第三章 第13話「怒れる王」
飛び出したダイチは針を円状に展開する。
「ハイボルト・シールド!!」
針から発せられた電気でシールドが出来上がる、そしてそれとブレスがぶつかった。凄まじい衝撃、辺りの木が薙ぎ倒される。
「ナイス!ダイチ!」
ショウスケがその隙にドラゴンの上まで飛び上がる。
「てめぇに制空権はまだ早ぇな」
ショウスケが煌めく炎を纏いながら拳を振り上げる。
「ダンデライオン!!」
背中にヒットした一撃でドラゴンはよろめく。それによりショウスケに追撃を許した。
「まだまだぁ!輝炎・爆蓮華!!」
追撃を喰らいドラゴンの頭が完全に下を向く。
俺は背面の機械籠手4本のうち2本を空に造り変え、ドラゴンへ飛ぶ。
「曇天【極】!」
夜天を曇天に持ち替え4本の腕で大剣の曇天を振り下ろす。しかし、その瞬間ドラゴンがこちらを睨み、巨大な爪で防がれてしまう。
「無駄だぁ!このまま地面に叩きつけてやらぁ!!」
だが、ドラゴンは俺に向かってブレスを吐いた。
「っ!!!!」
瞬時に機械籠手を盾付きの機械籠手、「盾角」に造り替え防御するがブレスをまともにくらい俺は吹っ飛び地面に落ちる頃には意識は無かった。
◇◇◇
「ヒロト!!!」
「月永くん!!!!」
ブレスをくらった月永くんが落ちて行く。そこへ行こうとしたが既に光丘さんが落下地点へ走り出していた。
「大丈夫だあれなら間に合う、任せよう…」
僕は持ち直しまた空を飛んでいるドラゴンを睨む。
僕の天空眼で視えるところまでくれば確実に攻撃は当てられる、ただあそこからまたブレスを撃ってくれば防ぐしかなくなる…
すると、ドラゴンはこちら目掛け急降下してきた。
「来やがったな!今度こそ俺が…」
「発花くん!ダメだ!僕がやつを落とす!そこを叩いて!」
「おっおう、頼んだ!」
急降下してくるドラゴンを止めようとしていた発花くんを止める、さすがに発花くんでもあれは生身じゃ無理だ
「金剛杵!」
金剛杵を1つ作り上空に待機させる。そして、その時を待つ…
とてつもないスピードだ、それにあの質量。山1つ消し飛ぶほどのエネルギーだ。
ドラゴンは僕目掛け迫ってくる。
「…今だ」
僕は少し離れた針へ飛ぶ、そして金剛杵を落とす。
「ヒット」
その言葉と同時に金剛杵がドラゴンの首筋に命中する。
「炸裂する金剛杵!!」
ドラゴンは声を上げ、地面を削りながら滑っていく。
そして、その先に待ち構える発花くん。
「全身全霊…全てを賭けた一撃を喰らわせてやるよ…」
発花くんから凄まじい気力を感じる。
「煌焔鳳凰木!!!」
拳からは炎の花が咲き乱れ辺り全てを灼き去る。
ここにいても衝撃が伝わってくる。
ドラゴンは天を仰ぎ倒れた…
「終わったか…」
僕も終わったとそう思った。しかし、やつはそれを許してはくれなかった…
ドラゴンは転がりながら起き上がり、翼をバサッと広げ首をゴキゴキと鳴らす。
「嘘…だろ…俺の全力だぞ…?」
唖然とする発花くんに迫るドラゴンの鋭い爪、ここからでは間に合わなかった…
「発花くん!!!!」
たが、その爪は発花くんに到達することなく、なんと砕け、宙を舞った。
「あ〜あ、てめぇのご自慢の爪が…無くなっちまったなぁ?」
そこにいたのは、ドラゴンを睨む月永くんだった。
ー少し前
「月永くん!!起きて!!」
私は必死に呼びかける。息はあるものの危ない状態なのは間違いなかった。
できるかぎりの治癒の術式は使った、私は目を覚ますのを待つしかなかった。
「月永くん!!」
その時、月永くんの目が開く。私は思わず涙が出る。
「その涙は勝った時に置いとけ…」
月永くんはスッと立ち上がり歩き出す。
「月永くん!そんな状態じゃ無理だって!」
「…見てろ」
月永くんは立ち止まり、こちらに振り向く事なくそう言って歩きだした。
私はゾッとする…あの刺すような冷たい声、溢れ出るオーラ…私はあの月永くんを1度だけ見たことがあった。
「やばい…キレてる…めちゃくちゃ怒ってる…」
◇◇◇
「発花くん!大丈夫!?」
「あぁ…ダイチここから離れるぞ」
発花くんが月永くんを見ながら言う。
「え?なんで?」
「あいつマジギレしてやがる」
発花くんが苦笑いしながら月永くんを指差す。
「離れないと巻き込まれるぜ?」
僕は冗談に聞こえずひとまずその場から離れた。
「なんなの?月永くんがキレたらどうなるの?」
「あいつは昔、一度だけ今みたくマジギレしたことがあってな、どうなったかって言うと学園1つ潰したんだ…理由はハヅキが強姦されそうになったって理由なんだけど…」
「学園を1つ…潰した…??」
「あぁあれは忘れたくても忘れらんねぇな…全校生徒に大人でさえヒロトを止められなかった、本当は退学処分に逮捕案件だったがヒロトのじいさんのお陰で半年間の謹慎、その上1年間評価の基準になってた大会への参加禁止って処分で済んだ。そんで、ついた異名が“影の王”だ」
とんでもない人だ…理由が理由だからキレるのは分かるけど、やり過ぎだ…そして、僕はその影の王を今目の前で見ようとしてるのか…
「あっそうそう別に周りが見えなくなるとか意識が飛ぶとかって訳じゃないぜ?怒りで体のリミッターを外してるんだ…プラス若干性格は変わるが…」
リミッターを外すなんてそんなことして大丈夫なのかと、僕がもう一度月永くんを見るともうそれは始まっていた。
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ではまた次回でお会いしましょう〜




