第二章 第27話「6人目」
巨大な蛇と対峙する。
その眼光は鋭くそして妖しく光る…あたしは隣で佇む水の龍、リヴァイアと波長を合わせる。
ドクン…
波長が合った瞬間あたしたちは地を蹴り駆け出す。
「視覚共有!&気力共有!」
パートナーである岩蛇、メデューサにバフをかけていくゴスロリ衣装の少女、不動院リサ。
まず、リヴァイアがメデューサへ仕掛ける。メデューサの上空から滝のような激流となり激突する。
が、メデューサもその程度ではビクともしない、リヴァイアを押し返そうと踏ん張っている。しかし、そこへあたしの攻撃。ビースト・ソウルの装甲を籠手に移動させ、顎へ向けて飛び上がりアッパーを食らわせる。
これには流石にメデューサも怯む、それをリヴァイアが押し倒す。
その隙にリサへとあたしは迫る。が、そこへメデューサの尻尾が飛んでくる。
「ぐっ!」
「バカね、今私はメデューサちゃんと視覚を共有してるの。私が見えてる景色はメデューサちゃんにも見えてんのよ。」
流石にそう簡単にはいかないか…リヴァイアはメデューサと絡み合いながら抑えつけているが大きさが違う、その内引き剥がされる。
「リヴァイア!」
あたしはリヴァイアを一度呼び戻す。
「あら、そっちの攻撃はもう終わりかしら?じゃあこっちから行くわよ」
メデューサが起き上がる。
「完全調和・黒い宝石」
宝石を食べて黒くなっていたメデューサの身体がみるみる輝きを持ち始める。
それは敵ながら美しい姿だった。
メデューサが動く、「来る」と思った時にはすでに尻尾が目の前に迫っていた。
「速いっ!」
あたしとリヴァイアは吹っ飛ばされる。さっきまでの倍近くの速さ、そして尻尾の一振りも鋭くなっている。
けど、追えない速さじゃない…
「リヴァイア!いくよ!」
あたしたちは体勢を立て直し、メデューサへ反撃をはじめる。
あたしは尻尾を飛び上がってかわしそのままメデューサの顔目がけ拳を放つ、が、それは避けられる。
そこへすかさずリヴァイアが突進。顔に巻きつき地面に叩きつけた。
しかし、土煙の中メデューサは起き上がった。眼を光らせながら飛び上がる、そして尻尾を地面に叩きつけ大きな瓦礫をこちらへ飛ばす。
瓦礫は防いだが一瞬メデューサから目を離してしまった。
「いない!」
気配を感じ後ろを振り向いた時には遅かった。
「きゃあっ!!」
鋭い薙ぎ払いをもろに食らう。けど…
メデューサの後ろから巻き上がる水の渦、それがメデューサを巻き込み川へ引きづりこむ。
「ガァアアアッ!」
メデューサが呻き声をあげる。
「ナイス!リヴァイア!」
あたしはその上空へ飛び上がり、装甲を脚へ移動させる。
「龍の滝降ろしっ!!」
水を纏ったかかと落としをメデューサへ食らわせる。
「メデューサちゃん!!」
それを食らったメデューサはフラフラとよろめいている。
その隙にリサへと迫る。
「もらった!」
「…やっぱり、2対1じゃ厳しかったみたいね」
不意にリサが大きな気力を纏い始める。
「…え?」
あたしはその気力の感じに見覚えがあった…
ドクン…
全身に鳥肌が立つ…
ドクン…
「う…嘘でしょ?」
リサの周りに大きな術式陣が展開する。そして、リサは蒼い宝石を取り出した。
「私にだけ許されたこの力…見せてあげるわ!!」
そういうと宝石を頭上へ掲げる。
「失った気憶解放!“二体同時調和”!!」
◇◇◇
その映像を観ていた俺たちも驚きを隠せずにいた。
「おいおい、今何て言った?失った気憶だって?」
「俺ら以外にもいたのか…しかもリサ…」
「一世代に5人もいるなんて異常だって言ってたでしょ、だったら僕たち以外の6人目もいたっておかしくはないよ…」
「…………」
まずいな…このままじゃアオイも使うだろうが見た限り練度が違う…恐らくリサは俺たちが失った気憶を習得するよりもっと前にあの力を…
「勝てるのか…アオイ…」
俺たち4人は見守ることしかできなかった…
◇◇◇
…やっぱりそうだ…失った気憶…あたしたち5人以外にも所有者がいた…試合が始まる前の予感はこれだったんだ…
しかも、二体同時調和…?
蒼い宝石からどんどん岩が生み出されていく、そしてそれは人のような形を成していく…
「…岩魔人召喚。来なさい、タロースちゃん!」
メデューサと同じほどの大きさはあろうかという巨人のようなゴーレムがあたしたちの前に出来上がった…
「オオオオオォォ…」
「さっこれで2対2ね…」
あたしたちもやるしかない…あたしとリヴァイアは覚悟を決めた…
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ではまた次回でお会いしましょう〜




