第三章 第17話「第一級討伐作戦」
森の上空を飛ぶヘリ、そこからはすでに第一級大型自然の怒りの姿を捉えていた。
牛の頭をした獣人とでも言えば分かりやすいか…
「こちらヒロト、対象を捕捉。対象は北西へ移動中。地上班、状況は?」
〈はーい、こちらアオイ。もうすぐ見えるはず……見えた!これからこいつの動きを止める!〉
「どれぐらいかかる?」
「…30秒!」
「了解!」
空で俺とダイチはその時を待った。
ー数時間前
「全員揃ったな!」
郷田隊長が俺たち第4隊の前に立ち今回の任務の説明を始める。
「これからお前たちが討伐に向かうのは第一級自然の怒りだ。今までの言ってしまえば雑魚とはレベルが違う!」
雑魚…今まで倒してきたやつらが雑魚か…
「ただ火力をぶつけるだけでは倒せない。やつらはタフだ!今回の対象は発生から約1週間、正直第一級の中では下位に位置する。だが、今までの敵より確実に強い!心してかかるように!」
「「「「「はい!」」」」」
「作戦、指揮は月永、お前だ!早速だが何か案はあるかな?」
俺は少し考え郷田隊長を見る。
「あります」
◇◇◇
右手側に自然の怒りを見ながら私たちは走る。
「なんで俺が足止め役なんだ!」
「ブーブー言ってないで走る!ほら向こう側に出て!ハヅキ、リヴァイア!やるよ!」
「オッケー!」
まず、リヴァイアが激流となって自然の怒りの左足に突進。そして、その動きが止まった瞬間ハヅキが止まった左足をロックする。
「グロウチェーン!」
瞬時に左足に光の鎖が巻かれ周りの木々と繋がれた。これでこいつは動けない、そして…
「ひざまづけぇええ!!」
ショウスケが右足の膝裏に炎を纏った蹴りを放つ。俗に言う膝カックンが綺麗に決まり、自然の怒りは右膝を地につけた。
「ヒロト!ダイチ!今よ!」
◇◇◇
「30秒経ったな、いくぞダイチ」
「え?でもまだ連絡が…」
そう言うダイチの手を引きヘリから飛ぶ。
「えええええええええええぇぇ!!?」
「アオイが30秒って言ったんだ!それを信じねぇのか?」
「でも、無茶だってぇえ!!」
落下しながら自然の怒りを見据える。するとそいつがひざまづいた、そしてそれと同時にインカムに連絡が入る。
〈ヒロト!ダイチ!今よ!〉
「了解!な?言ったろ?」
「もう!調子いいなぁ!」
俺とダイチは波長を合わせる…
「「リンク!!」」
この2人での初のリンク、出だしは上々これならいける。
「せっかくのリンクだが、今回は俺に合わせてくれ!」
「分かってるよ!ほら、準備して!」
俺は右腕に巨大な機械籠手を造形する。そして、その機械籠手に空いた穴にダイチの避雷針、というより避雷杭を装填していく。
「月永くん!いけるよ!放電のやり方は頭に入ってきてるね?」
「あぁ!やるぞ!」
その頃にはもうやつの頭上あたりに来ていた。
ダイチがやつのうなじ辺りに針を刺す。
「あの辺りの気力が薄いみたいだ!狙えるね?」
「当たり前だぁ!掴まってろよ!!」
俺は大きく振りかぶりそこへ拳を振り下ろす。
「「金剛杵機械籠手ッ!!」」
拳が命中したと同時に全ての電気の杭が飛び出しやつに刺さる。
「全針放電!!」
眩い閃光と爆音が周囲に響く。
「ボアオオオオオオオオッ!!!」
自然の怒りが断末魔を上げた。
しかし、やつは消えなかった。こちらを睨み頭突きを放つ。
「やっべ!!」
頭突きを食らう寸前で視界が飛ぶ。気付くと地上にいた。
「危なかった…」
「そうか針に飛んだのか」
「今なら月永くんでも飛べたんだからね?」
「普段そんなの使わねえからな」
「大丈夫!?」
アオイ達が駆け寄ってくる。
「あぁなんとか」
「でも意外だね、まだピンピンしてるよ」
「すまねえやつの反応が良すぎて下からの追撃が出来なかった」
そう、俺たちが上空から攻撃した後ショウスケが下から追撃する予定だったのだ。
「失った気憶使うか」
「いや、やつはまだ第一級…他の隊の人たちは普通の気術だけで戦ってるんだ俺たちもこれくらいはやれるようにならないと」
そうこうしているとやつは鎖の繋がった木を薙ぎ倒し自由の身になった。
「私の鎖が!」
「オオオオオオオォォ!」
やつは立ち上がったかと思うとこちらを見下ろし咆哮する。
「どうするの月永くん」
「…よし、別の作戦に移行する。チーム分けはそのままでいく。司令部、やつの気力の薄い位置を出来るだけ多く調べてください。」
〈了解、分かり次第その都度連絡します〉
「よぉし!で、俺は何するんだ?」
気合いの入るショウスケにニヤリと笑いひと言だけ伝える。
「暴れてこい」
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ではまた次回でお会いしましょう〜




