第四章 第4話「燃えはじめた殺意」
「さっ着いたわよ!」
俺たち5人は聖域ウルファリオンの目の前に連れて来られていた。
「修行と言ってもセリカやメビウスが稽古つけるわけじゃないわ、あんた達には1ヶ月間ウルファリオンで生き抜いてもらうわ」
「ウルファリオンで…」
「1ヶ月…」
アオイとハヅキの2人が息を飲む
「でもまた僕たちみんなで行動していけば1ヶ月ぐらい…」
「ダメよ」
「え?」
ダイチは思わぬ返答に驚く
「今回は各自1人で行動してもらうわ、1人で1ヶ月生きて」
「なんだと?」
「いや、それくらいしないと強くなれない…」
ショウスケがつぶやく
「…ショウスケ?」
「おっ発花くんは話が早いね〜じゃっ準備ができたらみんな入っていってね〜」
ショウスケは何も言わず入って行こうとする。それを俺は止める。
「待て、ショウスケ」
ショウスケはピタッと動きを止める。
「俺たちに理由を話せ」
「理由?」
「この作戦になんでそんなにも殺気立ってるんだ、今まで言えないって言ってきたことと関係あるんじゃないのか」
ショウスケは少しうつむいた後口を開く。
「七色の魔導士の中に俺が殺さなきゃいけないやつがいるからだ…理由はそれだけだ…先行くぞ」
「おい!待て!」
ショウスケは聖域の中に姿を消した…残された俺たちは呆然と立ち尽くす
「あいつが殺さなきゃいけない相手…」
「発花くんは何か魔導士と関係があるのかな…」
「まっあの子にもいろいろ事情があるってことだね〜ささあんた達も行った行ったー」
セリカが俺たちの背中を押す。
「おい!あんたは知ってるんじゃないのか!」
「発花くんが話さないのならセリカが話す権利はないよー」
セリカは全員を聖域に押し込んでいく
「近いうち分かるよ…あの子が背負った運命も…」
残った預言者セリカはそう言い残し姿を消した…
◆◆◆
ーヤモリ型超大型自然の怒り討伐から数日後ー
「誰だ貴様!」
「ここから先は一般人は立ち入り禁止だ!」
王都で1人の青年が門番2人に止められていた、青年は監視カメラを見つけるとそれに向かって叫んだ。
「おい!見てんだろうが!入れろ!」
「何を言っている!言うことを聞かんとただじゃ済まんぞ!」
その時片方の門番に無線が入る
「…はい……ですが…………はい」
無線を受けた門番がもう1人の方へ耳打ちをする。
「何!?」
2人は青年を一瞥した後不服そうに言う
「「通れ」」
「ふん…ごくろうさん」
青年は建物の中に入ると扉を乱暴に開けた。そしてその先には赤いメッシュの入った黒髪にメガネをかけた男が座っていた。
「おいおい、扉くらいやさしく扱ってくれ」
男は呆れる。
「しかし、よくここいにいると分かったな。まぁ隠していたわけじゃないが」
青年は無言で気術を発動させ炎を纏う。
「…ここでやるつもりか?」
「大門のじいさん殺ったのてめぇだろ」
赤いメッシュの男はメガネをくいっと上げる。
「だとしたら?」
「てめぇ…いくつ罪を重ねるつもりだぁ……ここで殺す!」
青年は炎を纏った拳を放つ、机はバラバラに砕けたがそこに男はいなかった。
「残念だが今ここでやりあってもお互い何のメリットもない…お前は俺を殺しても殺さなくても捕縛され幽閉される、僕は訳あってお前を殺せない…」
男は扉の前に立っていた。
「っ!」
「まぁ、今のが見えないようならお前に勝機は無いがな?“ショウスケ”」
「イツキィ…!!」
「おっと、その名は捨てたんだ…今、僕の名前は発花イツキじゃあない、“ソレイユ”だ…」
そう名乗った男は炎を纏う、青年とは明らかに熱量の違う炎を
「これが魔法と気術の違いだ、“弟”よ…」
「ぐっ!ぐぁあああ!!」
男が腕を薙ぐと猛烈な炎の旋風が巻き起こった、その威力は半端ではなく青年は窓を突き破りながら吹き飛ばされていった。
その時バタバタと兵士達が建物の前に集まってきた。
「大丈夫ですか、ソレイユ様」
「あぁ、それよりも新しい机と窓を張り替えてくれ」
「はっ!」
男は青年の飛んで行った方向をチラリと見る
「時が来れば僕から会いに行くよ…ショウスケ」
◆◆◆
聖域ウルファリオンを走る影がひとつ
「まだ足りない…野郎を…兄貴を殺すには…こんなもんじゃ…」
そこに背後から迫る人の大きさほどのクモ型幻獣、しかしショウスケは瞬時に振り向き拳を放つ
幻獣は黄金の炎に焼かれ消し飛んだ…
「すべて奪って行った野郎を…俺が…必ず殺すっ!!」
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ではまた次回でお会いしましょう〜




