第二章 第35話「来訪者」
俺たちは瓦礫を跳ね除け起き上がる。
「大丈夫かショウスケ」「あぁ、なんだあいつ全く見えなかった…」
俺たちが立ち上がると前にはすでに1人の男がいた。
「雷殿支部長!」
「ガキはすっこんでな…と言いたいところだがよく仲間を守ったな、俺が一番に飛んで来なけりゃならないのに…あとは俺がやる」
「あぁ?てめぇには用はねぇんだよ!俺はそいつらを殺しに来たんだ」
俺たちを殺しに…??それに今“俺”って言ったな、男か…?
「なら、尚更ここはどかねぇなぁ…そんな訳の分からん仮面と声まで変えやがって、それ全部引っぺがしてやる!」
その瞬間、雷殿支部長の側から電撃が放たれるそれは瞬きする間に謎の男に直撃する。
「くっ!」
「受け止めるか」
「なるほど厄介ってのはお前のようなやつのことか…じゃあ力づくで行かせてもらう!」
男は炎を纏う、前傾姿勢になり地を蹴った。
そこから先は全くと言っていいほど見えなかった…速すぎる、本当に人間同士の戦いなのか…辛うじて見えるのは2人がぶつかった時と炎と雷、俺たちと次元が違った…
数秒後、片方が吹っ飛んだ。建物が何棟か粉々になる、が、どちらが吹っ飛んだのかが分からない…
2人が止まる。
「この俺と互角に渡り合うか…どこの馬の骨ともわからねぇ野郎が…」
「互角?これが俺の本気だとでも思ったか?何も知らねぇおっさんが!」
「そのままその言葉返そう、そして俺はまだおっさんではない!!」
四方から放たれる雷光。それをやつは防いではいるが一瞬の隙ができる、そこへ雷殿支部長が詰める。
「嵐怒突!!」
嵐のような風を纏った蹴りがやつの体に命中する、いくつもの家や建物をを破壊しながら物凄い勢いで吹っ飛んでいく。
が、数秒後にはまた建物を破壊しながら雷殿支部長の目の前に現れる。
「てめぇもぶっ飛びなぁ!」
炎を纏った拳を雷殿支部長は風の壁で受ける。爆音と共に流れた炎が背後の家々を焼く。
ここが誰かの気術でできた街で良かったと心底思った…
やつの拳を受けきるとその風の壁から暴風が吹き荒れる。やつは耐えたものの頭のフードが取れる、それを見た俺は全身に鳥肌が立った…
「赤い…髪!!」
そう、そのフードの下から現れたのはぼさっとした長い真紅の如く赤い髪、俺の脳内にあの大門クニヤスの最期の言葉が蘇る。
“赤髪の男に気をつけろ”
「ショウスケッ!」
「あぁ!あいつに違いねぇ!」
俺たちがその戦闘に参加しようとしたその時、雷殿支部長とそいつの間に突如、少女が現れる。
「なにっ!!?」
「なんだてめぇ?…いやこの感じ…調停者か」
「ざんね〜ん♡調停者はお姉ちゃん、セリカは預言者だよ☆」
「ハッ…神の使いっ走りが邪魔すんじゃねぇ、今久々に楽しんでるところだ」
預言者セリカが瞬時にやつの目の前に移動する。
「あんたの出番はまだ先…早く出てきすぎなんだよね…」
「あ?」
「じゃねっ☆」
やつに向かってデコピンをする、瞬間、鈍い音とともにやつが消し飛んだ。預言者セリカは空に向かってバイバーイと手を振っている。
「おい!あいつは俺の獲物だ、それに情報を何も聞き出してない!」
預言者セリカの声色が変わる。
「言ったでしょ、時期尚早なのよ。それにリョウくん負けてたかもよ?」
「なん…だと?いや、そういう問題じゃねぇ!あいつは何者だ!何故あの2人を殺そうとしてた?お前は何を隠してる…!!」
「時が来れば分かるわ…」
そこで声色が戻る、いやどっちが本当の声だ?
「ではっセリカはお姉ちゃんに報告に行きますのでっ☆」
その瞬間、風を残して預言者セリカは消えた。
「くそっ!!」
◇◇◇
ーサブサイド第1支部会議室ー
ドンッと雷殿リョウ支部長が机を叩く。
「なんなんだ…!」
「焦るでない、恐らくここにいる誰もが理解できていないんじゃから」
神島本部長がなだめ、そして俺とショウスケを見る。
「君たちに問おう、あの謎の男に心当たりはあるかね?」
「いいえ…ただ、大門クニヤスが最期に言った…“赤髪の男に気をつけろ”という言葉、その赤髪の男がやつかもしれません」
「大門クニヤス…あの人工的に自然の怒りを作り出していた男か、もう少し調べる必要があるかもしれんなぁ…そっちの子は」
「はい、それ以上のことは何も分かりません…あれが誰で何のために俺を殺しに来たのかも…」
そこが謎だ、俺たちはまだ新人、誰かに恨みを買われた覚えもないし、何か見ちゃいけないものを見てるわけでもないと思うし、何故あいつがショウスケを殺しに来て、そして俺もついでみたいに殺そうとしたのか…
「つまり、君たちは得体の知れない何かに狙われる身になっとるというわけか…何か対策を…」
言いかけたところで机の上に預言者セリカが現れる。
「それはご心配なくっ神島本部長♡彼らは私たち神の使いがお守りするので〜」
「お前っ!!」
雷殿支部長を神島本部長が止める。
「それは有難いが、信用ができん。わしらに納得できるほどの情報がないとな」
「う〜ん、まぁしばらくは襲ってこないと思うんだけどぉ彼が何者かだけ教えておくね☆それでどう?」
「…内容による」
「では、発表しまぁーす!彼はぁ…世界渡航者だよっ!」
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第二章、最後で荒れてます。
ではまた次回でお会いしましょう〜




