第二章 第31話「シビれる可愛さ」
第1支部は毒島アツシ、玉転がしの時にいたと思うけど能力が分からないな。
第2支部はカズキ・マクダミア、不動院さんを姫と慕ってる内の1人か、名前的にこの辺りの人じゃないな。確か能力は地形変化。
第4支部は大願寺ミチカ、気力結晶の金棒を持った変身する子か…
駆けながら今回の対戦相手を確認する。不安要素は第1の毒島アツシ。能力が分からない以上迂闊には手を出せないな…
そして、一番に中央広場に辿り着く。
「先手必勝…!」
僕は針を辺りにばら撒いた。
「中央に真っ先に来るなんて安直ね」
上空に1つの影、鈍く輝く金棒を振り下ろしながら降下してくる。
僕はその一撃をかわす。金棒は地面を容赦なく砕いた。
「大願寺ミチカ…」
「どうも、あんたたち第3にはお世話になったわね…でもあれは足手まといがいたから、このミチカ様をあの程度と侮らないことね」
金棒をこちらへ向けながらなぜかドヤ顔を浮かべ、額のツノをチラつかせる。
「忠告どうも」
僕はミチカの背後にあった針へ一瞬で移動する、が
「なかなか速いわね…でも、見えない速さじゃないわ」
さらに背後の針へ飛び、金棒をすんででかわす。
「さすがにそんな甘くないね」
そう言ったと同時にさっきよりも速く一度別の針を経由してまたミチカの背後に飛ぶ。
「これはどうかな?」
「なっ」
電撃波を放ったがギリギリで反応され金棒で防がれる。
「ふぅ…私もそれ相応の姿になる必要がありそうね」
ミチカは指をパチンッと鳴らす。
「変身“雷鬼”」
ミチカの体が光に包まれその姿が変わる。
三つ編みだったオレンジの髪は2つの団子に結ばれ、黄色と黒のドレスを身に纏う。そして、その金棒とツノは健在だった。
「どうかしら?シビれるような可愛さでしょ?」
「そう言われても…」
「あら、ノリ悪いわね」
さっきまで数m先にいたミチカが一瞬で目の前に現れる。
睨み合うだけであたりに電流が走る。振るわれた金棒をかわすために別の針へ飛ぶ、が、それにミチカはついてくる。
「鬼ごっこっていうのはどうかしら」
「誰もうまいこと言えなんて言ってないよ…」
その会話が終わったと同時に互いに電気を纏い高速で移動する。
攻撃の撃ち合いが始まる、辺りを稲妻のように移動しながらぶつかっては離れを繰り返す。
ある時、あることに気づき僕はピタッと止まる。
「あら、どうしたの?もう息切れかしら」
「違うよ、動かないほうがいいと思ったから止まっただけ」
そう、先程から明らかに針の数が減っている。ある程度地面に埋め込んではいたもののさすがに気づかれたか…
「僕の針、どうしたの?」
「どうしたもこうしたも、この金棒で蹴散らしてたのよ。所詮は気力でできた針、気力結晶の前では風前の灯火ね、ついでに気力と電気の補充もできたし」
その時、突然霧が僕たちを覆う。
「「なに!?」」
「麻痺霧…お話してくれてたお陰でやっと霧を浴びせられたよ…」
霧の外から聞こえる声、見たこともない能力。
「ぶ…毒島か…!」
「正解…でももうだいぶ麻痺してきてるみたいだね…」
毒島アツシの言う通り全身が痺れ上手く体が動かない…
「小範囲ダメージミスト…フゥーーー…」
そう言ったと思うと赤い霧が迫ってくる。それが手に触れた瞬間、触れた部分から関節が軋み、傷口が痛みはじめる。
「「っ!」」
僕は霧の外にある針を探し、それへ飛ぶ。
「あれれ…」
「くっあの霧から出ても痺れはすぐには取れないのか…」
そこにいたのは白衣を着、猫背で明らかに血色の悪い顔をした男だった。
驚くべきは、体のどこからともなく煙?というか霧が湧き出ていた。
「思ったより簡単に抜けられてしまいましたね…でももう1人は…あれ?」
「このミチカ様を舐めんじゃないわよ!」
気づけばミチカは毒島の頭上にいた。
「ミスト…」
白い霧が毒島を覆う。そして、その霧の中に金棒を振り下ろすミチカ、振り下ろした瞬間その霧が晴れる。
「惜しいですね…もう少し左でした」
「んなっ!」
ミチカは少し距離を取る。
「驚きですね…私の霧からこんなに早く出られるとは…特に第4のあなた、よく出られましたね…」
「あんたの霧、全部が気力でできてたらもっと早く出られたけどね!」
なるほど、気力結晶で無効化したのか。しかし、あれに頼りすぎじゃ…
これで、3人もう1人は…
「地形変化“陥没”」
「えっ」
突然、僕たち3人の足元に大きな穴が空く。それにより僕たちは少し宙に浮く。
「地形変化“隆起”」
次の瞬間、とてつもない勢いでその穴から地面が飛び出してくる。
全てが唐突でしかもまだ痺れが少し残っていた僕はそれをかわすことができなかった。
「ぐぅう!!」
3人が空へ放り出される、ミチカもかわしきれずまともにくらったようだ。毒島はというと体を真っ白な霧で覆いまるでボールのようになっていた。
「地形変化“針山”」
今度は着地するはずの場所に無数に地面が鋭く隆起する。
僕はそれの範囲外にある針へ飛ぶ。
「危なっ」
毒島は範囲外へ跳ね飛んで行き、ミチカは着地する場所へ金棒を振り下ろし場を平らするという力技を見せる。
「不意打ちなんて卑怯じゃない?」
「不意打ち?あなた方の注意力が足りなかっただけではナイデスカ?」
建物の上からこちらを見下ろす、カズキ・マクダミア。ガタイが良く、褐色で目が綺麗な青色をしている。よく見ると腕に硬そうな籠手をつけている。
「そこから下ろしてやるわよ!」
ミチカは隆起した地面を砕きながら進み、飛び上がる、そして、電気を纏ったかと思うと一瞬でカズキの目の前に移動し、金棒をフルスイングする。
カズキは腕の籠手で受けるが、耐えきれず地面へ落とされた。
「これで、4人ですね…」
いつのまにか毒島も戻ってきていた。
4人が対峙する、三つ巴ならぬ四つ巴…これを制するのは…
「僕だ」
ファントムブレイヴを読んでいただきありがとうございます!
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割と大願寺ミチカちゃん好きだったりします。
ではまた次回でお会いしましょう〜




