第二章 第18話「炎の龍」
「どうするも何も闘うしかないじゃない?」
あたしはリヴァイアを待機させ、拳を握りしめ見た目だけかわいい鬼へ接近戦を仕掛ける。
「馬鹿なのかしら?こっちには気力結晶があるのよ?」
「分かってるっての!」
気力結晶に触れないように拳を振るうがそれが邪魔してミチカ自身に攻撃が当たらない。
そしてミチカは問答無用で気力結晶の金棒をぶん回す。
どうしても避けられないタイミングで金棒が振るわれる、あたしは籠手で防ぐがその一撃は重く吹っ飛ばされる。
「ぐぅっ!!」
見ると籠手にヒビが入っていた。
「言ったでしょ?あなたは負けるわ…このミチカ様に勝とうなんて…」
「そうね、あたし一人じゃ分が悪くて勝てそうにないわね…あたし一人じゃ…」
ミチカの言葉を遮るように言って見せる。
「ならその後ろの彼とミチカを倒すのかしら?まぁ2対2でもミチカたちが勝つでしょうけど、それともその瓶の中に入ったドラゴンちゃんをまた出すのかしら……??」
ミチカが何かに気づく。
「待って。その瓶、空じゃない!」
あたしは笑って見せる。
「何?今気づいたの?というか最初から瓶になんて戻してないんだけど?あとそこ…」
あたしがミチカの足元を指さす。するとそこに術式が現れミチカの手首に鎖が纏わりつく。
「ちょっと!」
「その金棒は少しだけお・あ・ず・け☆」
「あんたふざけてんのぉ!?」
ミチカは暴れるが鎖はほどけない。そして背後のショウスケと共に作戦の最終段階に移行した。
◇◇◇
「残念ながら、キサマがどれだけ攻撃しようがこの装甲を破ることはできない。あの女でもだ。」
自信たっぷりに俺を指差しながらふんぞり返っている。俺は言い返す気にもならなかった。
俺は炎を纏う。
「ふっ何度でも来い、次は反撃してやろう」
こいつついに反撃すると宣言しやがった…
俺はお構いなしに地面へ向かって拳を振り下ろす。
「イラプション!」
何度も何度も地面へ炎を打ち込む。
そしてやつの足元から炎が吹き上がる。
「んなっ!」
当たりはするがダメージは無いみたいだ。
「なんだすごいのが来ると思ったら大したことないじゃないか…もうネタ切れか?」
さすがに腹が立った俺はトモヤに言い放つ。
「てめぇさっきから偉そうにしてるがその割には俺は無傷だけど?」
「はっ負け犬の遠吠えにしか聞こえんな!ではお望みどうり傷まみれにしてやろう!」
トモヤは地を蹴りこちらへ迫ってくる、が俺は思わず笑ってしまう、こんなに簡単に誘導できるやつは初めて見た。
準備ができたアオイを背に感じながら勝利を確信した。
「いくぞ、アオイ」
「OK」
2人が同時に気力を開放する。
「「リンク!!」」
地面が揺れる…地盤が隆起し炎が吹き上がる…まるで火口の真ん中にいるかのような光景。
「なんだ!?」
「なっなにこれぇ!?」
そして炎を纏いながら現れた一体の巨大な龍…
「炎龍・マグナリヴァイア」
「降臨だぁ!」
「オオオオオオオォォォォォン」
自分の足元から現れたマグナリヴァイアに突き飛ばされるトモヤ
その圧倒的な存在に絶句するミチカ
「リヴァイア…ううん、マグナリヴァイア!やっちゃって!」
マグナリヴァイアはまずトモヤを睨みつける。
「っ!くるか!だがこの装甲の前には…」
何か言い切る前にマグナリヴァイアに噛み付かれる。そして自慢の装甲は熱と力によってその自信と共に砕け散った…
マグナリヴァイアはまるで痰を吐くようにトモヤを吐き出した。
「ぁがっぐはっ!」
ミチカには顔を近づける。
「どっどうも~…」
震えるミチカに炎を吹きかける、吐息のような勢いだったがミチカは真っ黒になった。
「…けほっ」
ミチカが黒い煙を吐き出す。
そしてマグナリヴァイアは勝利の雄たけびを上げる。
「ゴォォオオオオオオオオ!!」
それは第1支部全体に響き渡った。
「いっいつからこんな仕掛けを…」
トモヤが肘をつきながら体を持ち上げる。
「最初からこれをするってのは決まってたぜ?地面に炎を打ち込んでたろ?あれで完成してたんだよ。お前に攻撃したのはほんの一部、」
「ショウスケが最初ミチカの方に行ってくれればもっとすんなりいけてたのに」
「女は女が相手してくれないとやりにくい」
「あたしちょっと危なかったんだからね!」
「勝ったんだからいいだろ~」
「リンクか…さすがだな…」
トモヤがつぶやく。
「いいや?お前らの敗因は他にある。これはタッグバトルだぜ?俺からするとタッグの意味知ってる?って感じだった。頭の悪い俺でも知ってることだぞ?」
「まっ意図的にあたしたちが離れさせてたってのは少しあるけどね」
俺はリンクを解く。マグナリヴァイアはもとのリヴァイアへと戻る。
「あっ!写真撮っとこうと思ったのに!」
「それなら…ほれ」
とヒロト達が座っている方を指さす。そこには目を輝かせながら端末をのぞき込むダイチの姿があった。
「あれはきっと撮ってるぜ」
「よかった、そうみたいね」
俺はもう一度ヒロトの方を向きVサインをして見せた。
◇◇◇
「カッコイイ~マグナリヴァイアだって!」
子供のような表情で撮りまくっていた写真を見るダイチ。
しかし、あいつらリンクなんていつの間に…
するとショウスケがこちらを向きVサインを見せる。
「“見たかっ”ってか?」
俺もVサインを返そうかと思ったがイジワルしたくなってしまった。
「おいダイチ、あのドヤ顔も撮っとこうぜ~」
そうしてそのドヤ顔は見事、タッグバトル第3位の称号と共に永久保存版になったのだった…
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