第二章 第20話「ソロバトル開幕」
俺たち第3支部第4隊はそれぞれ準備に取り掛かっていた。
「みんないいか?全員叩きのめしてくるんだぞ?」
「発花くんは言い方が怖いよ」
「まぁでもそれぐらいの気持ちがないとねっ」
「僕以外の3人を倒せばいいだけだもんね」
「さて、一人目は誰だ?」
空中に表示される対戦表、第3支部と表示された横にあった名前は…
「俺だな!」
拳と拳を胸の前で合わせ気合を入れるショウスケ、その顔は自信と好奇心であふれていた。
そしてフィールドの方へ歩いていく、が俺はそれを止める。
「バカ、ステージは外だ」
「え?」
そうソロバトルという名のバトルロワイヤルは市街地をコピーした場所で行われる。おそらく誰かの気術だろうがその再現度は凄まじいものでこのまま住めてしまうのではないかと思うほどだ。もちろん気術者が気術を解くと消えてしまうはずなので本当に住めはしないが…
「へぇ街中で闘うなんて新鮮だね」
「光丘さんや僕みたいな能力だと闘いやすいかもね!」
「よしっ!いくか!」
ショウスケは袖をまくり上げ炎をちらつかせながら闘いの地へと乗り込んでいった。
◇◇◇
さて、対戦相手は誰だ?
自分の名前を見るやいなや飛び出してきたから全然誰と闘うか分かってないぞ
周囲を見渡すが誰もいない、恐らく全員が別々の位置からスタートするのだろう
〈スタート10秒前…9…8…〉
っとカウントダウンが始まった、俺は炎を纏い始める。
〈1…スタート〉
その合図と同時に俺は足から炎を吹き上がらせ上空へ飛び上がる。
「さぁて、どこだぁ?」
俺は目を凝らす、すると建物の間に人影を発見した。俺はニヤリと笑う。
「みーっけ」
俺はその人影へ向けて炎を纏いながら突進していった。
近づくにつれてそれが誰かわかった俺は体でぶつからずに全力で炎をぶつける
「っとっと!びっくりした!」
「てめぇか…昨日のうらみ、いつか返さねぇとと思ってたんだ」
そうそいつは俺に幻術をかけた野郎だった。
「君は確か発花ショウスケくん…だったかな」
「よく知ってんじゃねぇかてめぇの名前は知らないけどな!」
「…タクミです、第1支部の加賀タクミ。一度闘った相手の名ぐらい覚えてください」
そう言いながら剣を抜くタクミ。確か妖刀だとかなんとか言ってたな、あれが厄介なんだよな。
妖しく光る刀身は見ているだけで気分が悪くなる
「てめぇの気術のからくりは分かってる、勝ち目はねぇよ」
「そうですねぇ正直なところ一対一だとかなり厳しいです、なので…」
なので?
「逃げます」
「は?」
こいつ今逃げるっつったか?
そしてタクミはその言葉の通り俺に背を向け走り出した。
「んなっ!待ちやがれ!」
残念ながら普通に走ってるやつよりは炎で加速できる俺の方が確実に速い、数十m走ったところでタクミの前に出る
「てめぇ!っと!」
タクミが妖刀を振り回す。当たれば幻術にかかる、俺は咄嗟によけた。その隙にまたタクミは逃げ始める。
「なんなんだよ!」
追いかけると噴水のある広場にでた。そしてそこには他の2人が既に対峙していた。
タクミもそこで止まる。そうか、こいつ一対一じゃ敵わないから4人での混戦に持ち込んだのか!
「さて、4人でやり合いましょうか」
「めんどくせぇやつだ」
いや、だがこれはチャンス…あわよくば3人を一気に倒せる。
「そこの赤髪!月永ヒロトのとこのやつだナァ!」
「あなたは、姫の…旦那様…」
両方とも玉転がしにいたやつだな、片方はヒロトにやたら絡んでた鉄球野郎、もう片方はリサの取り巻きの一人だな…あと…
「俺は旦那様なんかじゃねぇ!!!ぶっ飛ばすぞてめぇ!いや!ぶっ飛ばす!」
全員が戦闘態勢に入る。
幻術と鉄球は分かってるがあの執事みたいな格好のやつがどんな能力か分からない、あの地形を変化させてたやつではなかったはずだが…
「いくゾ!」
鉄球野郎が体を丸め突っ込んでくる、かわすが背後の壁をバウンドして辺りを跳ね回る。
「ゲヒャヒャヒャヒャ!全員ぶっ壊してやるゾ!」
「鬱陶しいんだよ」
俺の方へ飛んできたのに合わせリサの取り巻きの方に蹴り飛ばす。
「いってぇなぁ!」
さすがに鉄球、足に電撃が走ったような痛みが残る。
そして、蹴り飛ばされた鉄球は狙い通りの場所へ向かう。
「ふん、この黒川ヤマトにその程度の攻撃は通らない」
命中まであと1mほどのところで突如黒い半透明の壁が現れる。
「吸着、加速」
そして鉄球は跳ね返らずその場で高速回転し始めた。
「こ…これ以上の回転は目がっ」
「吸着解除」
その瞬間まるで大砲の弾のような勢いでタクミへと発射される
「ウソでしょ…」
タクミは逃げられないと思ったのか即座に刀を構える。
「ぐっ」
激しい金属と金属のぶつかる音が響く
タクミは耐えられず吹っ飛ぶが鉄球も起動が逸れ明後日の方向に飛んでいった…
「あれはフィールドの隅の方まで飛んでいきましたね…」
こいつヤマトとか言ったか、今ので分かったが術式使いだ…といっても詠唱したように見えなかったんだが
「さぁ残りは3人ですが…このままだと私が勝つでしょうね」
「へぇ言うじゃねぇか」
「たとえ姫の旦那様だとしても手加減はしません。姫が一位であなたは最高でも二位だ」
「はっ!俺はトップを取りに来たんだ、てめぇみたいな脇役に俺が倒せるかよ!あと旦那様じゃねぇって言ってんだろうが」
こいつの気術はハヅキと同じで術式を主体とした気術だ、そして術式を発動させるには詠唱が不可欠。なのにこいつは詠唱しなかった…何かトリックがあるはず…
視界の隅でタクミもよろよろと立ち上がる。
…まぁ考えたってしょうがねぇ…勝つのは俺だ!
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ではまた次回でお会いしましょう〜




