第二章 第26話「罪悪感」
次はお前だとこちらを見る帝。
あたしは身構える。
「…ちょっと待ちなさい!」
不動院リサが帝を睨む。
「対人戦に特化したやつがいるって聞いたことがあったけどあんたね…帝コウヘイ。なんだか私に勝ったみたいな感じでいるけど、うちのメデューサちゃんはあれくらいでやられるような子じゃないのよ」
リサはいつの間にか取り出した宝石を上空へと投げる。すると、そこへメデューサが飛んで来た。
バクリッとその宝石を食べたメデューサ、そして着地するまでの間にみるみる体が黒くなっていく。
次の瞬間辺りに地響きが走り、近くの建物のガラスは全てバラバラに割れた。
「おいおいおい、そんなことをしても無駄だぜ?」
「ええ、無駄ね。だってもう私はあんたには勝てない」
勝てない…?リサは帝の能力を知ってるの?
「だから…」
突如、メデューサが動き尻尾であたしの近くにいたマサタカを払いのけ、あたしとリヴァイアを掴む。
「ちょっ!」
「男は男同士でやりあってなさぁい!」
その言葉と同時にメデューサが飛び上がる、あたしたちはメデューサとリサに連れられ空を舞う。
「離しなさいよ!」
「ダメよ、それにあんたも帝の能力の発動条件を1つ満たしてるはずだから…勝てない戦はするもんじゃないわ」
「え?」
あたしはどんどん離れていく帝を見ながらそのまま連れ去られた。
◇◇◇
「おいおいおい、あいつ獲物もって逃げやがった」
まぁいいかと少林マサタカの方を見る。
「お前を倒していけばいい話だしなぁ」
「ふんっお前のようなヒョロヒョロに俺が負けるわけがないだろう」
おいおい言うねぇこいつ、俺の“審判”に勝てる訳ないのに…
「…来な」
「さすがにお前の能力の発動条件が分からないのに迂闊に攻撃などせんわ」
そりゃそうか…まぁなんでもいい…
「来ないならこっちから行くぜ?」
俺は拳に気力を纏わせマサタカに飛びかかる。
次々と殴りかかるが全て余裕でかわされる。
「お前体を鍛えた方がいいんじゃないのか?そんな攻撃目を瞑っててもかわせるぞ」
「うるせぇ!てめぇもかかって来いよ」
いや…これはあからさま過ぎたか?まぁ“俺に触れる”って条件は無理矢理でも満たせる。問題はもうひとつ…
俺は隙だらけのパンチを放つ。そして、マサタカも嫌気がさしたのか俺の腹めがけて拳を振るった。
「あがぁっ!!」
ほぼ全気力を防御に回しその攻撃を耐える。が俺はそのまま大袈裟に痛がってみせる。
「うっ…ぐぅ…」
地面に突っ伏し腹を抑える。が…
「立て」
「!?」
俺は思わず顔を上げる。
こいつ…なんで…
「本気で来い、お前は支部の名を背負ってるんだぞ」
「十分本気なんだけどなぁ」
俺はスッと立ち上がる。
「しょうもない戦いをするなら先に言っておこう、帝コウヘイ。俺はお前の能力の発動条件をしっている。」
「…なるほどな、だからさっきのパフォーマンスで感じなかったのか“罪悪感”を」
発動条件が分かっていても感じるやつは感じるんだがな、たまにいるんだよなこういうバカが
「いつ知ったんだ?」
「あの岩蛇に払いのけられた時だ、気力で文字を残していった」
あの嬢ちゃんか、俺のこと知ってる風だったししょうがないか…
「ただし!」
「?」
「それを知っていようがいまいが、この正々堂々の戦い…その中で罪悪感など感じるはずがないがな」
めんどくせぇバカだ
「分かった分かった、じゃあ勝ってみろよ俺に」
俺はマサタカに迫る、次は本気でマサタカと対面する。
…俺の攻撃の全てが防ぎいなされまったくマサタカへダメージが通らない。
「そんなものか!」
マサタカの正拳突きが俺のみぞおちへ命中する。これで何回目の被弾だろうか。
「ガハッ!」
俺は苦しみながらもマサタカを睨む。
「…やっとか…」
「何がだ」
俺は術式陣を展開する。
「ジャッジメント!!」
「なっ!なぜだ!俺は罪悪感なんて感じてないぞ!」
「あぁ、お前は罪悪感なんて抱いてない。けどな、お前は俺に勝ちすぎた。」
そして、その能力を発動する。
「無罪か死刑か」
マサタカの方の陣に“DEATH”の文字が浮かび上がる
「なにぃ!」
「制裁」
陣がさらに展開する。次の瞬間マサタカが呻き声を上げたかと思うと白眼をむいて倒れた。
「ハァ…ハァ…ったく、これは使いたくなかったのにな…」
俺も相当なダメージを負った、正直立ってるだけで身体中が痛い。けど、ダメージを受けないとこの能力は使えない。相手が俺に与えたダメージが俺が相手に与えたダメージの100倍以上にならないと発動しない
「さて…あの2人を探すか…」
俺はフラつきながら歩き出した。
◇◇◇
あたしたちはフィールドの端、川の流れるのんびりとした雰囲気の場所にいた。
「あたしが発動条件のひとつを満たしてたってなんで分かるの?」
「あの審判の発動条件は“能力者に触れること”、もうひとつは“罪悪感”。あんた感じてたんじゃない?」
罪悪感…そうだ…帝に第4をボコボコにしただろって言われた時に感じてしまっていたかも…
「まっあいつのことはどうでもいいわ、私はあんたを倒せさえすればいいんだから」
「ならさっきメデューサで捕まえた時に締めつけ続ければよかったのに」
「あのねぇ私はそんな卑怯な手は使わないの、正々堂々あんたを倒すの」
メデューサがあたしたちの前に出てくる。
「さぁ来なさい泥棒猫」
どうすれば誤解を解けるかも頭の隅で考えながらあたしとリヴァイアは目の前の黒い岩蛇と対峙した。
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ではまた次回でお会いしましょう〜




