〜 ほら!もう遺書まで準備したんだからあとはそこから落ちるだけだろ?一歩踏み出せ勇気を出して!ほらほら!」

180cmの長身にこれぞ細マッチョだと言わんばかりの快活体系、美形かつ精悍な顔つきからは考えられないような言葉を発する彼の名は桂木カツラギ 隼人ハヤト

1年かけて1人の男をいじめ抜き、そして今日自殺に追い込もうとしている

もちろん自殺によってイジメがバレて自分が社会的に死ぬようなバカはしない


イジメ自体も絶対に証拠が残らないように、そしてこちらの指示通りの遺書も準備させた

この自殺は学業についての悩みの末と明記させ、最後の一文には『相談に乗ってもらった隼人くんには申し訳ない君だけが僕の親友だった』と入れた

別にこいつが嫌いなわけではない。ただやってみたかっただけ、俺は人1人の生き死にを自由にできるんだと俺は他の人間よりもすごいんだと自分自身に証明したかっただけ

そんな傲慢な考えの元、彼は1年間1人の人間をいじめ抜いた

そして今も桂木隼人は自分は特別な存在なんだと自惚れを深めていた


「おい!いつまで待たせんだよ!押してやろうか?早くしろよ授業が終わったら皆来ちまうだろうが」


「ハァ...わかったよ...しょうがないな」自分がこれから死ぬというのにどこか他人事な彼は田島タジマ レン167cmに病的に青白い肌、もやしのヒゲのように細い身体、だらしなく伸びた髪は両目上半分を覆い垂れ、完全に諦めた顔をしている

今彼にあるのは死への恐怖ではなくただ高所への恐怖だけである

しかしその恐怖心にもとうとう折り合いをつける

目を全力で閉じ

「桂木くん!これで満足なんだろ!」


バッ


立ち幅跳びのように両足で踏み切った


______________________________

✳︎田島蓮視点になります




おかしい

全く衝撃が来ない、死ぬ直前は全てがスローモーションに感じるというが高速で落ちている感覚はある、もうかれこれ5分ほど落ち続けている


おそるおそる目を開けようとするができない

というか体を指一本全く動かせない


どうしようもない不安があったが時間が経つとそれさえも薄れ冷静になってくる

体感で15分もすると明日発売の週刊漫画雑誌のことを考えたりと余裕が出てきた


「グッ!?」ふいに腹部に激痛が走る

まるで大きめの針で刺されたかのような鋭い痛み

しかしその痛みもすぐに薄れなくなった




体感で2時間ほど経った頃、軽い衝撃のあと誰かに肩を叩かれた

体が動く

おそるおそる目を開けると見るからに絢爛豪華な部屋に20人ほどの人がいた

そして明らかに一番地位のありそうな男性が声を発する


「それで、どちらの方が勇者様じゃ?」


どちら?視線の先に目をやると

「なんだここは?」桂木隼人がいた




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